筋トレは、必ずしも日中に行わなければならないわけではありません。「日中はなかなか時間を取れない」という方は、寝る前の時間を有効活用してみてはいかがでしょうか。
今回は「寝る前の筋トレ」にフォーカスし、メリット・デメリットやおすすめのトレーニングメニューについてご紹介します。あわせて、寝る前に筋トレをする際のポイントも解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
理想の身体を目指せる!寝る前に筋トレする3つのメリット
寝る前に筋トレするメリットには、主に以下の3つがあげられます。
睡眠の質が高まる
就寝前の運動量が多ければ多いほど、ノンレム睡眠(深い眠り)が長くなるといわれています。※1 また、人は多少の疲労を感じていたほうが眠りにつきやすく熟睡しやすいもの。そのため、寝る前に筋トレを行えば「睡眠の質を高めやすくなる」と考えることができます。もし、「なかなか眠れない」「寝つきが悪い」というのであれば、寝る前に筋トレを行ってみてはいかがでしょうか。
成長ホルモンの作用を受けやすくなる
筋トレを行うと成長ホルモンが分泌されます。その量がとくに多くなるのは夕方ごろで、現に徳島文理大学の研究結果論文には「夕方に運動をしたグループがもっとも成長ホルモンを分泌した」との記述があります。※2 また、成長ホルモンはノンレム睡眠の際に多く分泌されることもわかっています。※3 そのため、夕方〜寝る前に筋トレをすれば、活発な成長ホルモンにより効率よく筋肉を育てられます。
筋肉の回復効率が高まる
筋トレを行う際は休息を挟むことが大切です。なぜなら、筋肉に負荷を与えたあと「疲労回復の時間(休息期間)を設ける」ことで、筋力の向上・筋肉量の増加につながるためです。※4 寝る前に筋トレを行えば、必然的に就寝という名の休息期間を設けることができるので、筋トレの効果を最大化することができます。「筋トレを通して効率よく理想の身体に近づきたい」という方は、寝る前の時間を筋トレにあててみるとよいかもしれません。
理想の身体を目指せる!寝る前に筋トレする3つのメリット まとめ
- ノンレム睡眠(深い眠り)が長くなるため、睡眠の質が高まる
- 活発な成長ホルモンにより、効率よく筋肉を育てられる
- 筋肉の休息期間を必然的に設けられるため、筋トレの効果を最大化できる
デメリットもある!寝る前に筋トレするにあたり押さえておきたいこと
寝る前の筋トレには、上述したようなメリットがある一方でデメリットもあります。とはいえ、デメリットは工夫次第で対策することもできるため、あらかじめ確認しておきましょう。
負荷が大きすぎると眠りが浅くなる
「寝る前のほどよい疲労感は睡眠の質を高める」とお伝えしましたが、これは筋肉への負荷が小さいトレーニングを行った場合に限ります。負荷が大きいと、かえって眠りが浅くなる可能性があるのです。なぜなら、負荷の大きい筋トレを行うと交感神経が高まり、身体が興奮状態になるため。※5 なかなか寝つけなくなる可能性があるので、寝る前は「負荷が小さいトレーニング」を行いましょう。
ひどい筋肉痛になる可能性がある
筋トレ後の睡眠時間が短いと、筋肉の休息期間を十分に確保できなくなります。疲労が溜まったままになるため、結果として筋肉痛を引き起こす可能性があるのです。仮に負荷が大きい筋トレを行うと、その分筋肉痛がひどくなる恐れも。効率よく筋肉を成長させるために、そして身体にダメージを与えないためにも、負荷が小さい筋トレを行い、そのあとは十分に睡眠を取るようにしましょう。
寝る前に筋トレするならコレ!おすすめのトレーニングメニュー2選
寝る前に筋トレするなら、以下でご紹介する2つのトレーニングに取り組むのがおすすめです。
プッシュアップ
プッシュアップ(腕立て伏せ)は、腕をはじめ、肩や胸などの上半身へアプローチできるトレーニングです。※6 取り組むうえで必要な器具は一切ないため、初心者の方も気軽にチャレンジできます。
プッシュアップを行う際は、身体をまっすぐ伸ばすことが大切です。背中が丸まったり腰が反ったりすると、上半身の筋肉を刺激できなくなります。姿勢を正し、10回3セットを目安に行いましょう。なお、初心者の方や体力にあまり自信のない方は、膝をつき負荷を軽めにして取り組むのもOKです。ただし、このときも身体をまっすぐ伸ばす意識は忘れないようにしましょう。
詳しいトレーニング方法はこちら
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プランク
プランクは、お腹とお尻の筋肉の引き締め効果が期待できるトレーニングです。負荷が小さめで大きく動くこともないので、寝る前に行う筋トレとして最適といえます。
プランクを行う際は、頭からかかとまでが斜め一直線になるようキープすることが大切です。お尻が上がってしまうと、鍛えたい筋肉を集中的に刺激できなくなってしまいます。お腹の筋肉を使うことを意識して、30秒3セットを目安に行いましょう。
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主に4つある!寝る前に筋トレをする際のポイント
寝る前に筋トレを行う際は、以下でご紹介するポイントを留意しましょう。
「食後すぐ」と「寝る直前」は避ける
寝る前に行う筋トレの効果を最大化するには、「食後すぐ」と「寝る直前」は避けるのが賢明です。仮に食後すぐに筋トレを行うと、消化不良を引き起こす可能性があります。※7 そして、寝る直前に筋トレを行うと、上述したように交感神経が高まり、なかなか眠れなくなる可能性があります。こうした点から、寝る前の筋トレは「食事のあと30分〜60分ほど経ったタイミング(かつ、就寝の3時間ほど前)」に行うのがよいといえます。※8※9
筋トレを終えたらストレッチする
