ダイエットをする際は、すぐにトレーニングや食事制限に取り掛かるのではなく、まずは「目標設定」から始めることをおすすめします。なぜなら、自分に合ったダイエット方法を選びやすくなるほか、スケジュールを効率的に組みやすくなるためです。また、ダイエットによる達成感を得やすくなることも考えられます。
そこで今回は、ダイエットにおける目標設定の必要性とともに、目標を設定する方法やダイエットを継続するコツなどについてご紹介します。目標を掲げてモチベーションを高め、効率よく理想の身体を目指しましょう!
ダイエットの目標設定は必要?
目標設定は、ダイエットに取り組むうえでとても重要なことです。最終的にどういう風になりたいか、しっかりビジョンを設けることで、計画的に理想の身体へと近づくことができます。また、目標が明確だとダイエットを通して自らの達成状況を確認しやすくなるので効果を実感しやすくなり、結果としてモチベーションアップにつながります。
こうした点から、ダイエットを始める際はあらかじめ「モデルのような引き締まった身体になる」「2ヶ月で−5kgを達成する」といった目標を掲げることが大切です。
では、ダイエットにおける目標は具体的にどのように設定すればよいのでしょうか?
目標設定の方法
ダイエットに取り組むうえで目標を設定する際は、まず現状の把握から始めます。その内容をもとに理想とする体重・体型を導き出せば、自ずと適切な目標を設定できます。
以下では「体脂肪量」と「BMI」をもとに、それぞれの数字を用いた目標設定の方法をご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
現状の把握
ダイエットをするにあたり、体重の減量に重きを置くのはあまり望ましくありません。なぜなら「体重が落ちた=脂肪が落ちた」とは限らないためです。脂肪ではなく筋肉が落ちている可能性もあり、筋肉量が減ると身体の機能が低下する恐れがあるほか、基礎代謝の低下により却って太りやすい身体になってしまう可能性があります。※1※2 そのため、ダイエットする際は体重ではなく「体脂肪量」に目を向けることが大切です。
体脂肪量を用いた現状の把握
体脂肪量(kg)は、「体重(kg)×体脂肪率(%)」で算出できます。※3
なお、体脂肪率は身長・体重での測定が困難なので、体組成計や体脂肪計つき体重計などを用いて測ってください。また、計算に使用するのは体脂肪率を100で割った数字です。
たとえば、体重65kg・体脂肪率28%の女性の場合は「65kg×0.28%=18.2kg」となります。つまり、この場合の現状としては体重65kg、体脂肪率28%、そして体脂肪量が18.2kgということになるわけです。
BMIを用いた現状の把握
BMIは、「体重(kg)÷身長(m)の2乗」で算出できます。※4
たとえば、先ほど例にあげた体重65kg・体脂肪率28%の女性の身長が158cmだった場合は、「65kg÷2.49(1.58mの2乗)=26.10」となります。つまり、この場合の現状としては体重65kg、体脂肪率28%、そしてBMIが26.10ということになるわけです。
BMI(kg/m2) | 判定 |
〜18.5 | 低体重 |
18.5〜25.0 | 普通体重 |
25.0〜30.0 | 肥満(1度) |
30.0〜35.0 | 肥満(2度) |
35.0〜40.0 | 肥満(3度) |
40.0〜 | 肥満(4度) |
上記の表のとおり、BMIが25以上だと肥満に該当するので、例にあげた女性は現状において太り気味だとわかります。※4
理想とする体重・体型の設定
現状を把握できたら理想の体重・体型を定めつつ、目標を明確にします。
体脂肪量を用いた理想の設定
例にあげている体重65kg・体脂肪率28%の女性において、仮に理想の体重・体型を体重60kg・体脂肪率25%と設定したとします。この場合の体脂肪量は「60kg×0.25%=15kg」です。つまり、理想の体重・体型になるには、ダイエットを通して体脂肪量を15kgまで減量しなければならないのです。
現状と理想のギャップは「18.2kg(現体脂肪量)−15kg(理想の体脂肪量)=3.2kg」となるので、ダイエットにおける目標を「体脂肪量を3kg落とす」と設定できます。
BMIを用いた理想の設定
