「筋トレは体に良いとわかってはいるけど、具体的に何がメリットなのかはよく知らない」という方も多いのではないでしょうか。筋トレのメリットを知ることは、筋トレを続けるモチベーションの維持にもつながります。トレーニングによって得られる嬉しい効果を確かめておきましょう。この記事では、筋トレの主なメリットや気をつけておきたいデメリット、トレーニングを続けるポイントや効果をアップさせるコツなどをご紹介します。
筋トレはメリットだらけ?期待できる5つの効果
筋トレのメリットは、主に次の5つです。
- スタイルが良くなる
- 太りにくくなる
- 歳をとっても活動的でいられる
- メンタル面が安定する
- 睡眠の質が良くなる
筋トレは、生活全体の質を上げると考えて良いでしょう。以下で各メリットの詳細を解説します。
①スタイルが良くなる
筋トレをすると、お腹・おしり・背中・二の腕・太ももについた贅肉が引き締まり、ボディラインが整います。
女性はバストやヒップアップが期待でき、メリハリのあるスタイルを目指せるでしょう。男性は筋肉のついたたくましいボディに近づけます。
身体を支える筋肉がつくと、正しい姿勢を維持しやすくなり、スラリとした魅力的な雰囲気になります。明るく若々しく、自分に自信があるように見えるようになるでしょう。
②太りにくくなる
筋トレにより筋肉が増えると、基礎代謝量が増え太りにくくなります。
人間が生きるために自然に消費するエネルギーを基礎代謝といいます。基礎代謝量は、1日に消費する総エネルギー量の約60%を占めます。※1
基礎代謝がアップすれば、トレーニングをしていないときでも脂肪が燃焼しやすくなるでしょう。加齢により基礎代謝は下がっていくので、筋トレにより意識的に基礎代謝を上げるのがおすすめです。※2
③歳をとっても活動的でいられる
筋トレをしていると、歳をとって高齢者になっても活動的でいられます。
特に大腿四頭筋・大臀筋・腹筋群・背筋群は、日常生活に強く影響を与える筋肉のため、衰えると普段の生活に支障がでる可能性もあります。
筋トレにより筋肉量を維持できれば、加齢による筋肉の萎縮、サルコペニアを抑えられるでしょう。※3 身体活動量が多く心肺持久力の高い方は、長生きとの報告もあります。
若い方でも筋トレをすれば体力が向上し、疲れにくくなります。健康寿命を延ばしてさまざまな活動を心から楽しむために、筋トレを生活に取り入れるのはおすすめです。
④メンタル面が安定する
精神的に安定しやすくなることは、筋トレで得られる大きなメリットです。適度な運動をすると、脳内から心を安定させるセロトニンβや、幸福感を得られるエンドルフィンが分泌され、メンタルに良い影響を与えるでしょう。体を動かすことでストレス解消にも役立ちます。
抑うつ改善には、運動療法に一定の有効性があると報告があり、低強度・短時間の運動でも効果が見られると考えられています。※4
また、運動習慣の継続・目標の達成・肉体の変化は、自己肯定感を高めます。自分を信頼できるようになれば、物事を肯定的に捉え、意欲的に行動できるようになるでしょう。
⑤睡眠の質が良くなる
筋トレをはじめとした運動を行うと寝付きが良くなり、睡眠の質が改善されます。睡眠の途中で目が覚める中途覚醒も減るでしょう。
睡眠の質が良くなると、以下の問題が改善される可能性があります。
- 眠気
- 疲労感の増加
- 注意力の低下
- 記憶力、学習力の低下
- 代謝機能の低下
- 免疫力の低下
- 気分障害
- 生活習慣病
運動の習慣化によって睡眠の改善が期待できるため、運動は継続的に行いましょう。就寝の2~4時間前に運動を行うとかえって目が冴えるので注意してください。運動するのにおすすめの時間帯は、夕方から夜にかけてです。
女性に嬉しい筋トレのメリット
筋トレの習慣をつけることでボディメイクして理想的な体型に近づけることはもちろん、美容や健康にも良い効果を得られることがあります。ここでは、女性にとっても嬉しい筋トレのメリットについて詳しく見ていきます。
美肌効果が期待できる[1]
筋トレをして血行が良くなると、皮膚にしっかりと栄養が行き渡りやすくなります。新陳代謝が促進され、ターンオーバーが正常になり、お肌の良好な状態を保ちやすくなるでしょう。
