「二の腕のたるみが気になる」「引き締まった二の腕を目指したい」と考えている人は多いのではないでしょうか。たるみのないすっきりとした二の腕や、引き締まったたくましい二の腕を目指すには、上腕二頭筋や上腕三頭筋に刺激を与える筋トレやストレッチを行うことが効果的です。
この記事では、二の腕を鍛えるための自宅でできる簡単なトレーニング方法や、痩せるためのポイントをご紹介します。ノースリーブが似合うすっきりとした二の腕を目指して、トレーニングを始めましょう!
二の腕の筋肉の種類と仕組み
二の腕には、上腕二頭筋と上腕三頭筋があります。それぞれ部位や主な働きが異なるため、特徴や鍛え方を理解することで、より効果的に二の腕を引き締めることができます。
上腕三頭筋(じょうわんさんとうきん)
上腕三頭筋は上腕二頭筋の裏側にある筋肉で、肘の曲げ伸ばしや物を押す動作、投げる動作、腕の太さに関係しています。ちょうど腕の下にあたる部分のため、「ふりそで」と呼ばれることもある筋肉です。腕の筋肉の中で大きな割合を占めるので、鍛えることで効率よく二の腕を引き締めることができます。
日常生活では使われる機会が少ないため、たるんだり脂肪がついたりしやすい部位ですが、その分筋トレにより効果が出やすい部位です。
上腕三頭筋は、鍛えることで肩の三角形から二の腕に続くラインを引き締めることができます。意識的にトレーニングすることで、男性ではたくましい二の腕を、女性ではすっきりとした細い二の腕を手に入れることができるでしょう。
上腕二頭筋(じょうわんにとうきん)
上腕二頭筋は、肘を曲げて拳を握りしめたときに、力こぶにあたる部分の筋肉です。肩から肘に向かってついていて、肘を曲げたり腕を上げたりする動作で使用します。
上腕二頭筋は、長頭、短頭の2つの筋肉で構成され、主に腕を曲げるときに働きます。長頭は外側で肩甲骨の動きに影響し、手首をひねらずに腕を曲げる際に使われます。
短頭は腕の内側で力こぶを形成し、手首を外側にひねる(手のひらを上側にする)際に使われる点が違いです。しっかりと盛り上がった力こぶは強さを演出できるため、たくましい身体を目指す男性には特に鍛えるべき筋肉の部位の一つです。
二の腕が太くなる・たるむ原因
二の腕が太くなったりたるんだりする原因には、以下のようなことが考えられます。主な原因をチェックしてみましょう。
脂肪の蓄積
脂肪は、普段動かす機会が少ない部位ほどつきやすく、落ちにくいとされています。二の腕は、比較的大きく動かす機会が少ない部位です。
運動で消費したカロリーよりも食事で摂取したカロリーが上回ることで、余剰分が体脂肪として蓄積されます。その原因として、「食生活の乱れによる摂取エネルギーの増加」「運動不足による消費エネルギーの減少」などが考えられます。体脂肪を効率的に減らすには、糖質を控えるなどの食事制限か、インターバルを取りながら行う有酸素運動などで運動量を増やすことが必要です。
急激な体重減少
過度なダイエットや食事制限により急に体重が減ることで、二の腕の皮膚が余り、たるみの原因になることがあります。皮下脂肪とともに筋肉も減少するため、マッサージや筋トレでケアを行うことが重要です。ダイエット中にもかかわらずたるみが解消しない場合は、このケースに該当すると考えられます。
筋力の低下
前述の通り、二の腕の筋肉は上腕二頭筋と上腕三頭筋で成り立っていますが、普段使われる機会が少ない(特に上腕三頭筋)ため、筋力が低下しやすくなっています。筋肉量が少ないとエネルギーが消費されにくくなるため、脂肪が溜まりやすくなります。
そのため、運動不足や加齢などにより筋力が低下することで二の腕が太くなりやすく、たるみも起こり、より太く見えてしまうのです。特に猫背の状態では肩関節や肘関節の動きが制限され、背筋や広背筋も弱くなるため、ヨガトレーニングなどを参考に姿勢を改善することも必要です。
むくみ・冷え・血行不良
