「一回の筋トレにかける時間はどのくらいが最適なのか」などと悩んでいる方もいるでしょう。
一回の筋トレにかける時間は長くて1時間が適しています。それ以上続けると筋肉に悪影響を及ぼす可能性があります。
この記事では一回の筋トレにかける時間やインターバルの長さ、筋トレ効果を高めるポイントなどを解説するので参考にしてください。
筋トレにかける最適な時間の目安
筋トレにかける時間の目安は30分~1時間です。これ以上の時間筋トレをしても集中力が持たずに、筋トレの効果が薄れてしまう可能性があります。
また、長時間の筋トレはストレスホルモンの「コルチゾール」を分泌させます。コルチゾールは筋肉を分解する性質を持っているので、長時間の筋トレはかえって筋肥大を阻害することがあります。※1
筋トレの休憩時間(インターバル)目安
インターバルとはセット間の休息のことです。インターバルの長さは目的により異なります。そのため、筋トレの目的ごとにインターバルの長さを設定する必要があります。
それ以外にも、トレーニング経験の差や、年齢、性差も加味する必要があります。男性と女性でもインターバルに適する時間は異なり、一般的には女性のほうが男性より疲労回復が早いとされているため、女性のほうがインターバルは短めでも問題ありません。
- 筋持久力の向上:1分以内
- 筋力の向上:3~5分
- 筋肥大:1~2分
筋持久力とは筋肉のスタミナのことです。筋持久力は一定の負荷を繰り返し与えることで筋肉と神経の伝導が発達します。インターバルは1分以内が目安です。
筋力を発達させるには、一度に多くの負荷を与える必要があるので、大きなパワーを発揮するためにインターバルは長めの3〜5分がおすすめです。
筋肥大とは、筋肉が大きくなる現象のことです。インターバルは筋持久力と筋力の向上の中間である、1〜2分がおすすめ。目的に応じてインターバルを使い分けましょう。
【メニュー別】筋トレ時間と休憩時間(インターバル)目安
以下のトレーニンングメニューの筋トレ時間と休憩時間(インターバル)を解説します。
- チェストプレス
- ラットプルダウン
- レッグプレス
- バックエクステンション
なお、紹介する筋トレ時間とインターバルはあくまで目安なので、目的に応じてインターバルの長さを調整してください。
チェストプレス
チェストプレスとは、マシンに座った状態で手を前方に押し出すトレーニングのことです。大胸筋や上腕三頭筋、三角筋などが鍛えられます。やり方は以下のとおりです。
- マシンに座ってバーを握る
- 胸を収縮させるイメージでバーを前に押す
- 息を吸いながら戻す
回数は10回×3セット、インターバルは40~60秒が目安です。
ラットプルダウン
ラットプルダウンとは、座った状態で手を上から引く動作をするトレーニングです。広背筋や大円筋、僧帽筋などが鍛えられます。やり方は以下のとおりです。
- バーを握る
- マシンに座ってパッドの下に膝を合わせる
- 背筋を伸ばして体を拳1つ幅後傾させてバーを握る
- 胸を張りながらバーを引く
- バーをゆっくり戻す
回数は10回×3セット、インターバルは40~60秒が目安です。
レッグプレス
レッグプレスは傾斜のあるベンチに座った状態で足を押し出すトレーニングです。大腿四頭筋や大臀筋、ハムストリングなどが鍛えられます。やり方は以下のとおりです。
- 背中とシートが密着するようにマシンに座る
- 歩幅を腰幅に合わせてつま先を20度ほど外に向ける
- ゆっくり下す
- 太ももがお腹に当たる位置に来たらゆっくり上げる
回数は10回×3セット、インターバルは40~60秒が目安です。
バックエクステンション
バックエクステンションとは、傾斜のあるベンチに仰向けに寝転がって上半身を倒すトレーニングのことです。脊柱起立筋が鍛えられます。やり方は以下のとおりです。
- マシンに座る
- 息を吐きながら体を後ろに倒す
- 息を吸いながら戻す
回数は10回×3セット、インターバルは40~60秒が目安です。
筋トレを成功させる6つのポイント
筋トレを成功させるためのポイントは以下の6つです。
- 鍛えた部位は回復時間を設ける
- インターバル中に静的ストレッチを行う
- 筋トレの前後にストレッチを取り入れる
- 空腹時の筋トレは避ける
- 筋トレは夕方に行う
- 正しいフォームで行う
それぞれ解説します。
ポイント1.鍛えた部位は回復時間を設ける
鍛えた部位は、運動後24時間から48時間(運動の負荷が大きい場合は48時間~72時間)の休息が必要です。連日、同じ部位を鍛えるとオーバートレーニング症候群※2になる可能性があります。
オーバートレーニング症候群とは「慢性疲労状態」のことを指し、重度の場合は血圧の上昇や睡眠障害などにつながる可能性もあるので注意が必要です。
ポイント2.インターバル中に静的ストレッチを行う
