「お腹周りの脂肪が気になる」という男性は、内臓脂肪型肥満になっている可能性があります。そのまま放置すると身体の不調に発展する可能性があるので、健康を維持するためにも、そして理想の身体に近づくためにも、ダイエットを始めましょう。
そこで今回は、男性の太り方について解説しつつ、内臓脂肪を落とす方法や運動・食事でダイエットするコツについてご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
お腹周りがぽっこりする?!男性の太り方の特徴
ダイエットを始める前に、まずは男性ならではの太り方について理解しておきましょう。
男性の肥満は、内臓に脂肪を溜め込む「内臓脂肪型肥満」であることがほとんどです。※1 具体的には、腸間膜(腹部にある膜組織)に蓄積した脂肪の面積が100cm2をオーバーした状態を指します。※2 つまり、お腹周りが大きく膨らんできたら、それは内臓脂肪型肥満であるサインです。※1
内臓脂肪型肥満の原因は、日頃の運動不足や飲み過ぎ・食べ過ぎによる過栄養によって内臓脂肪が溜まること。※2 カロリーを過剰に摂取しているのにもかかわらず、それを消費しないがために「摂取カロリー>消費カロリー」となり、エネルギーが内臓脂肪となって蓄積してしまうのです。
内臓脂肪型肥満は「生活習慣病の根源」といわれており、改善せずにいると糖尿病や心筋梗塞、高血圧症などを誘発することがあります。※1※2 そのため、お腹周りの脂肪にお悩みの方や上述した原因に心当たりがある方は、早急にダイエットすることをおすすめします。
内臓脂肪を落とすには?実践すべき3つのこと
内臓脂肪を落とすには、以下でご紹介する3つのことを実践するのがおすすめです。
1.基礎代謝量を確認する
基礎代謝量とは、心身ともに安静な状態で代謝されるエネルギー量のこと。※3 人間の総エネルギー消費量の約60%を占めていることから、内臓脂肪を落とす上で欠かせない要素といえます。※4
基礎代謝量は、国立健康・栄養研究所が発表した方程式「(0.1238+(0.0481×体重[kg])+(0.0234×身長[cm])-(0.0138×年齢)-性別)×1000÷4.186」で算出でき、性別の箇所には男性なら「0.5473×1」、女性なら「0.5473×2」が入ります。※5 たとえば、身長173cm・体重87kgの25歳 男性の場合、基礎代謝量は約1,783kcalです。
2.推定エネルギー必要量を算出する
推定エネルギー必要量とは、エネルギーの出納(成人の場合は「(エネルギー摂取量)-(エネルギー消費量)」)がゼロになる確率がもっとも高いと推定される、1日のエネルギー摂取量の平均値です。※6 この数値がわかれば、摂取カロリーが消費カロリーを上回ることのない食生活を実現しやすくなるので、内臓脂肪型肥満を改善へと導けます。
推定エネルギー必要量は、「基礎代謝量(kcal/日)× 身体活動レベル」の方程式で導き出せます。基礎代謝量については上述した方程式で算出し、身体活動レベルについては以下の表をご参照ください。※7※8
身体活動レベル (*1) | 低い(I) | ふつう(II) | 高い(III) |
1.50 (1.40~1.60) | 1.75 (1.60~1.90) | 2.00 (1.90~2.20) | |
日常生活の内容 (*2) | 生活の大部分が座位で、静的な活動が中心の場合 | 座位中心の仕事だが、職場内での移動や立位での作業・接客等、通勤・買い物での歩行、家事、軽いスポーツ、のいずれかを含む場合 | 移動や立位の多い仕事への従事者、あるいは、スポーツ等余暇に発な運動習慣を持っている場合おける活 |
*1:代表値。()内はおよその範囲。 *2:Black, et al.、Ishikawa-Takata, et al.を参考に、身体活動レベル(PAL)に及ぼす仕事時間中の労作の影響が大きいことを考慮して作成。
たとえば、身長173cm・体重87kgの25歳 男性の基礎代謝量は、上述のとおり約1,783kcal。もし、この人物の身体活動レベルが「低い(I)」だった場合は方程式が「1,783kcal × 1.5」になるので、推定エネルギー必要量は2,674kcalとわかります。
3.摂取カロリー量を調整する
基礎代謝量をもとに推定エネルギー必要量を導き出せたら、あとはその数値を踏まえた上で摂取カロリー量を調整するだけ。具体的には、摂取カロリー量を推定エネルギー必要量よりも低くする必要があります。そうすれば必然的に「摂取カロリー<消費カロリー」を実現できるので、効率的に内臓脂肪型肥満を改善できます。普段から食べるもののカロリーを確認しメモを取るなどして、摂取カロリー量が多くなり過ぎないよう心掛けましょう。
