ダイエットを決意したとき、「ジムに通い始める」という選択肢を取る方は多いのではないでしょうか。さまざまなトレーニング方法を試せて、ときにはプロのトレーナーからアドバイスをもらえるジムは、運動初心者の方にこそおすすめです。しかし、ただジムに通えば体重が減るということはないので、あらかじめジムで行う「間違ったトレーニングメニュー」と「正しいトレーニングメニュー」を押さえておくことをおすすめします。
そこで今回は、ジムでダイエットに取り組むメリットと合わせて、ジムで行う間違ったトレーニングメニュー・正しいトレーニングメニュー、効率よく成果を出す方法などについてご紹介します。「ジムの利用を検討している」「これから初めてジムに通う」という方は、ぜひ参考にしてみてください。
ジムでダイエットを行うメリット
そもそも、ジムでダイエットに取り組むメリットにはどのような点があるのでしょうか。
使える器具の種類が多い
ジムは運動(トレーニング)に特化した施設なので、トレーニング器具が豊富にそろっています。ルームランナーやエアロバイク、ラットプルダウン(頭上にあるバーを両手で引くことで負荷をかける器具)、レッグエクステンション(脚を伸ばすことで負荷をかける器具)など、自宅に用意するのが困難な大型の器具もあり、それぞれで鍛えられる部位は異なるため、効率よく全身のトレーニングに励むことが可能です。
ケガをしにくい
運動にあまりなじみのない方の場合、自分ひとりでトレーニングをするとなるとケガを引き起こす可能性が高まります。なぜなら、トレーニング器具を正しく使えなかったり、誤った方法でトレーニングを行ったりすることが考えられるためです。
その点、一般的なジムなら器具の使用方法や正しいトレーニング方法をスタッフから教えてもらうことができます。効率よく運動に励むことができるため、結果的にケガをしづらくなります。
天気に左右されない
ジムは基本的に屋内なので、雨や雷、雪の日でも問題なくトレーニングを行えます。もちろん、小雨程度であれば屋外でジョギング・ランニングをすることも可能ですが、雨というだけで外に出るのが億劫になったり、レインコートを着る手間が増えたり、路面が滑りやすくなることでケガのリスクが高まったりすることも。ジムであれば、こうしたストレスや不安を感じることなくトレーニングできるので継続しやすく、天気を問わず自分のペースで身体を鍛えることができます。
モチベーションを保ちやすい
ダイエットを決意したものの、「目標を達成するまでモチベーションを維持できるか」と不安を感じている方もいるかもしれません。ジムは、そういう方にこそおすすめの施設です。なぜなら、ジムにはトレーニングに励む大勢の利用者がいるため。目的は違えど、ほかの利用者がトレーニングしている姿を目にすれば「自分も頑張ろう」という気持ちになり、モチベーションのアップにつながると考えられます。
ジムでダイエットを行うメリット まとめ
- トレーニング器具が豊富にそろっているので、効率よく全身を鍛えることができる
- スタッフから器具の使用方法や正しいトレーニング方法を教えてもらえるので、ケガしづらい
- ジムは基本的に屋内なので、天気に左右されることなく自分のペースで身体を鍛えられる
- ジムにはトレーニングに励む大勢の利用者がいるため、モチベーションアップにつながりやすい
ジムでよくある間違ったトレーニングメニューとは
ジムでの正しいトレーニングメニューを押さえる前に、まずは「どのようなトレーニングメニューが間違いなのか」を知ることから始めましょう。
トレッドミルを使いすぎる
「トレッドミル」とは、ランニングマシンやジョギングマシン、ルームランナーとも呼ばれるトレーニング器具の一種です。どこのジムにも置いてあるといっても過言ではないほど一般的なので、「ジムに通い始めて最初に挑戦したのがトレッドミルだった」という方も多いのではないでしょうか。
そんなトレッドミルですが、ジムに着いてすぐ1時間以上の長時間にわたって利用するのは望ましくありません。なぜなら、万が一タンパク質不足だと脂肪とともに筋肉まで落ちてしまう可能性があるためです。※1 筋肉量が減ると基礎代謝も低下し、痩せにくい身体になってしまいます。そのため、トレッドミルは20分〜60分以内を目安に時間を決めて使用するようにしましょう。
正しい重さの器具を使っていない