筋トレをはじめたばかりの方におすすめなのが、インターバル中の静的ストレッチです。静的ストレッチとは、筋肉をゆっくり伸ばす動作のことです。※3
インターバル中に静的ストレッチを取り入れることで、筋肉が成長しやすくなるといわれています。静的ストレッチにはさまざまな種類がありますが、手軽にできるメニューを以下で解説します。
- 床に足を伸ばした状態で座る
- 開脚する
- 片足の爪先に両手を添えて体を前傾させる
- 反対も行う
無理はせず、痛くなく気持ち良い程度に実践しましょう。
ポイント3.筋トレの前後にストレッチを取り入れる
筋トレの前には動的ストレッチ、筋トレの後には静的ストレッチを取り入れるのがおすすめです。
動的ストレッチとは、反動や勢いをつけて行うストレッチのことです。心拍数や体温を上げて運動のパフォーマンスを高める効果があるので、筋トレ前に取り入れましょう。
以下で、動的ストレッチのやり方を解説します。
- 立った状態から正面に向かって前屈する
- 体を上下に揺さぶる
- 右に向かって前屈する
- 体を上下に揺さぶる
- 左も同様に行う
筋トレ後は、疲労した筋肉を回復させるために静的ストレッチを取り入れましょう。静的ストレッチは前項で紹介したやり方を参考にしてください。
ポイント4.空腹時の筋トレは避ける
空腹状態で筋トレを行うと、体は筋肉を分解してエネルギーを生成します。結果、筋肉が減ります。筋肉の分解を防ぐためには運動前におにぎりやバナナなどで栄養を補給するのがおすすめです。※4
固形物を食べることで胃が重たくなってしまう人は、ゼリー飲料など消化しやすいもので栄養を補給しましょう。
ポイント5.筋トレは夕方に行う
筋トレは夕方に行うのが好ましいです。
夕方は体温が比較的高いのでパフォーマンスを発揮しやすいためです。また、夕方以降の運動は睡眠の質を向上させるともいわれています。
ただし、筋トレを生活に取り入れる上で 何よりも大切なのは「習慣づけ」です。1日のリズムで最も取り入れやすい時間帯に行うのも考え方の1つです。
ポイント6.正しいフォームで行う
正しいフォームで筋トレを行わないと、筋トレ効果が薄れるだけでなく、狙っていない部位に負荷がかかり怪我をする可能性があります。
個人で筋トレをする場合、まずは正しいフォームを調べましょう。鏡を見ながら筋トレをするとフォームを意識しやすいです。また、自分の筋トレを動画撮影して見返すのも良いでしょう。
一回の筋トレは1時間以内!目的に応じてインターバルを設定しよう
一回の筋トレは1時間以内が目安です。
また、筋トレのインターバルは目的に応じて異なります。筋持久力を向上させるなら1分以内、筋肥大が目的なら1~2分、筋力の向上が目的なら3~5分に設定するのがおすすめです。
目的に応じたインターバルを設定することで、筋トレの効率はアップするでしょう。
しかし、インターバルが適切でもフォームが誤っていれば筋トレの効果は薄くなります。正しいフォームで筋トレをしたい方は「24/7Workout」がおすすめです。「24/7Workout」は、トレーニング理論や運動生理学など専門知識を有したプロトレーナーのみ在籍しています。
筋トレが苦手な人でも正しいフォームを丁寧に指導してもらえるので、気になる方は「24/7Workout」までお問い合わせください。
参照文献
※1公益社団法人日本産婦人科医会.2.ストレスホルモン.https://www.jaog.or.jp/note/2-%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%AC%E3%82%B9%E3%83%9B%E3%83%AB%E3%83%A2%E3%83%B3/(参照2023年10月1日)
※2e-ヘルスネット.オーバートレーニング症候群.https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-016.html(参照2023年10月1日)
※3 e-ヘルスネット.ストレッチングの実際 https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/exercise/s-04-007.html(参照2023年10月1日)
※4広報かみのくに2023年6月号.422 筋肉をつける食事とは?http://www.town.kaminokuni.lg.jp/kouhou/pdf/2699_89151201.pdf(参照2023年10月1日)
<監修者プロフィール>
田中詩織
筋肉・美容クリニック 院長、医療法人社団慶絢会 理事長。
所属学会は日本再生医療学会、日本内科学会、日本肥満症学会、日本医師会認定産業医。
幼少期をシンガポール・ロンドンと海外で過ごし、日本に帰国後 主婦を経て総合内科の医師となる。2020年に予防医学「筋肉×再生×健康」を軸に麻布十番にクリニックを開設。痩身とアンチエイジングを行う総合美容エキスパート。