「筋力トレーニング(以下 筋トレ)はダイエットになる?」と疑問を感じたことがある方は多いのではないでしょうか? 結論からいうと、筋トレすると筋肉が大きくなるので、その影響でダイエットの効果を得られる場合があります。
そこで今回は、筋トレがダイエットに与える影響をはじめ、ダイエット目的で筋トレを行う際のポイント、おすすめのトレーニングとそのやり方などについてご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
痩せやすい身体に!筋トレがダイエットに与える2つの好影響
筋トレは、ダイエットに効果的な以下の2つの影響をもたらします。
1.基礎代謝が向上する
まず挙げられるのは「基礎代謝の向上」です。筋トレを行うと筋肉の断面積が大きくなり、それに伴って基礎代謝が高まります。※1※2 基礎代謝がUPすると消費カロリーの量も増えるので、これが結果としてダイエットにつながり、太りづらく痩せやすい身体に近づくのです。※3 また、筋肉1kgあたりの消費カロリーは約13kcalといわれています。※2 つまり、筋トレで筋肉を成長させると「摂取カロリー<消費カロリー」を維持しやすくなり、スムーズに理想の身体を目指せるというわけです。
2.身体が引き締まる
「身体が引き締まる」という点も、筋トレがダイエットに与える影響のひとつ。上述のとおり、筋トレをすると筋肉の断面積が大きくなることから、身体の見た目にも変化が現れるのです。 たとえば、スクワットは臀部にある大殿筋・中殿筋を鍛えられるため、継続的に取り組むことでお尻や太ももを引き締めることができます。ほかにも、クランチならぽっこりお腹の解消が期待でき、プッシュアップ(腕立て伏せ)なら上半身の筋肉にアプローチすることが可能です。
筋トレしてるのに痩せない?!考えられる3つの原因
上述のとおり、筋トレはダイエットに好影響を与えます。しかし、取り組み方次第では思うように痩せられないことも。以下にてその原因を解説するので、心当たりがないか確かめてみてください。
1.筋トレのフォームを間違えている
まず考えられるのは、「筋トレのフォームを間違えている」という原因です。誤ったフォームでトレーニングしていると、本来狙うべき筋肉をうまく刺激することができません。間違ったやり方により筋トレによる効果を十分に得られず、結果としてダイエットにつながらなくなるのです。
筋トレの効果を最大化するには、正しいフォームを身体に覚えさせる必要があります。筋トレの本を読んだり、パーソナルトレーニングジムに通ったりして、正しいフォームを身につけましょう。
2.筋トレに取り組む時間帯が悪い
このほか、「筋トレに取り組む時間帯が悪い」という原因も挙げられます。たとえば、夜に筋トレをするのは望ましくありません。なぜなら、筋トレを行うことで分泌されるアドレナリンによって身体が興奮状態となり、その後の寝つきが悪くなる可能性があるためです。※4※5 筋トレの効果を最大化するには「休息」が不可欠ですが、寝つきが悪いと十分に休まりません。※6 その結果、筋トレの効果を満足に得られず、ダイエットにつながらなくなるのです。
筋トレは夕方に行うのが望ましいといわれており、実際に徳島文理大学の研究結果論文には「夕方に運動をしたグループがもっとも成長ホルモンを分泌した」と記述があります。※7 これまで夜に筋トレを行っていた方は、この機会に夕方の時間帯に移行させましょう。
3.食事の時間・量・質に問題がある
「食事の時間・量・質に問題がある」という点も、筋トレしているのに痩せない原因のひとつです。
たとえば、食事を夜遅い時間に摂るのはNG。なぜなら、脂肪を蓄積する上で必要な酵素を分泌する「BMAL1(ビーマルワン)」の働きは、22時~深夜2時に活発になるためです。※8 いくら筋トレに励んでいても、この時間帯に食事を摂ってしまうと肥満の進行に拍車がかかってしまいます。 また、BMAL1の働きを踏まえると、夜遅い時間に多量の食事を摂るのも禁物です。多く食べるとその分蓄積される脂肪の量も増えるため、筋トレの効果を満足に得られなくなる可能性があります。
さらに、ダイエット目的の筋トレだからと食事を摂らないのもNGです。絶食すると身体が数少ない食事の中でエネルギーを確保しようとするため、かえって脂肪を蓄積しやすくなります。※9
筋トレによるダイエット効果を得るためにも、トレーニング期間中はなるべく早い時間帯に栄養バランスの整った食事を摂りましょう。また、食べる量は腹八分を目安にするのがおすすめです。
押さえておこう!ダイエット目的で筋トレを行う際のポイント
ダイエット目的で筋トレを行う際は、以下のポイントを押さえておくことが大切です。
大きな筋肉から順に鍛える
筋トレする際は、大きな筋肉から順に鍛えるのが吉。具体的には、大腿四頭筋・大臀筋・三角筋・ハムストリングスといった順番でトレーニングするのが望ましいといえます。 その理由は、小さな筋肉から鍛えてしまうと、大きな筋肉を鍛えるころにはエネルギーが不足してしまう恐れがあるためです。大きな筋肉を鍛える際に最大限の力を発揮できなくなると、バランスよく筋肉を成長させることができません。これでは、気になる部位を引き締めることが困難になる可能性があるので、エネルギーが満ち足りている最初の段階で大きな筋肉を鍛えるようにしましょう。
