「筋トレをしているけどなかなか効果が現れない」と悩んでいる方は、この機会に「筋トレ後の過ごし方」に目を向けてみてください。もしかすると、筋トレ後の行動が筋肉の成長を妨げているかもしれません。
そこで今回は「筋トレ後の過ごし方」にフォーカスし、筋トレ後積極的にすべきことや避けるべきことについてご紹介します。あわせて、筋トレ後に有酸素運動を行うメリットも解説しているので、ぜひご参考ください。
筋トレは「後」が大切!どう過ごすかが効果を左右する
「筋肉が成長するのは筋トレに取り組んでいるとき」と考えている方もいるかもしれませんが、それは正しくありません。実際には、筋肉が成長するのは「筋トレを終えたあと」といわれています。なぜなら、筋肉は「超回復」という身体のメカニズムによって成長するためです。
超回復とは、筋トレの際に破断した筋線維を修復することで、元のサイズより大きく成長させること。※1 これを繰り返すことで筋肉の断面積が大きくなり、それに伴い筋力も向上します。※2 筋線維の修復は筋トレ後に行われるため、「トレーニングを終えたあとどのように過ごすか」が筋トレの効果を大きく左右するといえます。※1 たとえば、休息を取らずに筋トレを立て続けに行うのはNGです。筋線維を破断してばかりで一向に修復されないため、筋肉が成長しなくなります。
栄養補給と疲労回復がマスト!筋トレ後にすべき4つのこと
では、筋トレ後は具体的にどう過ごすのがよいのでしょうか? 以下にて筋トレ後にすべきことを4つご紹介するので、ぜひ押さえておいてください。
プロテイン(タンパク質)の摂取
筋トレ後は、まず「プロテイン(タンパク質)を摂取すること」が大切です。なぜなら、筋肉の合成が活発に行われるタイミングは「トレーニングを終えたあと」であるため。※3 筋トレ後30分以内にプロテイン(タンパク質)を摂取することで、筋力の向上・筋肉量の増加が期待できます。※3 仮に、タンパク質をはじめとするエネルギー源を摂らないでいると、筋肉が痙攣したり疲労が蓄積しやすくなったりする可能性があります。身体に負担をかけないためにも、筋トレ後のプロテイン(タンパク質)摂取は欠かさないようにしましょう。
なお、プロテイン(タンパク質)のメリットや摂取するタイミング、吸収時間などについては、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひあわせてチェックしてみてください。
栄養バランスの整った食事
「栄養バランスの整った食事を摂ること」も、筋トレ後にすべきことのひとつです。上述のとおり、トレーニングを終えたあとにエネルギー源を摂取しないでいると、身体に負担がかかってしまいます。また、筋トレにより不足した栄養素を補わないままだと、筋肉の分解がどんどん進む可能性も。※4 せっかくの筋トレを無駄にしないためにも、トレーニングを終えたら30分以内に栄養バランスを意識した食事を摂るようにしましょう。※3
ここでいう栄養バランスの整った食事とは、具体的には「筋肉を作るタンパク質とエネルギー回復のための炭水化物(糖質)を摂取できるメニュー」を指します。※4 タンパク質は肉類や魚類、豆類に多く含まれているため、これらを食事の主菜として取り入れるのが効果的です。※5 炭水化物は白米やパンのほか、バナナにも含まれており、仮にダイエット中であればバナナを選ぶとよいかもしれません。※4
なお、ダイエット中の食事に関しては以下の記事で詳しく解説しています。おすすめのメニューを具体的にご紹介しているので、ぜひあわせて読んでみてください。
ダイエット中に最適な食事メニューとは?朝・昼・夜に分けてご紹介
ストレッチ
筋トレ後にすべきことには「ストレッチ」もあげられます。身体を興奮状態からリラックス状態に切り替えつつ疲労回復を促せるため、筋肉痛を防ぎやすくなります。※6 また、ゆっくり深呼吸しながらストレッチをすれば自然と眠気がやってくるので、心地よい眠りにつけるようになります。 なお、もっとも効果的な筋トレ後の流れは「トレーニング後に食事(タンパク質・炭水化物)を摂り、そのあと3時間以上の睡眠を取る」です。※1 そのため、ストレッチをして心地よい眠りにつくことは、筋肉の成長に大きな影響をもたらすと考えられます。
入浴(湯船に浸かる)
