日々の生活で筋トレを行っており、消費しているカロリー量を知りたいと思ったことはある方もいるでしょう。
消費カロリーは基礎代謝や運動強度、体重が関わっており一人ひとり異なります。消費カロリーを増やすには正しい筋トレ方法や有酸素運動で基礎代謝を上げるよう意識し、食事内容にも気を配ることが大切です。
この記事では消費カロリーの要素や計算方法、筋トレで消費カロリーを増やす方法を解説します。効率良く消費カロリーを増やしたい方、筋トレによる消費カロリーを知りたい方は参考にしてください。
筋トレの消費カロリーには個人差がある
1日の消費カロリーは、基礎代謝が約60%、食事による熱産生が約10%、残りの約30%が身体活動量でまかなうとされています。
しかし、基礎代謝量や身体活動量には個人差があるため、すべてが上記の割合に当てはまるわけではありません。基礎代謝とは、運動していない安静時に消費するカロリー量のことで、基礎代謝の基準値は年齢や体重によって変化します。
1日に必要なエネルギー量は基礎代謝量や身体活動レベルの違いによっても変わります。身体活動レベルは活動量でレベルⅠ~Ⅲに分類され、一般的に消費カロリーが多いのは身体活動レベルが高い人です。
上記の内容から、消費カロリーに関わる基礎代謝や身体活動量、体重、年齢には個人差があるため、筋トレのような運動による消費カロリーにも個人差があります。
筋トレの消費カロリーの計算方法
先述したように消費カロリーには個人差があるため、以下の計算式を用いて自分で計算します。※1
消費カロリー(kcal)=METs×時間(h)×体重(kg)×1.05
METsとは、運動の強さを表す数値のことで、さまざまな活動でMETsの数値が定められています。基礎代謝は1METsなので、-1したものが筋トレによる追加の効果となります。以下の表を参考に消費カロリーを計算してください。
METsの数値 | 活動の内容 |
2.3METs | ゆったりとしたストレッチ |
5.0METs | 軽度~中等度の筋トレ |
6.0METs | 強度の筋トレ |
7.0METs | 自転車こぎ(エルゴメーター使用) |
出典:国立健康・栄養研究所「改訂版 身体活動のメッツ(METs)表」より抜粋
筋トレで消費されるカロリーの具体例
例として、体重65㎏の人が軽度~中等度の筋トレを1時間行った場合の消費カロリーを計算します。先述した消費カロリーの計算式に当てはめると、3.0METs×1×60kg×1.05=189です。そのため、体重65㎏の人が軽度~中等度の筋トレを1時間行うと、約189kcal消費できることが分かります。
また、消費カロリーは筋トレや運動内容で変化します。先述したMETsの数値に合わせて計算しましょう。
次に、運動強度による消費カロリーの違いを解説します。
- 強度の筋トレ(6.0METs):約378kcal
- エルゴメーターでの自転車こぎ(7.0METs):約441kcal
運動強度のMETsの数値が1METs違うと、約100kcal程度の差があります。約100kcalとは食事に例えるとご飯お茶碗半分、大きい鶏のから揚げ1個分です。
運動内容は日々の食事内容も考慮して考えるのも良いでしょう。
筋トレによる消費カロリーを増やす方法
運動により消費カロリーが異なることを先述しました。運動強度が高くなると消費カロリーが増えますが、筋トレで消費カロリーを増やす方法は、運動強度を上げる以外にもあります
この項目では、筋トレによる消費カロリーを増やす方法として、以下を解説します。
- ジムに通って筋トレを行う
- 有酸素運動も取り入れる
- 筋肉量を増やす
- 食事内容にも気を配る
ジムに通って筋トレを行う
より効果的に筋トレを取り入れて消費カロリーを増やしたい場合は、ジムに通うことがおすすめです。自己流の筋トレでは、正しい方法でできていない場合があり、消費カロリーに影響します。ジムで正しい筋トレ方法を学ぶと、効率良く消費カロリーも増やせるでしょう。
また、例え週1回のジム通いでも、ジムに通わないよりは正しいフォームで筋トレができます。効果的な筋トレは筋肉が作られ、基礎代謝が上がり、消費カロリーの増加につながります。
さらに、パーソナルトレーニングジムでは、食事内容の相談も可能です。消費カロリーを増やしたい場合、消費カロリーを増やすだけでなくカロリーを摂りすぎない食事内容や方法も学べるでしょう。
有酸素運動も取り入れる
筋トレによって消費カロリーを増やしたい場合、筋トレだけでなく有酸素運動も一緒に取り入れましょう。体内の脂肪が燃焼されるため、消費カロリーが増えやすくなります。また、有酸素運動には生活習慣病の予防や体力向上のような、筋トレとは異なる効果もあります。