また、筋トレによるストレスの軽減やホルモンバランスの改善も、肌の状態を整えるのに役立ちます。さらに、筋力トレーニングを行うことで真皮の厚みが増すという研究結果があります。真皮はお肌のハリや弾力にかかわる部分です。厚みを改善できれば、アンチエイジングにも役立つと期待できます。
肩こりやむくみの予防改善になる
筋力不足は、肩こりやむくみの要因の一つといわれています。例えば、肩周りの筋力が不足していると、頭を支える力が足りずに緊張状態が続いてしまいます。結果として、肩こりを招いてしまうことがあるのです。そういった場合は筋トレで鍛えることで肩こりを改善できる可能性があります。筋トレで全身の筋肉を強化できると姿勢改善の効果も期待できます。正しい姿勢を保てるようになることで、肩こりや腰痛などの予防・改善にもつながるでしょう。
また、体のむくみは血行不良が一因となります。筋肉は収縮することで血液をスムーズに流すポンプのような機能を持っています。鍛えることで血の流れが改善し、むくみの軽減に役立つでしょう。
冷え性の改善につながる[2]
筋肉を動かすためのエネルギーを産生する際には熱が生じます。女性は男性と比較すると筋肉量が少ない傾向にあり、産生できる熱も少なく、体が冷えやすいといわれています。筋トレを続けて筋肉量を増やせば、冷えの改善につながるでしょう。
また、筋トレによって血流が良くなることも、冷えの解消に役立ちます。下半身には大きな筋肉群があるため、まずは太ももやふくらはぎなどから鍛えていくと効率的に筋肉量の増加を目指せるでしょう。
女性ホルモンを整えるサポートになる
筋トレによって血行が良くなり、基礎代謝がアップすると、自律神経を整えることにつながります。加えて、女性ホルモンのバランスを整えられることもあります。
女性ホルモンのバランスの乱れは、生理不順や生理痛、更年期障害といった、女性特有の不調を招くことがあります。筋トレでホルモンバランスを整えるサポートができれば、不調の改善も期待できるでしょう。
女性が筋肉をつけるメリットとは?筋トレのメニューや注意点もあわせて紹介
筋トレをするデメリットは?
ご紹介したように、筋トレには多くのメリットがありますが、デメリットになり得る部分もあります。どんなデメリットがあるのかを把握しておきましょう。
トレーニング時間を確保する必要がある
筋トレは長く続けていくことで効果を発揮するものです。ただし、忙しい日々を送る中でトレーニングの時間を捻出するのは難しい場合もあるでしょう。無理に筋トレの予定を組み込んだ場合、続かなくなってしまう可能性があります。自分にとって無理なく続けられる頻度でトレーニング計画を立てることが重要です。
体重が増える可能性がある
筋トレをすることで筋肉の量が増え、体重が増加する可能性があります。ダイエット目的でトレーニングを行っていた場合、ショックを受けてしまうこともあるでしょう。
ただし、筋トレによって体脂肪が増えて筋肉が増えると、体重は増えていたとしても以前より痩せて見えるケースも多く見られます。筋肉の密度は脂肪より高いため、同じ体積であれば筋肉のほうが重くなります。体重の数値にこだわりすぎず、ボディラインが引き締まったか、体脂肪率は減ったかといった基準で成果を判断することがおすすめです。
なぜ筋トレをすると体重が増える?ダイエット目的の筋トレで気をつけること
オーバートレーニングのリスクがある
過度なトレーニングは、筋肉や間接に大きな負荷をかけてしまいます。オーバートレーニングになると筋トレの効率が悪くなってしまうばかりか、ケガの原因になることもあります。適切な方法と頻度でトレーニングを行うことが大切です。
筋トレの正しいやり方を学ぶためには、専門知識を持つトレーナーの指導を受けることがおすすめです。自重トレーニングやフィットネスマシンを使ったトレーニングなど、幅広い筋トレの適切な方法を身につけられるでしょう。
食費が増えるケースも考えられる
筋トレの成果を高めるためには、運動だけではなく食事内容も重要になります。例えば、筋肉を増やすためには、タンパク質をしっかりと摂るために高タンパクの食材をメニューに加える必要があります。さらに、タンパク質の合成・分解にかかわるビタミンB6を含んだ食材を併せて摂取すると効果的です。このように栄養バランスを重視した献立を実践していくと、肉や魚、野菜などを何種類も使うことになり、以前よりも食費が高くなってしまうケースがあります。
