筋トレを習慣にしたいと考えており、女性が筋肉をつけるとどうなるのか具体的に知りたい方も多いでしょう。また、筋肉がつきすぎて、身体がゴツくなってしまわないか心配な方もいるかもしれません。
この記事では、女性が筋肉をつけるメリットと注意点、自宅でできる筋トレメニュー、筋トレの効果を高めるためのポイントを紹介します。
女性は筋トレをしてもゴツくはならない
筋トレというと筋肉質な男性をイメージしてしまい、女性らしさが損なわれてしまうイメージを持っている方も多いでしょう。
女性は男性に比べて皮下脂肪の厚みがあり、もともと筋肉量が少ないため、筋肉が付きにくい傾向があります。女性がボディービルダーのような筋肉をつけるには、かなりのストイックなトレーニングが必要となります。
一般的なトレーニングでは、ゴツくなるほどの筋肉はまずつけられません。
女性が筋肉をつけるメリット
女性が筋肉をつけるメリットは、主に以下のとおりです。
- スタイルが良くなる
- メンタルが安定する
- 身体の不調が改善する
それぞれのメリットが得られる理由を解説します。
スタイルが良くなる
女性が筋トレをするとスタイルが良くなります。筋肉をつけると基礎代謝量が上がり、太りにくく痩せやすい体質になるでしょう。また、身体が引き締まり、メリハリのあるスタイルへの変化が期待できます。
さらに運動により体全体の血行が促されると、顔や足などすっきりとした印象にもなります。背筋群や腹筋群などが鍛えられることで、姿勢が良くなるのも大きなポイントです。
メンタルが安定する
筋トレを行うと、うつ病や不安症状を改善するのに大きな効果があることが示されています。※1
ドーパミン・ノルアドレナリン・セロトニンが分泌され、モチベーションアップ、ポジティブ思考、精神の安定などが期待できます。
筋トレによってスタイルが良くなると自分に自信がつき、メンタルにも良い影響が現れるでしょう。目標を設定して筋トレを続けると、達成感から自尊心の向上にもつながります。
身体の不調が改善する
筋トレをすると、身体のさまざまな不調の改善が期待できます。身体の不調のなかには、自律神経の乱れで起きているものが多くあります。具体的には、不眠・不安・疲れがとれない・便秘・下痢・めまい・のぼせ・冷え・立ちくらみなどです。※2
筋トレをすると、自律神経が整いやすくなります。また、体温が高まり血行の促進がうながされることで、冷え性の改善にもつながるでしょう。※3
女性が筋トレをする場合の注意点
女性と男性は身体の作りが異なります。女性の筋トレならではの注意点を紹介するので、ぜひ参考にしてください。
- 筋肉がつきにくいからといって焦らない
- 生理中の筋トレは無理して行わない
それぞれの注意点について詳しく解説します。
筋肉がつきにくいからといって焦らない
筋トレをしていても筋肉がつきにくいと焦る必要はありません。女性はもともと男性よりも筋肉が少なく、筋肉がつきにくい傾向があります。筋トレは継続することが重要なので、筋肉がなかなかつかないからといって、筋トレをやめてしまわないようにしましょう。
また、見た目があまり変わらなくても、持続して行っているとだんだんと変化に気づくはずです。筋肉が思うようにつかないと感じたら、筋トレのフォームや回数の見直し、必要な栄養素が摂れているかを確認するのも良いでしょう。
生理中の筋トレは無理して行わない
生理中は、体調が良いなら筋トレを行っても構いませんが、無理して行うのはおすすめしません。生理中は、貧血になりやすい、集中力が低下しやすいといった傾向があります。骨盤が緩みやすく、体幹に力が入りづらい場合もあるでしょう。
怪我のリスクが普段より高くなることを理解し、いつもより負荷を下げたり時間を短縮したりして、体調に合わせたトレーニングを行ってください。また、経血漏れが起こる可能性もあるので、筋トレを行う際にはズレに強く吸収力の高いナプキンを選びましょう。
女性が鍛えるべき筋肉とは
女性が鍛えると良い筋肉は、以下のとおりです。
- 大胸筋:バストの土台部分のボリュームがつく
- 背筋群:姿勢が良くなる
- 上腕三頭筋・上腕二頭筋:二の腕が引き締まる
- 腹筋群:お腹が引き締まる・くびれができる
- 大腿四頭筋:大きい筋肉なので基礎代謝のアップにつながる
- 内転筋群:脚やヒップラインを美しくする
どの部分の筋肉を鍛えたいのかを意識して、筋トレメニューを組みましょう。
女性が自宅でできる筋トレメニュー
女性が自宅でできる筋トレメニューを紹介します。
- 大胸筋・上腕三頭筋・上腕二頭筋を鍛える筋トレメニュー
- 背筋群を鍛える筋トレメニュー
- 腹筋群を鍛える筋トレメニュー
- 下半身の筋肉を鍛える筋トレメニュー
最初は気になる筋トレから始めて、徐々に筋トレに慣れていきましょう。
大胸筋・上腕三頭筋・上腕二頭筋を鍛える筋トレメニュー
大胸筋・上腕三頭筋・上腕二頭筋を鍛えるには、プッシュアップがおすすめです。合わせて、大胸筋・三角筋も鍛えられます。プッシュアップのやり方は以下のとおりです。
- うつぶせになり、胸の高さの横に手をつく
- 肘に角度が90°になるところに手を置く
- 膝から肩までを一直線にして、身体を持ち上げる
プッシュアップは10回×3セット行いましょう。女性の場合は、膝をついて行っても構いません。
背筋群を鍛える筋トレメニュー
背筋群を鍛える筋トレメニューは、バックエクステンションとラットプルダウンの2種類です。バックエクステンションのやり方は以下のとおりです。
- うつ伏せに寝て両足を伸ばす
- 両手を後頭部に添える
- 背中を反らして胸と脚を床から離す
- 元の姿勢に戻す
バックエクステンションは、10回×2~3セット行いましょう。
ラットプルダウンのやり方は以下のとおりです。
- 脚を伸ばして床に座る
- 身体の前でタオルを逆手で持つ
- 手首を内側に回し、タオルが手の甲に当たるようにする