なお、筋トレのメニューを考案する際のポイントについては、以下の記事で詳しくご紹介しています。ぜひあわせてご覧ください。
自宅で筋トレに挑戦!メニューの組み方とを考案時の注意点を伝授
食事の内容・タイミングに配慮する
ダイエット目的で筋トレする際は、食事の内容・タイミングに配慮することも大切です。
食事の内容については、“糖質の摂取量を抑えられるメニュー”を選ぶのが望ましいといえます。糖質の摂取を控えることは、糖質を脂肪に変えて蓄える「インスリン」の分泌抑制につながるため、結果としてダイエット効果が期待できるのです。※10※11 糖質の含有量が多い食材には、炭水化物やホルモン、あわび、ちくわなどがあります。ダイエット期間中は、これらの食材をなるべく食べないよう心掛けましょう。
食事のタイミングについては、筋トレを始める時間の約1時間がベスト。※12 なぜなら、筋トレは空腹でも満腹でもない状態で行うのが望ましいといわれているためです。 仮に空腹のままトレーニングを行うと、エネルギー源として筋肉が分解されてしまいます。※13 反対に、満腹状態で筋トレに取り組むと消化不良を誘発し、腹痛や吐き気を引き起こす恐れがあります。※14 確実に筋肉を成長させ、かつ身体に負担をかけないためにも、食事は筋トレを始める時間の約1時間前に摂るよう心掛けましょう。
ただし、だからといって筋トレ後は何も摂ってはいけないというわけではありません。筋肉の成長を促すなら、筋肉そのものを構成する「タンパク質」の摂取が不可欠です。そのため、トレーニング後にはチーズやヨーグルト、プロテインなどを積極的に摂るようにしましょう。
なお、ダイエット・筋トレ期間中の食事については、以下の記事でも詳しく解説しています。ぜひあわせて読んでみてください。
ダイエット中に最適な食事メニューとは?朝・昼・夜に分けてご紹介
筋トレの効果を最大化する鍵は「炭水化物」?!摂るタイミング・摂取量の目安を解説
有酸素運動にも取り組む
筋トレによるダイエット効果を最大限に引き出すには、並行して有酸素運動にも取り組むのが吉。基礎代謝を高めて消費カロリーの量を増やす「無酸素運動(筋トレ)」と、脂肪燃焼の効果が期待できる「有酸素運動」をバランスよく行うことで、効率的に理想の身体を目指せます。※15 実際に、九州大学の論文には「有酸素運動と筋力トレーニングを組み合わせたプログラムは、体脂肪量を減少させ、体力向上を計ることに有効であった」と記述があります。※16
なお、ダイエットにおすすめの有酸素運動については以下の記事でご紹介しています。ぜひ、あわせてチェックしてみてください。
押さえておこう!ダイエット目的で筋トレを行う際のポイント まとめ
- 気になる部位を引き締めるために、筋トレの際は大きな筋肉から鍛える
- 筋トレ期間中の食事には、“糖質の摂取量を抑えられるメニュー”を選ぶのが望ましい
- 食事を摂るタイミングは、筋トレを始める時間の約1時間がベスト
- 筋トレとあわせて有酸素運動にも取り組むと、より脂肪が燃焼されやすくなる
ダイエットに効果的!おすすめの筋トレ3選
ダイエットに効果的な筋トレには、たとえば以下の3つがあります。
スクワット
スクワットは、大腿四頭筋・大殿筋・中殿筋などの下半身の筋肉を鍛えられるトレーニングです。 10回 3セットを目安に取り組むことで、ヒップアップや太ももなど脚痩せの効果が期待できます。
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プランク
プランクは、腹筋群・臀筋群などのお腹からお尻にかけての筋肉にアプローチできるトレーニングです。30秒 3セットを目安に行うことで、ウエスト・ヒップを引き締めやすくなります。
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クランチ
クランチは、お腹の筋肉、腹筋を刺激するトレーニングです。10回 3セットを目安に取り組むことで、ウエストの引き締め効果が期待できます。ぽっこりお腹にお悩みの方にとくにおすすめです。
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なお、このほかにおすすめの筋トレ・有酸素運動については、以下の記事でご紹介しています。ぜひチェックして、日々の生活に取り入れてみてください。
宅トレでダイエット!おすすめのお家トレーニング10選と食事のポイント
筋トレに励んでダイエットを成功させよう
筋トレというと「筋肉をつけるトレーニング」というイメージが強いかもしれません。たしかに間違いではありませんが、筋トレには基礎代謝を高めたり身体を引き締めたりする作用があるので、ダイエットにも効果的です。「ダイエットを成功させて理想の身体を目指したい」という方は、今回ご紹介した注意点・ポイントを押さえつつ筋トレに励んでみてはいかがでしょうか?