ただ、バランスの取れた食事は筋肉の成長にとって不可欠であるほか、健康維持にも重要な役割を果たします。健康的な体づくりのために必要な出費と捉えても良いでしょう。それでも出費が気になるという場合は、筋トレ中にもおすすめの節約レシピを探して取り入れることがおすすめです。
タンパク質を多く含む食材は?食事での摂取目安量やレシピ例も紹介
筋トレを継続するためのコツ
筋トレは、短期間ではなく継続的に行うことが大切です。毎日のように続けるのが難しいと感じるのであれば、トレーニング時間を短くしたり、強度を低くしたりして問題ありません。
以下では、筋トレを継続するためのコツを解説します。
自分なりの目標を定める
筋トレを継続的に行うためのモチベーションを維持するには、自分なりの目標を定めるべきです。なんとなく筋トレをしているだけでは、筋トレを習慣化できません。
大きな目標を定めたら、次は具体的な筋トレの目標を数値で表現しましょう。例えば、「3kg痩せる」「週に3回筋トレをする」などです。具体的な筋トレの目標は、少し頑張れば達成できる程度に設定するのがポイントです。
筋トレを行う日と時間を決める
筋トレを習慣にするためには、筋トレを行う日と時間をあらかじめ決めておくことが大切です。「時間があるときに筋トレをする」と考えていると、筋トレをサボりやすくなります。
筋トレを行う日・時間は、具体的に決めてください。「月、水、金曜日に筋トレをする」「仕事帰りにジムで筋トレをする」のように決めたら、予定に従って一日の計画を立てて実行しましょう。
筋トレの記録をつける
筋トレを習慣にするには、筋トレの記録をつけるのがおすすめです。記録をつけると自分の頑張りがわかりやすくなり、モチベーションアップにつながります。
記録の内容は、体重・体脂肪・負荷・トレーニング時間がおすすめです。具体的な数字を記録しておくと、よりはっきりとした成長を実感できるでしょう。
記録方法は、手書きでもスマートフォンのアプリでもかまいません。自分が使いやすいツールを利用しましょう。
人の力を借りる
モチベーションを高く持ち続けるのは難しいことです。筋トレを続けるためには、自分だけでなく人の力も借りましょう。
例えば筋トレ仲間を作ると、筋トレを続けやすくなります。定期的にジムに行く約束をするのも、成果を報告し合うのも良いでしょう。身近に仲間を作るのが難しければ、SNSを利用するのも一つの方法です。
また筋トレ仲間でなくても、親しい人に筋トレの報告をするだけでも十分な効果はあります。ジムに通い、トレーナーにサポートしてもらうのもおすすめです。
筋トレの効果を高めるためのポイント
筋トレはただ行うよりも、ポイントを押さえて行ったほうが高い効果を得られます。筋トレを効果的に行うには、「必要な栄養素を摂る」「超回復を意識する」「正しいフォームで行う」ことが大切です。
以下で各ポイントを詳しく解説します。
筋肉の合成に必要な栄養素を摂る
筋肉をつけるには、筋肉の合成に必要な栄養素を摂る必要があります。筋肉を増やすには、以下の食材を積極的に摂取するよう意識しましょう。
種類 | 役割 | 多く含まれる食材 |
タンパク質(BCAA) | 筋肉の分解を抑制し、筋肉のエネルギー源となる | 肉・魚・大豆製品・卵・マグロの赤身・カツオ |
糖質 | 身体を動かすためのエネルギー、筋肉の維持・増強が促進される | ごはん・パン・うどん・パスタ |
ビタミンB6 | タンパク質の分解・合成 | 野菜類・穀類・魚介類・種実類 |
ビタミンC | 筋肉・関節の強化 | 野菜類・果実類 |
ダイエット目的で筋トレを行う場合も、食事を抜かず3食きちんと食べましょう。
超回復を意識して筋トレを行う
筋トレをすると筋繊維の一部が破断され、修復される際に筋繊維が太い状態になります。筋肉が破断と修復を繰り返して大きくなっていくのが「超回復」です。