BMIにおいて、男女ともに標準とされているのは「22.0」です。これは統計上、肥満との関連性が高い糖尿病や高血圧、脂質異常症などをもっとも発症しづらい数値とされています。※4 そのため、BMIの数値が22.0よりも高いのであれば、この標準値を目標に設定するのが望ましいといえます。
BMIの数値が22.0になる体重は、「22×身長(m)の2乗」で算出できます。※4
たとえば、身長が160cmの場合は「22×2.56(1.6mの2乗)=56.32kg」となり、同様に計算すると170cmなら63.58kg、180cmなら71.28kgとなります。そのため、例にあげている体重65kg・体脂肪率28%・身長158cmの女性の場合は「22×2.49(1.58mの2乗)=54.78kg」、つまり「体重を55kgにする」という目標を掲げるのがベストだといえます。
1日に必要な消費カロリーを計算
現状と理想が明確になれば、1日に必要な消費カロリーの量を算出することができます。なお、ここでは体脂肪1kgあたり7,200kcalという前提のもと解説していきます。※5
体脂肪量を用いた消費カロリーの算出
ここまで例にあげている女性において、体脂肪量の現状と理想のギャップは約3kgであることがわかっています。これを体脂肪1kgあたり7,200kcalという前提に当てはめると、消費しなければならない総カロリーは「21,600kcal」と算出できます。
1日に必要な消費カロリーの量は、ダイエットの期間を設定しなければ算出できないので、仮に2ヶ月とします。この場合、「21,600kcal÷60日=360kcal/日」という計算式が成り立ち、結果として1日あたり360kcalの消費が必要になると判断することが可能です。
BMIを用いた消費カロリーの算出
ここまで例にあげている女性の場合、現時点で身長が158cm、体重が65kgということがわかっています。この数字に、158cmにおけるBMIの数値が22.0になる体重54.78kgを照らし合わせると、その差は約10kgだと判明します。これを体脂肪1kgあたり7,200kcalという前提に当てはめると、消費しなければならない総カロリーは「72,000kcal」と算出できます。
ダイエット期間を仮に3ヶ月とした場合、「72,000kcal÷90日=800kcal/日」という計算式が成り立ち、結果として1日あたり800kcalの消費が必要になると判断することが可能です。
このように、現状・理想を明確にして目標を設定すれば、1日に必要な消費カロリーの量まで確認できるようになります。これに伴い、トレーニングの内容やスケジュールを決めやすくなるので、ダイエットを始める際はあらかじめ現状・理想を明確にすることが大切です。
【目標設定の方法 まとめ】
- ダイエットにおける目標は「体脂肪量」や「BMI」を使って導き出すことができる
- 現状を把握しつつ理想を明確にすれば、ギャップが鮮明になり目標を立てやすくなる
- 体脂肪量(kg)は「体重(kg)×体脂肪率(%)」で算出する
- BMIは「体重(kg)÷身長(m)の2乗」で算出する
- 標準体重は「22×身長(m)の2乗」で算出する
目標設定の次はダイエット方法の決定
現状と理想のギャップから適正な目標を設定できたら、次はダイエット方法を決めます。
食事
ダイエットというと「厳しい食事制限」をイメージするかもしれませんが、実際にはその必要はありません。栄養バランスを考えつつ、1日3食しっかり摂ることが大切です。
ただし「糖質の摂取量を抑えること」は心がけたいポイントのひとつです。というのも、糖質を過剰に摂取してしまうとすべてをエネルギーとして消費できず、余った分が脂肪となって蓄積してしまうのです。※6 摂取量を減らせば、脂肪に変わる余分な糖質を体内に取り込むことがなくなるので、結果として脂肪の蓄積を防ぐことができます。※7※8
糖質をある程度制限すれば、基本的には好きなものを自由に食べて問題ありません。詳しくは「ダイエット中におすすめのメニューは?美味しくきれいに痩せるための献立集!」にてご紹介していますので、ダイエット中の食事について考える際にぜひご参考ください。
トレーニング
ダイエットの効果を実感するには、トレーニングにおいて「無酸素運動」と「有酸素運動」をバランスよく取り入れることが大切です。※9
無酸素運動とは、酸素を使わずに筋を収縮させるためのエネルギーを作り出す運動のことを指し、主に筋トレ(腕立て伏せやスクワット、ダンベル体操)が該当します。※10※11