なお、24/7Workout(24/7ワークアウト)では、プロのトレーナーによる「完全個室のマンツーマンレッスン」をご提供しています。一人ひとりに合ったオリジナルメニューで筋トレを行うので、無駄なく理想の身体を目指せます。この機会に、どうぞ無料カウンセリングへお越しください。
【女性向け】男性と違う?美しい筋肉をつけるトレーニングと食事のポイント
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参照文献
※1 e-ヘルスネット.筋力・筋持久力.https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-092.html(参照 2021年8月3日)
※2 田中 喜代次,中田 由夫.減量しながら筋肉量および基礎代謝量を高めることは可能か?.https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspfsm/66/3/66_209/_pdf(参照 2021年8月3日)
※3 e-ヘルスネット.身体活動とエネルギー代謝.https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/exercise/s-02-003.html(参照 2021年8月3日)
※4 スポーツリーダー(金融庁参事官)神田 眞人.WLB時代の若者への番外講話シリーズ③ スポーツで元気に楽しく生きよう.https://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_11380944_po_201701i.pdf?contentNo=1&alternativeNo=(参照 2021年8月3日)
※5 永井克也.自律神経による生体制御とその利用.https://www.jstage.jst.go.jp/article/kagakutoseibutsu/51/3/51_160/_pdf(参照 2021年8月3日)
※6 e-ヘルスネット.レジスタンス運動.https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-058.html(参照 2021年8月3日)
※7 宇都宮由依子・橋田 誠一.運動強度(METs)と成長ホルモン分泌の関連について.https://www.jstage.jst.go.jp/article/tokusimabunriu/96/0/96_117/_pdf/-char/en(参照 2021年8月3日)
※8 西野喜美子,野村 孝弘,竹下有美枝,小松 龍史,篁 俊成.夕食を分割摂取することが肥満による代謝異常に及ぼす多面的効果.https://www.jstage.jst.go.jp/article/tonyobyo/56/11/56_833/_pdf/-char/ja(参照 2021年8月3日)
※9 佐藤 真樹,宮下 愛未,徳山 薫平.〈総説〉食べ方と肥満 : 食事の摂り方がエネルギー代謝におよぼす影響.https://tsukuba.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=19171&item_no=1&attribute_id=17&file_no=1(参照 2021年8月3日)
※10 e-ヘルスネット.インスリン.https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/metabolic/ym-011.html(参照 2021年8月3日)
※11 Iris Shai, R.D., Ph.D., Dan Schwarzfuchs, M.D., Yaakov Henkin, M.D., Danit R. Shahar, R.D., Ph.D., Shula Witkow, R.D., M.P.H., Ilana Greenberg, R.D., M.P.H., Rachel Golan, R.D., M.P.H., Drora Fraser, Ph.D., Arkady Bolotin, Ph.D., Hilel Vardi, M.Sc., Osnat Tangi-Rozental, B.A., Rachel Zuk-Ramot, R.N., et al., for the Dietary Intervention Randomized Controlled Trial (DIRECT) Group.Weight Loss with a Low-Carbohydrate, Mediterranean, or Low-Fat Diet.https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa0708681(参照 2021年8月3日)
※12 医療法人財団献心会 川越胃腸病院.Q5.食事や生活に関すること.https://kib.or.jp/speciality/faq5.html(参照 2021年8月3日)
※13 福岡大学 理学部.糖新生.http://www.sc.fukuoka-u.ac.jp/~bc1/Biochem/gluconeo.htm(参照 2021年8月3日)
※14 保健科学部 石黒 洋.激しい運動をするとお腹が痛くなるのは?.http://www2.htc.nagoya-u.ac.jp/publish/khm118.pdf(参照 2021年8月3日)
※15 e-ヘルスネット.エアロビクス / 有酸素性運動.https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-072.html(参照 2021年8月3日)
※16 橋本 真理子,幾竹 浩子,堀田 舜.有酸素運動および筋力トレーニングが身体組成と体力へ及ぼす効果一高等学校女子生徒の体育授業を通して一.https://catalog.lib.kyushu-u.ac.jp/opac_download_md/659/KJ00000092979-00001.pdf(参照 2021年8月3日)