- 腕を上に伸ばす
- 後頭部の後ろを通って肩の上まで下げる
ラットプルダウンは、10回×3セット行いましょう
腹筋群を鍛える筋トレメニュー
腹筋群を鍛える筋トレメニューは、プランクとクランチです。プランクのやり方は以下のとおりです。
- うつ伏せに寝転ぶ
- 肩の真下に肘がつくように手をつく
- つま先を立てて、頭からかかとまでが一直線になるイメージで身体を持ち上げる
- そのままの姿勢をキープする
プランクは、30秒×3セットで行いましょう。
クランチのやり方は以下のとおりです。
- 仰向けに寝転ぶ
- 脚を上げ、骨盤の真上に膝がくるように90°に曲げる
- 頭の後ろで手を組み、脚を動かさずに上体を起こす
クランチは、10回×3セット行いましょう。
下半身の筋肉を鍛える筋トレメニュー
下半身の筋肉を鍛える筋トレメニューは、ノーマルスクワットとレッグランジです。ノーマルスクワットのやり方は以下のとおりです。
- 足幅を肩幅と同じくらいにし、胸を張った状態で立つ
- 手を肩の高さでまっすぐ伸ばす
- 太ももと地面が平行になるまで状態を下げる
- 膝が伸び切らない程度に立ち上がる
上体を下げる際には、お尻を後ろに突き出すようにするのが正しい姿勢です。ノーマルスクワットは、10回×3セット行いましょう。
レッグランジのやり方は以下のとおりです。
- まっすぐに立つ
- 右足を踏み出し、左足の膝を床に軽くつくくらいまで腰を落とす
- 右足を元に戻す
- 左足で同じ動作を行う
レッグランジは、左右20回×3セット行いましょう。
女性の筋トレの効果を高めるためのポイント
女性の筋トレの効果を高めるためのポイントは、以下のとおりです。
- 筋肉の合成に必要な栄養を摂る
- 筋トレの頻度は週2~3日にする
各ポイントを詳しく解説します。
筋肉の合成に必要な栄養を摂る
筋トレの効果を高めるには、筋肉の合成に必要な栄養を摂る必要があります。筋肉の合成に必要な栄養は、5大栄養素と呼ばれるタンパク質・炭水化物・脂質・ビタミン・ミネラルです。十分な栄養素を取っていれば、筋肉が作られやすくなるでしょう。
タンパク質や炭水化物が足りないと、今付いている筋肉がエネルギーとして使用されてしまうため、トレーニングによってかえって筋肉が落ちてしまう場合もあるので注意が必要です。食べる量を減らしすぎず、バランスの良い食生活を心がけましょう。
筋トレの頻度は週2~3日にする
筋トレの頻度は週2~3日が最適です。筋肉はトレーニングにより筋繊維が破壊され、回復する過程で筋肉がつきます。回復期間は2~3日なので、トレーニングの頻度は週2~3回が最適です。※4
筋肉痛が発生している期間は、筋力や可動域が低下しているのでトレーニングは休んだほうが良いです。毎日筋トレをして習慣づけをしたい場合には、部位を変えてローテーションを組みましょう。
女性も筋肉をつけて生活の質をアップしよう
女性が筋トレをしても、簡単に身体はゴツくなりません。筋トレをしたら、身体が太くたくましくなってしまうと心配している方は、安心して筋トレに取り組んでください。
女性が筋肉をつけると、スタイルが良くなる・メンタルが安定する・身体の不調が改善するなどのメリットを得られます。女性は男性に比べて筋肉がつきにくいですが、正しい方法で継続して筋トレをすれば変化を感じられるでしょう。
生理中には筋トレを行っても構いませんが、貧血や集中力の低下、骨盤が緩みやすい点に注意が必要です。筋トレに必要な栄養素をバランス良く摂取し、筋トレの頻度を守ることで、筋トレの効果を高められるでしょう。
24/7Workoutでは、専門的な知識・技術に優れたトレーナーが、女性に最適なトレーニングのアドバイスを行っています。食事面のサポートも行っているので、より効率的に筋トレができるでしょう。筋トレを生活に取り入れたいと考えている方は、ぜひ無料カウンセリングにお申し込みください。
参照文献
※1 Gordon, Brett R., et al. “Association of efficacy of resistance exercise training with depressive symptoms: meta-analysis and meta-regression analysis of randomized clinical trials.”. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29800984/(参照 2023年9月14日)
※2 e-ヘルスネット. 自律神経失調症.https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/heart/yk-082.html(参照 2023年9月14日)
※3 Lima, Aluísio, et al. “A session of resistance exercise increases vasodilation in intermittent claudication patients.”https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25485893/(参照 2023年9月14日)
※4 e-ヘルスネット. 筋力・筋持久力https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-092.html(参照 2023年9月14日)
<監修者プロフィール>
松村伸
慶應義塾大学附属病院、湘南鎌倉総合病院、海老名総合病院の総合診療医の研修先連携施設であるまつむらファミリークリニック院長。日本プライマリケア連合学会では医学だけではなく栄養学、経営、経済など幅広い分野の教育講演やワークショップを行なっている。