仕事や家事に追われてなかなかジムに行く時間がないものの、筋トレをして身体を引き締めたい方もいるでしょう。
この記事では、自宅で行うおすすめの筋トレメニューを紹介します。効率良く筋力アップを図るためのポイントや筋トレを行う頻度についても解説するので、参考にしてください。
自宅で筋トレを行うメリット
自宅で筋トレを行っていくメリットを紹介します。
移動時間が必要ない
自宅で筋トレを行うメリットのひとつは、移動時間がかからないことです。
ジムや体育館などで筋トレを行う場合、移動時間が発生します。仕事や家事・育児があれば、移動時間も考えてトレーニングのための時間調整をしなくてはなりません。それにより、筋トレや運動を行う時間を短縮せざるを得ない場合もあるでしょう。
しかし自宅で筋トレをすれば、移動時間がない分、より多くの時間を筋トレに使うことができます。またジムに行くと着替えなどの準備に時間がかかりますが、自宅では準備の時間もほとんど必要ありません。
自分のタイミングでできる
自宅で筋トレを行う場合は、仕事や家事で忙しい方も隙間時間に筋トレを行うことができます。
ジムなどで筋トレをする場合、営業時間内に行かなくてはなりません。仕事が遅くまであるとなかなかジムに行けず、筋トレをする習慣が身につかない可能性があります。
また、ジムに行くと様々な利用者がいるため、使用したい機械の順番待ちなど、周囲を気にしながら運動をしなくてはならない場合もあるでしょう。自宅でのトレーニングなら、営業時間や順番待ちを気にする必要もありません。
人目を気にしなくて良い
ジムに行くと初心者から上級者まで様々な利用者がいます。とくにこれからトレーニングを始めようとしている場合、トレーニング上級者と自分を比較して集中できないことも多くあるでしょう。
しかし、自宅なら自分の体型や服装、筋トレをしている姿など人目を気にせずに行うことができるでしょう。
比較的お金がかからずにできる
ジムで運動する際は、ジムに通う会費はもちろん、運動時のウェアや靴の購入が必要となる場合もあるでしょう。それらを新しく購入するとなるとコストがかかります。しかし、自宅で筋トレを行えば、ジムのように改めて一式準備をする必要はありません。
自宅でも器具を使う場合は、最初に購入費用などがかかりますが、ジムの月会費のように毎月固定の費用がかかるわけではないため、長期的にみるとジムに通うよりも費用は抑えられるでしょう。
自宅でできる筋トレメニュー
自宅でできる筋トレメニューを紹介します。
スクワット
スクワットは、下半身の筋肉(大腿四頭筋・大臀筋など)に負荷をかけられるトレーニングメニューです。
立ち上がりや歩行など、ADL(日常生活動作)を維持するために大切な筋肉を鍛えられます。ADLの維持は、QOL(生活の質)にも大きく影響するため、スクワットはとくにおすすめです。※1また、ヒップアップの効果も期待できるでしょう。
姿勢を整えて、お尻を少し引くようなイメージで膝を屈伸させることを意識し、膝が足のつま先よりも出ないように注意して行っていくのがポイントです。
プッシュアップ
プッシュアップは、上半身の筋肉(大胸筋・三角筋・上腕二頭筋など)を鍛えられるトレーニングメニューです。女性の場合は、デコルテやバストアップに効果があります。男性の場合は、胸板を厚くしたいときにおすすめです。
プッシュアップを行っていく際には、背中が丸まったり腰が反ったりしないよう、身体をまっすぐ伸ばすことがポイントです。10回3セットを目安に行っていきましょう。
また、より効果的に行うためには、回数よりもフォームが崩れないよう意識することが大切です。
プランク
プランクは、お腹からお尻にかけての筋肉(腹筋群・臀筋群など)を鍛えられるトレーニングメニューで、体幹を鍛える際におすすめです。またプランクは、腹直筋・腹斜筋に主に効くためウエストの引き締め効果もあります。
プランクをするときには、お尻が上がりすぎたり腰が反ったりしないようにするのがポイントです。頭からかかとまで一直線をキープするように心がけましょう。
レッグレイズ
レッグレイズは、下腹部の脂肪燃焼に最適のトレーニングメニューです。腹筋とインナーマッスル(腹横筋・腸腰筋など)を鍛えることができます。