なお、摂取カロリー量を調整しつつ運動にも取り組めば、よりスムーズに内臓脂肪の蓄積を改善できます。詳しくは後述しているので、ぜひご参考ください。
内臓脂肪を落とすには?実践すべき3つのこと まとめ
- 国立健康・栄養研究所が発表した方程式をもとに、自らの基礎代謝量を算出する
- 基礎代謝量をもとに、推定エネルギー必要量を算出する
- 推定エネルギー必要量がわかったら、その数値を上回らないよう摂取カロリー量を調整する
ぽっこりお腹を改善!「運動」でダイエットするコツ
内臓脂肪を落としてぽっこりお腹を改善するには、日頃から運動に取り組む必要があります。 お腹の脂肪にアプローチするという点から、「腹筋だけすればよい」とお考えの方もいるかもしれませんが、それは間違いです。なぜなら、腹筋をはじめとする無酸素運動のエネルギー源は筋肉や血液中の糖質であり、内臓脂肪ではないため。つまり、お腹の脂肪を落とすには無酸素運動とあわせて、脂肪燃焼効果が期待できる有酸素運動にも取り組む必要があるのです。
無酸素運動
無酸素運動とは、筋力トレーニング(以下 筋トレ)をはじめとする強度の高い運動のこと。※9 たとえば、筋トレすると筋肉の断面積が大きくなり、それに伴って基礎代謝が向上します。基礎代謝が高まると消費カロリー量も増えるので、これが結果としてダイエットとなり、内臓脂肪型肥満の改善につながるのです。※4※10
無酸素運動に取り組む際のコツは、長時間続けないこと。長く無酸素運動を続けると、有酸素性エネルギーの供給が追いつかなくなり、多量の乳酸が発生してしまいます。※9 乳酸が溜まると大きな疲労につながる恐れがあるため、無酸素運動はなるべく短時間で済ませるようにしましょう。※9
なお、無酸素運動の一種である筋トレとダイエットの関係性については、以下の記事で詳しくご紹介しています。ぜひあわせてご覧ください。
筋トレはダイエットになる?及ぼす影響は?おすすめのトレーニングとご紹介
有酸素運動
有酸素運動とは、ウォーキングをはじめとする強度の低い運動のこと。※11 体内の糖質・脂質をエネルギー源とするため、ぽっこりお腹を改善するには最適な運動といえます。 ただし、エネルギー源が糖質・脂肪に切り替わるのは、運動を始めて20分ほど経ってからといわれています。※11 そのため最短でも20分、可能なら30分以上は取り組むようにしましょう。
有酸素運動のコツは、無酸素運動と一緒に取り組むことです。無酸素運動と有酸素運動を組み合わせると脂肪燃焼効果が高まることがわかっているので、なるべくセットで行いましょう。※12
なお、ダイエットにおすすめの有酸素運動については、以下の記事で詳しくご紹介しています。食事・生活習慣のポイントも解説しているので、ぜひあわせて読んでみてください。
お腹を引き締めたい!「食事」でダイエットするコツ
内臓脂肪型肥満を改善しお腹を引き締めるには、運動とあわせて食事にもこだわる必要があります。
おすすめの食事の摂り方
大前提として、絶食したり食事の回数を減らしたりするのは望ましくありません。なぜなら空腹時間が長いと、いざ食事を摂った際に栄養を十分に蓄えようと、身体は脂肪を溜め込む傾向があるためです。※13 これではかえって太りやすくなるため、ダイエット期間中でも栄養バランスに配慮しつつ3食しっかり摂るようにしましょう。
おすすめの食べ物
繰り返しになりますが、基礎代謝は内臓脂肪を落とす上で不可欠な要素です。ゆえにダイエット期間中は基礎代謝を高めるに越したことはなく、そのためには筋肉が欠かせません。 そこで重要になるのが、筋肉を構成する栄養素「タンパク質」です。※14 普段の食事で積極的にタンパク質を摂ることで筋肉がスムーズに成長し、基礎代謝が高まって消費カロリー量が増え、ぽっこりお腹を改善しやすくなります。
タンパク質はチーズやヨーグルトなどの乳製品をはじめ、肉類や魚類、卵類などに多く含まれています。※14 そのため、ダイエット期間中はこれらの食べ物を積極的に摂るのがおすすめです。このほか、プロテインバー・ドリンクでタンパク質を補うのも一案です。
なお、ダイエット期間中の食事については、以下の記事で詳しく解説しています。年代別に食事の心得もご紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。
男性のダイエットにおすすめの食事メニューは?コンビニ飯の選び方も解説
ポイントを踏まえてお腹をすっきりさせよう
気になるぽっこりお腹の原因は、「内臓脂肪型肥満」であることがほとんどです。これを改善するには自らの基礎代謝量を確認し、その数値をもとに推定エネルギー必要量を算出した後、摂取カロリー量を調整する必要があります。具体的には、摂取カロリー量を推定エネルギー必要量よりも低くしなければならず、そうすることで効率的に内臓脂肪型肥満を改善へと導けます。 今回ご紹介した「運動・食事でダイエットするコツ」を踏まえつつ、自らの食生活・運動習慣を見直して、お腹をすっきりさせましょう。