有酸素運動とは、酸素に加えて糖質や脂質をエネルギー源とする、筋肉への負荷が比較的軽い運動のことです。ジョギングやウォーキング、水泳、エアロビクスなどがあります。※12
これらを日々の生活に取り入れれば消費カロリーの量を増やすことができるので、結果として理想の身体へと近づけます。おすすめのダイエット方法や注意点については「ダイエット効果を最大化!痩せるために効率的な運動方法とは?」の記事で詳しくご紹介していますので、ぜひ合わせてご覧ください。
ダイエットを続けるコツ
ダイエットに取り組むうえで掲げた目標を達成するには、「継続すること」が最低条件です。しかし、なかなか効果を実感できなかったり少し気が緩んだりすると、途中で止めたくなってしまうこともあります。では、どのような点に気をつければ無理なく楽しみながらダイエットを続けられるのでしょうか?
記録を取る
自らの生活習慣や食生活を見直すことが、ダイエットを成功へと導く第一歩です。そのため、「いつどこで何を食べたか」「体重・体脂肪率にはどのような変化があったか」などを細かく記録することをおすすめします。のちに見返し振り返れば、自らの課題や改善点、変化に気づきやすくなるほか、モチベーションのキープにもつながるので、より効率的にダイエットに励むことができます。
生理周期を考慮する
生理周期は「卵胞期」と「排卵期」「黄体期」の3つに分けることができます。中でもとくに筋トレの効果が高まるのは、排卵の翌日から次の月経が始まるまでの期間を指す「黄体期」だといわれています。※13※14 そのため、ダイエットにおけるトレーニングは「黄体期かどうか」を確認しつつ行うのが望ましいといえます。とはいえ、生理前に体調不良を引き起こす女性は少なくないので、無理なく自分のペースでトレーニングするようにしましょう。
成功後のご褒美を用意する
ダイエットを楽しく続けるためには、自らに課題を与えつつご褒美も用意することが大切です。しかし「ケーキを好きなだけ食べる」「トレーニングを長期間休む」など、ダイエットの効果を左右するような内容は望ましくありません。「大好きなブランドの洋服を購入する」「気になっていたテーマパークへ行く」など、ダイエットの効果に直結せず、かつモチベーションアップにつながるようなご褒美を設定しましょう。そうすればストレスを感じることなく、楽しみながらダイエットと向き合うことができます。
サポートを利用する
昨今は、ダイエットをサポートしてくれるツールやスポットが多数登場しているので、これらを活用して継続しやすい環境を作るのもコツのひとつといえます。
ダイエットアプリ
ダイエットアプリと一言でいっても、その種類はさまざまです。たとえば、体重や食事の管理・記録に使えるものや、トレーニングの消費カロリーを計算するものなどがあります。
ダイエットをするうえで何を重視したいか、またどこの手間を省きたいかなどを考えれば、自ずと最適なアプリを選べるはずです。複数のアプリを比較して、ダイエットがさらに捗るものを取り入れましょう。
パーソナルトレーニングジム
「ひとりだと怠けてしまうかも」「トレーニングを正しく行えているか不安」という方は、パーソナルトレーニングジムを利用してみてはいかがでしょうか。専門知識に長けたプロのトレーナーがマンツーマンでサポートするので、正しい方法で効率的に目標達成を目指せます。また、多くのパーソナルトレーニングジムでは、食事指導を受けることもできます。ジムにいない時間もトレーナーと二人三脚でダイエットに励めるので、モチベーションを下げることなく理想の身体へと近づけます。
24/7Workoutでは無理な食事制限をせず、一人ひとりの必要食事量をもとに食事指導を行います。もちろんトレーニングにおいても、身長・体重・体質を考慮して内容をカスタマイズするので、自分に合った方法・ペースでボディメイクを行えます。「プロのサポートを受けたい」という方は、ぜひこの機会に利用を検討してみてください。
【ダイエットを続けるコツ まとめ】
- 毎日の食事や体重の変動を細かく記録する
- 筋トレの効果が高まるといわれている生理周期「黄体期」を意識する
- 「洋服を購入する」など、ダイエットの効果に直結しないご褒美を用意する
- ダイエットアプリやパーソナルトレーニングジムなどのサポートを活用する
目標を設定して効率よくダイエットしよう!