筋トレによる効果を最大化するには、トレーニング後に「入浴する(湯船に浸かる)こと」もポイントです。浮力により筋肉がほぐされるため、心身ともにリラックスしやすくなります。※7 このとき、お湯の温度は約40℃に設定し、 10〜15分ほど浸かるのがベストです。※7 身体の内側まで温まるため筋肉をしっかり休ませられるうえに、肩こりや腰痛、冷え性の緩和も期待できます。※7
なお、筋トレ後に入浴する際のタイミングについては、とくに決まりはありません。「トレーニング後すぐに」というわけではないので、プロテイン(タンパク質)や食事を摂ったりストレッチをしたりしたあと、ゆっくり浸かるようにしましょう。
栄養補給と疲労回復がマスト!筋トレ後にすべき4つのこと まとめ
- 筋力の向上・筋肉量の増加を促すため、筋トレ後はすぐにプロテイン(タンパク質)を摂取
- 筋肉の分解を防ぐため、筋トレ後はタンパク質と炭水化物(糖質)を摂取できる食事を摂る
- 筋肉を十分に休ませるため、筋トレ後にストレッチを行って眠りにつきやすくする
- ストレッチ同様、筋肉を十分に休ませるため、筋トレ後に入浴(湯船に浸かる)する
効果を台無しにするかも……。筋トレ後に避けるべき4つのこと
では、反対に筋トレ後に避けるべきことにはどのようなものがあるのでしょうか?
空腹のまま長時間過ごす
第一に、「筋トレを終えたあと空腹のまま長時間過ごす」のは望ましくありません。なぜなら上述のとおり、筋トレにより不足した栄養素を補わずにいると、筋肉の分解が進む可能性があるためです。※4 筋力の向上・筋肉量の増加を目的として筋トレしているのにもかかわらず、筋肉がなくなってしまっては意味がありません。こうした事態を防ぐためにも、筋トレ後はプロテイン(タンパク質)と炭水化物(糖質)を摂ることが大切です。
好きなものだけを食べる
「好きなものだけを食べる」のも、筋トレ後に避けるべきことのひとつです。筋トレ後の食事は「お腹を満たすためのもの」ではありません。あくまでも「筋肉の成長を促すこと」を目的としているため、必要な栄養素が何かを考えてメニューを決める必要があります。繰り返しになりますが、筋トレ後とくに必要となる栄養素はタンパク質と炭水化物の2つです。そのため、これらを摂取できるメニューで食事を済ませるようにしましょう。
お酒を飲む
筋トレ後には「お酒を飲むこと」も避けなければなりません。その理由として、まずあげられるのは「コルチゾール(ストレスホルモン)の分泌」です。※8※9 飲酒により分泌されるコルチゾールには、筋肉を分解する作用があります。つまり、お酒を多く飲むほど筋肉量が減り、筋トレの効果を満足に感じられなくなってしまうのです。意味のある筋トレにするためにも、トレーニング期間中に飲酒をするなら、運動をした日ではなく「休息日」を選ぶようにしましょう。
なお、アルコールが身体に与える影響や筋トレ期間中に飲酒する際のポイントなどについては、以下の記事でご紹介しているので、ぜひあわせてご覧ください。
筋トレとアルコールの関係性とは?飲酒が身体に与える影響を解説
夜更かし
筋トレ後に避けるべきことには、「夜更かし」もあげられます。睡眠不足は筋肉の合成を妨げる原因になるため、夜更かしすればするほど筋トレの効果を十分に感じられなくなってしまいます。※10 また、仮に筋トレ後の睡眠時間が短いと、筋肉の休息期間を十分に確保できず疲労が蓄積し、筋肉痛を引き起こす可能性があります。効率よく筋肉を成長させるために、そして身体にダメージを与えないためにも、筋トレ後は夜更かしせず十分に睡眠を取るようにしましょう。
効果を台無しにするかも……。筋トレ後に避けるべき4つのこと まとめ
- 筋肉の分解が進行する可能性があるため、筋トレ後に空腹のまま過ごすのは避ける
- 筋トレ後の食事は「筋肉の成長を促すため」のものなので、好きなものだけを食べるのはNG
- 筋肉が分解してしまうため、筋トレ後にお酒を飲むのは避ける
- 筋肉の合成が妨げられるため、筋トレ後に夜更かしをするのはNG
さらなる効果が見込める!筋トレ後の有酸素運動のすすめ
筋トレの効果を最大化するには、トレーニング後に「有酸素運動」を行うのがおすすめです。なぜなら、無酸素運動(筋トレ)のあとに有酸素運動を行うと、脂肪燃焼効果が高まることがわかっているため。※11 有酸素運動により体内の脂肪が分解されエネルギーとして利用されるので、無酸素運動だけのときよりも効率的に身体を引き締められます。※12 「ダイエットのために筋トレをしている」という方は、今日からジョギングやランニングなどの有酸素運動にも取り組んでみましょう。
この機会に筋トレ後の過ごし方を見直そう