なお、もし「ひとりでダイエットできるか不安」という方は、ぜひ24/7Workout(24/7ワークアウト)をご利用ください。プロのトレーナーが一人ひとりに合ったオリジナルのダイエットメソッドを通して運動・食事をサポートするので、二人三脚で理想の身体を目指せます。どうぞお気軽に、無料カウンセリングへお越しください。
もし、1人でのダイエットに限界を感じたら、是非一度、無料カウンセリングにお越しください。あなたのダイエットを全力でサポートさせていただきます。
参照文献
※1 e-ヘルスネット.内臓脂肪型肥満.https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/metabolic/ym-051.html(参照 2021年8月4日)
※2 国立循環器病研究センター 循環器病情報サービス.[39] いまなぜ肥満が問題なのか.http://www.ncvc.go.jp/cvdinfo/pamphlet/obesity/pamph39.html(参照 2021年8月4日)
※3 厚生労働省.Ⅴ運動の基礎科学 運動と健康のかかわり.https://www.mhlw.go.jp/bunya/shakaihosho/iryouseido01/pdf/info03k-06.pdf(参照 2021年8月4日)
※4 e-ヘルスネット.身体活動とエネルギー代謝.https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/exercise/s-02-003.html(参照 2021年8月4日)
※5 健康・栄養フォーラム.国立健康・栄養研究所の式を用いた基礎代謝量の推定.https://www.nibiohn.go.jp/eiken/hn/modules/kisotaisya/index.html#(参照 2021年8月4日)
※6 厚生労働省.Ⅱ 各論.https://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/05/dl/s0529-4e.pdf(参照 2021年8月4日)
※7 e-ヘルスネット.肥満と健康.https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-02-001.html(参照 2021年8月4日)
※8 厚生労働省.日本人の食事摂取基準(2020 年版).https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf(参照 2021年8月4日)
※9 e-ヘルスネット.アネロビクス / 無酸素性運動.https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-055.html(参照 2021年8月4日)
※10 田中 喜代次,中田 由夫.減量しながら筋肉量および基礎代謝量を高めることは可能か?.https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspfsm/66/3/66_209/_pdf(参照 2021年8月4日)
※11 e-ヘルスネット.エアロビクス / 有酸素性運動.https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-072.html(参照 2021年8月4日)
※12 橋本 真理子,幾竹 浩子,堀田 舜.有酸素運動および筋力トレーニングが身体組成と体力へ及ぼす効果一高等学校女子生徒の体育授業を通して一.https://catalog.lib.kyushu-u.ac.jp/opac_download_md/659/KJ00000092979-00001.pdf(参照 2021年8月4日)
※13 鷲塚 愛・宮城 舜・田井村明博.昼食のエネルギー制限が脂質代謝及び作業効率に及ぼす影響.https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjpa/19/3/19_KJ00009497866/_pdf/-char/ja(参照 2021年8月4日)
※14 e-ヘルスネット.たんぱく質.https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-044.html(参照 2021年8月4日)