そして、筋トレ後に分泌される成長ホルモンの働きで、筋肉の成長を助けながら脂肪燃焼が可能です。消費カロリーを増やしたい場合には先に筋トレを行い、筋トレ後に有酸素運動を行いましょう。筋トレ後で成長ホルモンが多く分泌されているときに有酸素運動を行うと、脂肪が燃えやすいためです。
筋トレ後におすすめの有酸素運動は、水泳やランニング、サイクリング、水中ウォーキングがあります。脂肪燃焼目的の有酸素運動は、20分以上を目安に取り入れましょう。
筋肉量を増やす
先述したように、筋肉量を増やすと基礎代謝が上がり消費カロリーも自然に増えます。しかし、基礎代謝は、一般的には10代頃がピークで、以後加齢とともに低下していく場合がほとんどです。
筋肉量が低下すると疲れやすさや身体の冷えのような体調不良にもつながります。そのため筋肉量を保つことは、消費カロリーを増やすだけでなく健康を保つためにも大切です。
基礎代謝を上げやすくする筋トレのコツは、大きな筋肉である太ももや臀部、胸部、腹部の筋肉を鍛えることです。さらに筋トレや有酸素運動後にストレッチを取り入れると血流が良くなり、筋肉作りのサポートにつながります。
また、筋トレの栄養補給も基礎代謝の上昇には欠かせません。運動後にはたんぱく質を中心とした正しい栄養補給に努めましょう。
食事内容にも気を配る
消費カロリーを増やしたい場合、消費カロリーばかりに着目するのではなく、摂取カロリーを増やさないよう意識することも大切です。まずは摂取カロリーが消費カロリーを上回らないよう、先述した消費カロリーの計算方法を参考に食事を摂りましょう。
しかし、摂取カロリーを減らしたいために欠食すると、必要な栄養素が補給できません。そのため、食事は1日3回しっかり摂りましょう。摂りすぎには注意が必要ですが、運動のエネルギー源になる炭水化物、筋肉のもとになるたんぱく質の摂取も重要です。
1日3回の食事で栄養素を補えない場合は、運動後に補食を取り入れて1日に必要な栄養素を摂る方法もあります。補食はおやつではなく栄養素を補う目的であるため、たんぱく質を多く含むチーズやヨーグルトがおすすめです。
また、さまざまな栄養素を補給しながらも摂取カロリーを抑えたい場合は、調理法を工夫しましょう。さまざまな調味料を使うとカロリーが増えるため、シンプルな調理法がおすすめです。魚であれば刺身や塩焼き、煮付けでカロリーが抑えられます。
筋肉がつくような正しい食事は思ったより難しいですが、効率的な筋力アップのためにも、正しい食生活が大切です。食事の整え方が分からない場合は、パーソナルトレーニングジムで指導を受ける方法もあります。
例えば、たんぱく質は、多すぎると腎臓に負担がかかり少なすぎると筋肉量が増えません。このため、普段の食事も含めてジムで相談するのが良いかもしれません。パーソナルトレーニングジムでは運動面の指導だけでなく、生活面の指導も受けられます。
効果的に筋トレを取り入れたい場合は24/7Workoutがおすすめ
消費カロリー量には基礎代謝や運動強度が関わっており、個人差があります。運動強度はMETsによる数値で表され、筋トレも強度によってMETsの数値が異なります。運動による消費カロリーを知りたい場合は、紹介した計算式に当てはめて計算してください。
筋トレでは強度を上げるほど消費カロリーが増えますが、そのほかに消費カロリーを増やすコツをいくつか紹介しました。消費カロリーを増やすにはジムに通って有酸素運動も取り入れ、基礎代謝を上げるよう意識し、食事内容も考慮しましょう。
筋トレや基礎代謝の話は若い方だけのお話ではありません。高齢な方が徐々に筋肉が減り痩せて困っている場合にも十分に当てはまります。特に、高齢者は食事量も低下するで、ジムでの運動や食事指導はとても重要になります。
運動面や食事面のトータルでサポートが欲しい場合は、パーソナルトレーニングジムの24/7Workoutを検討してはいかがでしょうか。プロトレーナーの指導のもと、正しい筋トレ方法を学べ、効率的に消費カロリーを増やせます。また、自分に合った食事管理法も学べたり、食事面での悩みがある場合も相談できたりします。
参照文献
※1 富津市. 体重コントロール(健康的に痩せる) カロリーと体脂肪の関係. https://www.city.futtsu.lg.jp/cmsfiles/contents/0000006/6849/sportscolumn6.pdf (参照 2023年10月11日)
<監修者プロフィール>
宮本倫行
北海道大学卒業後に、北海道大学脳神経外科に入局。現在は地元の東京に戻り、あさひ病院にて手術部長として、脳卒中から脳腫瘍、脊髄疾患など多岐に渡って診療や手術をしている。
健康管理にも力をいれており、週2回のフィットネスと週1回のテニスは欠かさない。最近のマイブームはサウナと脈拍で、NHK「趣味どき」に取り上げられた。高齢者が不足しがちなたんぱく質の接種に関して、共に考えていきます。