やり方は、身体をあおむけにして、お尻の斜め後ろを90度曲げた腕で支えます。軽く広背筋を収縮させて、胸を張るようにして、胸に向かって膝を引き寄せていきます。
膝を胸に引き寄せるときに息を吐き切ることがポイントです。ゆっくり行うことでより筋肉に負荷がかかるので、さらに効果を高めたい場合は、ゆっくり行っていきましょう。
回数の目安としては、10回3セットです。回数よりも効いている筋肉を意識し、フォームが崩れないように注意しましょう。
ステッパー
ステッパーは、ステップの上に乗り、足踏みをして行う筋トレです。下半身の引き締め効果が期待できるだけでなく、有酸素運動にもなるので、心肺機能やスタミナを向上することができるでしょう。
ただし、ほかのトレーニングメニューと違って、ステッパーの器具の用意が必要です。ステッパーでは、呼吸を止めずに足踏みをしっかり行うことがポイントです。
筋トレの効果を高めるためのポイント
筋トレの効果を高めるポイントを解説します。
スロートレーニングを行う
スロートレーニングは名前のとおり、ゆっくりとした動作で行うトレーニングです。筋肉を肥大させて筋力を増強させる目的で行う、レジスタンス運動のひとつの方法です。※2
レジスタンス運動とは、鍛えたい筋肉に抵抗(レジスタンス)をかける動作を繰り返し行う運動のことで、スクワットや腕立て伏せ・ダンベル体操などが該当します。
スロートレーニングは、「3~5秒程度かけてあげて、3~5秒かけて下げる」という動作が一般的で、10-15回程度の回数で1~3セット無理のない範囲で行うことがすすめられています。※3
軽い負荷でも効果的に筋力を増強させられるため、筋トレの効果を高めたい場合は、ゆっくりとした動作で筋トレを行うようにしましょう。
休息時間を取る
筋トレ後に休息時間を取ることで、効果的に筋肉の増強ができます。筋肉は筋トレで筋肉に刺激を与えることで筋組織を傷つけられ回復するときにより大きく強くなり、回復するといった特徴があります。
したがって、効率良く筋肉をつけるには、筋肉を休ませることを意識しましょう。筋肉は48時間~72時間かけて回復するため、筋トレ後は2~3日あけながら行うのがおすすめです。※4
ある程度の負荷をかけて行う
トレーニングは、ある程度の負荷を身体に与えないと運動の効果は得られません。その強度の最低ラインは、日常生活のなかで発揮する力以上の負荷です。※5
また、最大筋力の 60~80%の重さでトレーニングをすることが効果的ともいわれています。トレーニングを行う部位や方向によって異なりますが、例えば1回しか動かすことのできない重さが10Kgの場合、トレーニングは6kg~8㎏で行うと良いとされています。※6
ただし、負荷をかけすぎてもフォームが崩れ、鍛えたい筋肉に効果が出ない場合もあります。
負荷をかけても、フォームを崩さないように意識しましょう。
トレーニングの目的を意識する
トレーニングをするときに、鍛えたい筋肉の部位やタイミングに意識を集中することで、トレーニング効果が高まります。
また筋収縮には、大脳を含めた中枢神経系の関与も少なくありません。目的を意識することで、適したトレーニングや負荷を選択できるようにもなります。※7
【目的別】自宅で筋トレを行う頻度の目安
自宅で筋トレを行う頻度の目安を解説します。目的によって鍛えるべき筋肉も異なるため、参考にしてください。
【目的①】ダイエット
ダイエットが目的の場合、大きな筋肉を鍛えるようにしましょう。具体的には、大腿筋や臀部、腹筋や胸筋、三角筋などを鍛えるのがおすすめです。※8
それぞれの筋肉の超回復の目安として、腹筋は24時間、大臀筋や臀部、三角筋は48時間、胸筋は72時間程度です。そのため腹筋は1~2日に1回、大臀筋や臀部、三角筋は2~3日に1回、胸筋は3~4日に1回を目指して鍛えるようにしましょう。
また、スタイルの引き締め効果を得るためには、インナーマッスルを鍛えるのがおすすめです。インナーマッスルなどなかなか意識的に筋肉を動かすことが難しい部位は、軽い負荷で行うようにしましょう。
また、ダイエットの場合は筋トレに合わせて有酸素運動も行っていくと脂肪燃焼効果もさらに上がることが期待できます。
【目的②】筋肥大
筋肥大は、自分がどの筋肉を大きくしていきたいのかによって鍛えるべき部位は異なります。