ウェイトリフティングやダンベルトレーニングを行う際に、「筋肉がつきすぎるのは避けたいから」と負荷があまりかからない重さの器具を選ぶという女性は少なくありません。たしかに、厳しいトレーニングを積めば筋肉がしっかりついたムキムキの腕になることもあるかもしれませんが、とくに女性の場合は筋肉がつきにくい体質の方も多いため、そこまでの筋肉に仕上げるのは困難といえます。※2
また、ウェイトが軽すぎると運動の効果を十分に感じることができません。反対にウェイトが重すぎると、すぐに疲れてしまったりケガをしたりして、運動を楽しむ余裕がなくなってしまいます。
そのため、今の自分にできるかできないかの微妙なラインを攻めつつ、身体に正しく負荷がかかる重さの器具を選ぶことが大切です。
トレーニングの内容を状態によって変えない・記録しない
トレーニング内容は、身体の状態を考慮して決めるのが基本です。にもかかわらず、最初に取り組んだ運動をいつまでも続けている方は多いもの。トレーニングに着手し始めたころの身体と、ある程度トレーニングを積んだころの身体は同じではないので、こまめに身体の状態を確認し、トレーニング内容を再検討することが大切です。
また、そのたびに実施したトレーニングメニューを記録することも欠かせません。記録を取らず、その場の気分でトレーニング内容を決めていては、一生懸命トレーニングをしてもなかなかダイエットの成果が出ない可能性があります。運動によるダイエット効果を最大限に得るためにも、短期的に「その日どんな運動を行ったか」を正しく記録し、その内容を生かしながら中長期的なダイエットプランを立てるようにしましょう。
なりたい身体に合わせたトレーニングを実施していない
「理想の身体に近づくためのトレーニング」と「好きなトレーニング」が必ずしも一致するとは限りません。たとえば、脚痩せを目的としてジムに通っているのにもかかわらず、チェストプレスやラットプルダウンなど上半身を鍛えるトレーニングばかり行っていると、当然ながら理想の脚を手に入れることは不可能です。
こうしたメカニズムを頭では理解していても、いざ運動しようとすると、つい好みのトレーニングを行ってしまうという方は意外と多いもの。これは間違えたトレーニング方法なので、好きを押し通すのは避け、理想の身体に近づくためのトレーニングに専念するようにしましょう。
このほかにも、「準備運動やクールダウン、インターバルの時間を取っていない」「自分に必要なトレーニングメニューが何なのか把握していない」「正しい姿勢で取り組めていない」など、ジムでは間違ったトレーニングメニューを散見できます。誤ったトレーニングメニューに心当たりがないか、今一度考えてみてください。
ジムでよくある間違ったトレーニングメニューとは まとめ
- トレッドミルを長時間使用し、ダラダラと走り続ける
- 軽すぎたり重すぎたりするウェイトの器具を使用する
- いつまでも同じトレーニングメニューを続ける
- 理想の身体に近づくためのトレーニングに着手しない
ダイエットをするうえでの正しいトレーニングメニューとは
では、どのようなトレーニングメニューが正しいといえるのでしょうか。基本的には上述した「間違ったトレーニングメニュー」と逆のことをすればよいのですが、それだけだと具体的なイメージが湧かない方もいるかもしれません。そこで、以下にて「どのようなメニューを」「どのような順番で」「どれくらいの負荷をかけて行えばよいか」について解説します。
まずはストレッチで身体をほぐす(5分)
運動を始める前に、まずは軽くストレッチを行いましょう。ケガを防止するだけでなく、身体をほぐすことで筋肉の動きをよくしたり、関節の可動域を広げたりすることができます。また、身体を大きく動かせるように準備することで、その後の運動効果がグッと変わってきます。※3
エアロバイクでウォーミングアップ(5分)
ストレッチが終わったら、ウォーミングアップに取り掛かりましょう。このとき使用するトレーニング器具には「エアロバイク」が最適です。※4 足についている大きな筋肉を動かせるので、トレーニング前の準備を本格的に行えます。また、エアロバイクなら音楽を聴きながら、そしてスマホを見ながらでも使用できるので、耳や目で趣味を楽しみながら筋肉を鍛えることが可能です。
筋トレで引き締めたい箇所に刺激を与える(30分程度)
ウォーミングアップができたら、いよいよ本格的なトレーニングを行います。
「筋肉量はそのままで脂肪量だけを落としたい」という場合は、筋トレをはじめとする無酸素運動を行ってから有酸素運動(ジョギング・ランニングなど)を行うのがおすすめです。筋トレを通して筋肉をつけることで基礎代謝が高まるので、有酸素運動中はもちろん、運動をしていない日常生活の中でも脂肪の分解を高める効果が期待できます。※5