筋トレを終えたら、身体を興奮状態からリラックス状態に切り替えるため「ストレッチ」を行いましょう。ストレッチは疲労回復をサポートする作用があるため、疲れた身体を癒やして筋肉痛を防ぐには最適です。※10 また、ゆっくり深呼吸しながら身体の緊張を解していれば、自然と眠気がやってきて心地よい眠りにつけます。
なお、ストレッチにはダイエット効果もあるといわれています。詳しくは以下の記事でご紹介しているので、ぜひあわせて読んでみてください。
筋トレしたあとに入浴する
寝る前に筋トレを行うなら、入浴のタイミングにも気を配ることが大切です。おすすめなのは「筋トレ後に湯船に浸かること」。浮力により筋肉が解されるため、心身ともにリラックスすることができます。※11 ポイントとしては、約40℃のお風呂に15分ほど浸かるのがベストです。※11 身体の内側まで温まるため筋肉をしっかり休ませることができるほか、肩こりや腰痛、冷え性の緩和も期待できます。※11
筋トレ後の暴飲暴食は避ける
筋トレをするとお腹が空くかもしれませんが、もちろん暴飲暴食するのはNGです。とくに、22時~深夜2時に何かを食べるのは避けるのが望ましいといえます。なぜなら、脂肪を蓄積するための酵素を分泌するタンパク質「BMAL1(ビーマルワン)」の働きが活発になるためです。※12 筋トレの効果を最大化できないどころか、かえって太りやすくなるため十分注意しましょう。
主に4つある!寝る前に筋トレをする際のポイント まとめ
- 食事のあと30分〜60分ほど経ったタイミング(かつ、就寝の3時間ほど前)に行うのがよい
- 疲れた身体を癒やして筋肉痛を防ぐために、筋トレ後はストレッチを行うのが望ましい
- 筋トレ後に入浴すれば浮力により筋肉が解されるため、心身ともにリラックスできる
- 筋トレの効果を無駄にしないためにも、トレーニング後の暴飲暴食は避ける
この機会に寝る前の筋トレを習慣化しよう
寝る前の筋トレには、「睡眠の質・筋肉の回復効率の向上」「成長ホルモンの作用を受けやすい」といったメリットがあります。そのため、トレーニングを通して理想の身体を目指すのなら、寝る前の筋トレを習慣化してみるとよいかもしれません。
もちろん、朝のすきま時間に筋トレをするのも吉。それぞれにメリット・デメリットがあるので、自らのライフスタイルに合わせて行いましょう。
朝の筋トレは効果的!3つのメリットとおすすめのトレーニングをご紹介
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筋トレ初心者にはパーソナルトレーニングジムがおすすめ!?メリット・デメリットから注意するポイントまで解説!
参照文献
※1 e-ヘルスネット.ノンレム睡眠.https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/heart/yk-048.html(参照 2021年3月5日)
※2 宇都宮 由依子・橋田 誠一.運動強度(METs)と成長ホルモン分泌の関連について.https://www.jstage.jst.go.jp/article/tokusimabunriu/96/0/96_117/_pdf/-char/en(参照 2021年3月5日)
※3 健康寿命をのばそう! Smart Life Project.専門家に聞きました!睡眠と健康の深い関係.https://www.smartlife.mhlw.go.jp/sleep/kenkou(参照 2021年3月5日)
※4 e-ヘルスネット.レジスタンス運動.https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-058.html(参照 2021年3月5日)
※5 正保 哲,洲崎 俊男,廣瀬 昇,奥 壽郎,立野 勝彦.高強度レジスタンスエクササイズ前後の心拍数,
収縮期血圧,自律神経活動.https://www.jstage.jst.go.jp/article/rika/25/6/25_6_899/_pdf(参照 2021年3月5日)
※6 日本パワーリフティング協会.腕立て伏せの種類とやり方.https://www.jpa-powerlifting.or.jp/pushup(参照 2021年3月5日)
※7 名古屋大学総合保健体育科学センター 保健科学部 石黒洋.「激しい運動をするとお腹が痛くなるのは?」.http://www2.htc.nagoya-u.ac.jp/publish/khm118.pdf(参照 2021年3月5日)
※8 医療法人財団献心会 川越胃腸病院.Q5.食事や生活に関すること.https://kib.or.jp/speciality/faq5.html(参照 2021年3月5日)
※9 e-ヘルスネット.快眠と生活習慣.https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-01-004.html(参照 2021年3月5日)
※10 e-ヘルスネット.ストレッチング.https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-082.html(参照 2021年3月5日)
※11 COOL CHOICE.“お風呂博士”に聞きました!体があたたまり、元気に冬を過ごせる入浴法とは?.https://ondankataisaku.env.go.jp/coolchoice/warmbiz/article/action_detail_201909.html(参照 2021年3月5日)
※12 西野 喜美子, 野村 孝弘,竹下 有美枝,小松 龍史,篁 俊成.夕食を分割摂取することが肥満による代謝異常に及ぼす多面的効果.https://www.jstage.jst.go.jp/article/tonyobyo/56/11/56_833/_pdf/-char/ja(参照 2021年3月5日)