筋トレによる筋肉の成長は、トレーニング後に促されます。ただし、これはあくまでも「筋トレ後に望ましい過ごし方ができた場合」に限り、仮にトレーニングを終えたあと空腹のまま過ごしたりお酒を飲んだりすると、筋肉が分解されてしまう恐れがあります。つまり、筋トレの効果を最大化する鍵は、「トレーニング後の過ごし方」にあるということです。せっかくの筋トレを無駄にしないためにも、今回ご紹介したポイントを押さえて、今一度自らの過ごし方を見直してみましょう。
なお、「ひとりだと効率よく筋トレできる自信がない」という方は、ぜひ24/7Workoutをご利用ください。筋トレに精通したプロのトレーナーが、マンツーマンで身体づくりをサポートします。また、食事に関するアドバイスも行っているため、筋トレに効果的な栄養素を無理なく摂取できるようになります。どうぞお気軽に無料カウンセリングへお越しください。
参照文献
※1 幸田 利敬.筋力トレーニングについて.https://www.jstage.jst.go.jp/article/rika1986/9/3/9_3_131/_pdf(参照 2021年5月6日)
※2 e-ヘルスネット.筋力・筋持久力.https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-092.html(参照 2021年5月6日)
※3 下村 吉治.運動後の筋タンパク質合成のためのタンパク質・アミノ酸栄養.https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspfsm/62/1/62_16/_pdf(参照 2021年5月6日)
※4 JAPAN SPORT COUNCIL.8 栄養.https://www.jpnsport.go.jp/jiss/portals/0/column/woman/seichoki_handobook_8.pdf(参照 2021年5月6日)
※5 e-ヘルスネット.たんぱく質.https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-044.html(参照 2021年5月6日)
※6 e-ヘルスネット.ストレッチング.https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-082.html(参照 2021年5月6日)
※7 COOL CHOICE.“お風呂博士”に聞きました!体があたたまり、元気に冬を過ごせる入浴法とは?.https://ondankataisaku.env.go.jp/coolchoice/warmbiz/article/action_detail_201909.html(参照 2021年5月6日)
※8 独立行政法人 労働者健康安全機構 労働者安全衛生総合研究所.ストレスホルモンを測る.https://www.jniosh.johas.go.jp/publication/mail_mag/2016/87-column-2.html(参照 2021年5月6日)
※9 工藤明 高瀬肇 片貝宏.アルコール多飲者はICUでせん妄状態を起こしやすいのか?.https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsicm/18/3/18_3_355/_pdf(参照 2021年5月6日)
※10 JAPAN SPORT COUNCIL.自宅待機中のコンディショニングに役立つ栄養情報(2020.5.26 作成).https://www.jpnsport.go.jp/hpsc/Portals/0/resources/hpsc/eiyoujouhou11.pdf(参照 2021年5月6日)
※11 張間 裕子・内藤 久士.有酸素トレーニングとレジスタンストレーニングの実施順序の違いが中高年女性の健康に関する体力に及ぼす影響.https://www.juntendo.ac.jp/hss/albums/abm.php?f=abm00008357.pdf&n=vol14_p287.pdf(参照 2021年5月6日)
※12 e-ヘルスネット.エアロビクス / 有酸素性運動.https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-072.html(参照 2021年5月6日)