筋繊維が回復するまでには、2~3日かかります。回復期はトレーニングを休みましょう。もし続けて筋トレをしたい場合は、部位を分けてローテーションでトレーニングを行うのがおすすめです。※5※6
正しいフォームで筋トレを行う
筋トレは正しいフォームで行うべきです。フォームが正しくないと、身体を痛めるリスクが高まります。
また、目的の部位に上手く筋肉がつかなくなる可能性も考えられます。※7 インターネットで筋トレ方法を調べる場合は、写真や動画をよく見てフォームを確認しましょう。
筋トレをしている自分の姿を鏡や動画でチェックするのもおすすめです。フォームが合っているか心配な方は、ジムや筋トレ教室を利用して専門家にチェックしてもらうと良いでしょう。
筋トレを習慣化してさまざまなメリットを得よう!
筋トレには、ボディメイクや健康維持、メンタルの安定など、さまざまなメリットがあります。体の不調を改善する効果も期待できるため、お悩みの方はぜひ始めてみることがおすすめです。ただし、筋トレのメリットを最大限に得るためには、適切な方法で行うことが求められます。間違った方法で続けていくと、体を壊してしまうこともあるため気をつけましょう。筋トレを始める際は、プロの指導を受けることも選択肢の一つです。
パーソナルトレーニングジムの24/7Workoutでは、専任トレーナーがマンツーマンでトレーニングをサポートいたします。それぞれの体の状態や最終的な目標などに合わせて、効果的なトレーニングメニューをご提案。筋トレが初めての方でも無理なく続けていくことができます。食事管理についても丁寧にアドバイスし、「3食しっかり食べるダイエット」で食生活の改善にも取り組めます。気になる方は、ぜひ無料カウンセリングをお申し込みください。
[1] https://maison.kose.co.jp/article/g/gmens-other-2407-01/
https://www.sunsorit.co.jp/skincare-labo/skincare_column_17/
[2] https://www.yomeishu.co.jp/health/4265/
https://epoch-kanamecho.jp/magazine/post194/
参照文献
※1e-ヘルスネット.身体活動とエネルギー代謝https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/exercise/s-02-003.html?_ga=2.150114736.743139057.1696811238-1044103743.1690348522(参照 2023年10月9日)
※2e-ヘルスネット.加齢とエネルギー代謝https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/exercise/s-02-004.html(参照 2023年10月9日)
※3e-ヘルスネット.QOLの維持・向上に必要な筋肉は?https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/exercise/s-04-002.html(参照 2023年10月9日)
※4永松 俊哉.抑うつ改善に及ぼす運動の効果https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjghp/25/3/25_240/_pdf(参照 2023年10月9日)
※5e-ヘルスネット.筋力・筋持久力https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-092.html(参照 2023年10月9日)
※6e-ヘルスネット.レジスタンス運動https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-058.html(参照 2023年10月9日)
※7田辺 英介,椋木 雅之,高塚 佳代子.運動過程をフィードバックする筋力トレーニング支援システムhttps://www.jstage.jst.go.jp/article/jceeek/2021/0/2021_228/_pdf
(参照 2023年10月9日)