また、筋肉によって、超回復の時間も異なるため頻度も変わります。
主な筋肉の超回復の時間として、腹筋やふくらはぎの筋肉は24時間、上腕二頭筋、上腕三頭筋、三角筋は48時間、胸筋、背筋は72時間程度が目安です。そのため、腹筋やふくらはぎは1~2日に1回、上腕二頭筋、上腕三頭筋、三角筋は2~3日に1回、胸筋、背筋は3~4日に1回行うようにしましょう。
筋トレと休息を取り入れて効率良く筋力アップしよう
自宅での筋トレは時間や場所、服装を選ばずに、自分のタイミングで行えます。また、筋トレをするうえで大切なのは、自分に合ったトレーニングメニューと負荷、頻度で行うことです。自分に合った方法で行えば、効率良く筋力アップができるでしょう。
自分に合った筋トレメニューや負荷が分からない方は、パーソナルジムでプロのトレーナーに相談するのも良いでしょう。
24/7Workoutでは、個別の目的に合わせて筋トレメニューや負荷を提案しています。
一人ではなかなかモチベーションが続かない人や自分に合った筋トレメニューが分からない方におすすめです。
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参照文献
※1e-ヘルスネット.QOLの維持・向上に大切な筋肉は?.https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/exercise/s-04-002.html(参照2023年9月25日)
※2e-ヘルスネット.スロートレーニングとは.https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/exercise/s-04-003.html(参照2023年9月25日)
※3e-ヘルスネット.レジスタンス運動.https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-058.html(参照2023年9月25日)
※4e-ヘルスネット.筋力・筋持久力.https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-092.html(参照2023年9月25日)
※5e-ヘルスネット.運動プログラム作成のための原理原則-安全で効果的な運動を行うために.https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/exercise/s-04-001.html(参照2023年9月25日)
※6 別府重度障害者センター.「在宅生活ハンドブック No.16」 終了後の筋力トレーニング.http://www.rehab.go.jp/beppu/book/pdf/livinghome_no16.pdf(参照2023年9月25日)
※7 幸田 利敬.筋力トレーニングについて.https://www.jstage.jst.go.jp/article/rika1986/9/3/9_3_131/_pdf(参照2023年9月25日)
※8 富津市.体重コントロール(健康的に痩せる) カロリーと体脂肪の関係.https://www.city.futtsu.lg.jp/cmsfiles/contents/0000006/6849/sportscolumn6.pdf(参照2023年9月25日)
<監修者プロフィール>
樋口直彦
医療法人藍整会 なか整形外科 理事長、医療法人藍整会 なか整形外科 京都西院リハビリテーションクリニック 院長、帝京大学医学部卒業、日本整形外科学会認定専門医、Vリーグ「サントリーサンバース」チームドクター。
帝京大学医学部卒業後、いくつかの病院で勤務し、院長を経験後、2021年1月に医療法人藍整会 なか整形外科の理事長に就任。バレーボールVリーグのサントリーサンバーズのチームドクターも務める。骨折治療をはじめ関節外科、スポーツ整形外科を専門に治療。スポーツ整形外科医として、患者さんの個々のケース、タイミングを共に考え最善の治療を行なっている。クリニック運営にICTを推進し、お待たせすることない診療が信条。
医療法人藍整会 なか整形外科
京都北野本院
京都西院リハビリテーションクリニック