トレーニング器具を使えば、さまざまな筋肉を効率よく鍛えることができます。たとえば、ベンチプレスでトレーニングすると胸や腕の筋肉を鍛えられます。デッドリフトなら背中や下半身の筋肉、クランチなら腹筋を刺激することが可能です。このように、使用するトレーニング器具によって鍛えられる筋肉は異なるため、身体の状態を確認しながらその日に使う器具を決めるようにしましょう。
なお、あれもこれもと複数のトレーニング器具に手を出すのはNGです。欲張っても一気に筋肉がつくということはないので、1日3種類を目安に器具を使った筋トレを行うようにしましょう。
ランニングやエアロバイクなどの有酸素運動で脂肪を燃焼(30分程度)
筋トレが終わったら、インターバルを挟んだのち有酸素運動を行いましょう。20分以上続けることで脂肪燃焼効果が期待できるといわれているので、最低でも30分は取り組むことをおすすめします。※6
最後はストレッチでクールダウン(5分程度)
有酸素運動まで終えたら、1日のトレーニングは終了です。最後にストレッチを行い、クールダウンしましょう。この一手間によって、筋肉痛が軽減できるかもしれません。
ダイエットをするうえでの正しいトレーニングメニューとは まとめ
- ストレッチで身体をほぐす(5分)
- エアロバイクでウォーミングアップする(5分)
- 筋トレで引き締めたい箇所に刺激を与える(30分程度)
- ランニングやエアロバイクなどの有酸素運動で脂肪を燃焼させる(30分程度)
- ストレッチでクールダウンする(5分程度)
ジムできれいに痩せるには?トレーニングを行う頻度について
ジムで行うトレーニングメニューの正・誤と合わせて押さえておきたいのが、トレーニングの頻度。「毎日行ったほうがダイエットに効果的」とお考えの方もいるかもしれませんが、それは間違った認識です。この機会に正しい頻度を把握してきましょう。
筋トレを行う頻度
筋トレをするうえでもっとも大切なのは「休息」です。というのも、筋肉には疲労から回復する時間が不可欠であり、そのプロセスを経てはじめて筋力の向上・筋肉量の増加につながります。※7 そのため、毎日継続して筋トレを行うのはあまり望ましくありません。目安としては、2〜3日に1回程度、週に2〜3回行うのがベストといえます。※7
なお、筋トレの適切なタイミング・頻度については、以下の記事で詳しくご紹介しています。ぜひ合わせて読んでみてください。
筋トレの適切なタイミングと頻度は?時間帯にこだわって効果を最大限に引き出そう
パーソナルトレーニングジムに2ヶ月のプランが多いのはなぜ?
多くのパーソナルトレーニングジムが「2ヶ月」のプランを設けている理由は、運動をはじめ、食生活や趣味を習慣化するのにかかる期間が66日(約2ヶ月)であるためです。※8 ジムを卒業したあとも自分ひとりでトレーニングを継続できるよう、2ヶ月という期間を設定していると考えられます。
また、筋トレは着手し始めてすぐに効果を実感できるわけではありません。継続してこそ成果が出るものなので、最低でも2ヶ月は続けることが大切といえます。
なお、パーソナルトレーニングジムにおける2ヶ月のプランに関しては、以下の記事でも詳しく解説しています。ぜひ合わせてご覧ください。
2ヶ月で成果は出る?パーソナルトレーニングジムのプランに2ヶ月間が多い理由とコツ
より効率的に成果をあげるためには
トレーニングの成果を効率よくあげるには、運動に加えて「食事」にもこだわることが大切です。そこで、パーソナルトレーニングジムにて専門知識・技術に長けたトレーナーにサポートしてもらうのもひとつの方法といえます。
食事にも気を遣う
「ダイエット中はなるべく食事を摂らないほうがよい」というイメージをお持ちの方もいるかもしれませんが、それは望ましくありません。極端な絶食を行うと身体が飢餓状態となり、数少ない食事を通してエネルギーを確保しようとするので、かえって脂肪を蓄積しやすくなってしまいます。※9 そのため、必ず1日3食は摂るよう心がけ、かつ栄養バランスを意識したメニューを作るようにしましょう。具体的には、糖質を多く含む食品(肉類であればホルモン、魚介類であればアワビやウニ、そのほか炭水化物やお菓子類など)を避けることが大切です。
なお、ダイエット中の食事については以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ合わせてチェックしてみてください。
ダイエット中におすすめのメニューは?美味しくきれいに痩せるための献立集!