理想の身体に近づくためには、目標設定をしたうえでダイエットに取り組むことが大切です。「体脂肪量を3kg落とす」「体重を55kgにする」など、数字を取り入れた明確な目標を掲げることで計画的にダイエットに励めるほか、モチベーションアップにもつながります。今回ご紹介した目標設定の方法を参考に、ダイエットの第一歩を踏み出してみてください!
参照文献
※1 独立行政法人 環境再生保全機構.やせるだけでなく筋肉量が減ることも問題.https://www.erca.go.jp/yobou/zensoku/sukoyaka/49/medical/medical02.html(参照 2020年9月28日)
※2 第43回 日本リハビリテーション医学会 学術集会.筋萎縮のメカニズムの解明とリハビリテーション.https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjrmc/44/3/44_3_144/_pdf(参照 2020年9月28日)
※3 独立行政法人国立病院機構 西別府病院.アスリート女子における成長の指標としての除脂肪体重と初経閾値の検討.https://nishibeppu.hosp.go.jp/files/000133957.pdf(参照 2020年9月28日)
※4 e-ヘルスネット.肥満と健康.https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-02-001.html(参照 2020年9月28日)
※5 栄養学雑誌V.肥満症治療ガイドラインの概要.https://www.jstage.jst.go.jp/article/eiyogakuzashi1941/65/1/65_1_1/_pdf(参照 2020年9月28日)
※6 e-ヘルスネット.炭水化物 / 糖質.https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-018.html(参照 2020年9月28日)
※7 e-ヘルスネット.インスリン.https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/metabolic/ym-011.html(参照 2020年9月28日)
※8 独立行政法人 農畜産業振興機構.肥満の予防と治療.https://www.alic.go.jp/joho-s/joho07_001480.html(参照 2020年9月28日)
※9 早稲田大学.自重負荷による軽レジスタンス運動と有酸素運動の実施順序の違いが脂質酸化に及ぼす影響.http://www.waseda.jp/sports/supoka/research/sotsuron2013/1K10C391.pdf(参照 2020年9月28日)
※10 公益財団法人 長寿科学振興財団.トレーニング:無酸素運動とは.https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/shintai-training/musanso-undou.html(参照 2020年9月28日)
※11 e-ヘルスネット.レジスタンス運動.https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-058.html(参照 2020年9月28日)
※12 e-ヘルスネット.エアロビクス / 有酸素性運動.https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-072.html(参照 2020年9月28日)
※13 須永美歌子.月経周期を考慮したトレーニング法の開発.https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspfsm/65/1/65_44/_pdf/-char/ja(参照 2020年9月28日)
※14 JAPAN SPORT COUNCIL.女性はもっと強くなれる!月経周期とコンディション.https://www.jpnsport.go.jp/jiss/Portals/0/images/contents/woman/reserch/nihonntaiikku.pdf(参照 2020年9月28日)