パーソナルトレーニングジムでサポートをしてもらう
パーソナルトレーニングジムに通えば、より安心してダイエットに励めます。なぜなら、トレーニングやダイエットの知識に長けたトレーナーが、トレーニングメニューの組み立てに加え、正しいフォームで運動できているかのチェック、目標を達成するための食事のアドバイス等も含め、ダイエットを全面的にサポートしてくれるためです。この点から、もし「確実にダイエットを成功させたい」と感じているなら、積極的にパーソナルトレーニングジムを利用することをおすすめします。。
なお、パーソナルトレーニングジムを利用するなら、トレーナーの質に絶対の自信がある「24/7Workout」はいかがでしょうか。採用率3.13%の狭き門をくぐり抜けた優秀なトレーナーがあなたのダイエットを徹底的にサポートします。ぜひこの機会にご検討ください。
正しいトレーニングメニューでジムをさらに有効活用しよう!
ダイエットを成功させるには運動量を増やす必要があり、そこで役立つのがトレーニングジムです。※10 しかし、ジムで間違ったトレーニングメニューを実践していると十分に鍛えることができず、思うようなダイエット効果を得られない可能性があります。せっかくのジム通いを無駄にしないためにも、そして効率よく理想の身体に近づくためにも、今回ご紹介した正しいトレーニングメニューを参考に、身体の状態に合わせた運動を行いましょう。
参考文献
※1 京都工芸繊維大学 情報科学センター.人の筋肉と運動と健康.http://www.cis.kit.ac.jp/~kida/2010/tokuron/73.pdf(参照 2020年1月22日)
※2 田中 重陽, 角田 直也.男女スポーツ選手における下肢の筋形態が無酸素性パワーに及ぼす影響.日本生理人類学会誌.2011年 16巻3号 141-151.https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjpa/16/3/16_KJ00007476801/_pdf/-char/ja(参照 2020年2月27日)
※3 山口太一,石井好二郎.運動前のストレッチングがパフォーマンスに及ぼす影響について―近年のストレッチング研究の結果をもとに―.日本ストレッチング協会.2007年.https://rakuno.repo.nii.ac.jp/index.php?action=repository_action_common_download&item_id=1347&item_no=1&attribute_id=21&file_no=1&page_id=13&block_id=37(参照 2020年2月27日)
※4 大重 匡, 村山 光史朗.ウォーミングアップ効果を持つ下腿浴.理学療法学Supplement.2013年 2012巻D-P-02.https://www.jstage.jst.go.jp/article/cjpt/2012/0/2012_48101204/_pdf/-char/ja(参照 2020年2月27日)
※5 厚生労働省.運動と健康のかかわり.Ⅴ運動の基礎科学.https://www.mhlw.go.jp/bunya/shakaihosho/iryouseido01/pdf/info03k-06.pdf(参照 2020年2月27日)
※6 e-ヘルスネット.厚生労働省.エアロビクス / 有酸素性運動.https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-072.html(参照 2020年2月27日)
※7 e-ヘルスネット.レジスタンス運動.https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-058.html(参照 2021年1月14日)
※8 European Journal of Social Psychology.How are habits formed: Modelling habit formation in the real world.https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1002/ejsp.674(参照 2021年1月14日)
※9 佐藤 真樹 , 宮下 愛未 , 徳山 薫平.〈総説〉食べ方と肥満 : 食事の摂り方がエネルギー代謝におよぼす影響.体育科学系紀要.2010年.https://tsukuba.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=19171&item_no=1&attribute_id=17&file_no=1(参照 2021年1月14日)
※10 e-ヘルスネット.厚生労働省.身体活動とエネルギー代謝.https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/exercise/s-02-003.html(参照 2020年2月27日)