長時間同じ姿勢でいるなど二の腕を動かす機会が少なくなると、血流やリンパの流れが滞り水分や老廃物が溜まります。特に脇の下にはリンパ節があるため、血行が悪くなるとリンパ節が詰まり、二の腕がむくみ太くなります。
また、血行不良や冷えが起こると、体が脂肪を溜め込みやすくなるため、セルライトがつきやすくなるため注意が必要です。二の腕を触ったときに冷たさを感じる人は、冷えによって血行不良が生じている可能性があります。適度な運動や意識的に二の腕を動かす生活をして、血行を改善しましょう。
二の腕を鍛える筋トレメニュー
二の腕を鍛えるエクササイズには、自重トレーニングのほか、バーベルやダンベルなどを使った方法があります。ここでは、二の腕を鍛えるのに効果的な筋トレメニューをご紹介します。上腕二頭筋と上腕三頭筋のどちらに効くのか意識しながら行いましょう。
ダンベルキックバック
ダンベルキックバックは、上腕三頭筋を鍛えられる筋トレメニューです。トレーニングベンチとダンベルを使用しています。
【やり方】
- 左手にダンベルを持ち、右手と右膝をベンチにつける
- 左肘を直角に曲げ、前傾姿勢になる
- 肩が動かないように意識しながら肘の位置を固定し、肘を伸ばしてダンベルを後ろ方向に上げる
- 腕をゆっくり元の位置に戻す
つらくなってくると肘が左右に動きやすくなりますが、動作中は肘をしっかり固定することを意識します。また、反動を使うことは避けてください。左右の腕を変えて10〜15回ずつを目安に行います。
ダンベルフレンチプレス
ダンベルフレンチプレスは、特に上腕三頭筋に効く筋トレメニューです。二の腕の下部を引き締められるため、引き締まったきれいな二の腕やたくましい腕を目指す人にもおすすめです。
【やり方】
- まっすぐ立ち、足は肩幅程度に開く
- 胸を張ってダンベルを両手で持ち、肘をまっすぐに伸ばして頭上まで上げる
- 肘を曲げてゆっくり腕を頭の後ろに倒す
- 息を吐きながら肘をまっすぐ伸ばした姿勢に戻る
肘を曲げてダンベルを下げる際は、筋肉を意識しつつゆっくり行うのがポイントです。勢いで行うと、筋肉への負荷が小さくなるため注意しましょう。また、動作中は肘を動かさないようにします。10~20回を3セット行うのが目安です。
ノーマルプッシュアップ
ノーマルプッシュアップとはいわゆる腕立て伏せのことで、上腕二頭筋・三頭筋、三角筋、大胸筋に効く筋トレメニューです。二の腕だけでなく、肩や体幹などの上半身全体を鍛えられます。
【やり方】
- うつ伏せになり肩幅よりも少し広めに手を開く
- 手のひらとつま先のみで身体を支える
- そのまま胸が床につくギリギリまで身体全体を下げて1秒間キープする
- ゆっくり元の姿勢に戻る
つま先だけで身体を支える際、お腹に力を入れてかかとから首までが一直線になることを意識するのがポイントです。肘は後ろに引くように下げ、また胸を下ろすときに息を吸い、持ち上げるときに息を吐きましょう。ノーマルプッシュアップが難しい場合は、膝をついて行ってください。10〜15回を3セット行うのが目安です。
リバースプッシュアップ
リバースプッシュアップとは、その名の通り反対向きで行う腕立てのような動作を行います。上腕三頭筋への刺激がもっとも強く、三角筋前部への効果も期待できます。
【やり方】
- ベンチに背を向けた状態で、肩幅程度に開いた両手をつける
- 腰を浮かせた状態で足を前に出し、かかとで支える
- 呼吸を吐きながら、肘を曲げて腰を真下に落としていく
- 肘が90度に曲がったところで動きを止め、スタートポジションに戻る
腰を落とす際、前方に流れないように意識して真下に落とすのがポイントです。10〜15回3セットを目安に行ってみましょう。筋力に自信のある男性の場合、物足りなく感じてしまうかもしれません。
もっと負荷をかけたい場合は、足を台などに乗せて高くしてみましょう。上腕三頭筋に効率よく刺激が与えられるため、二の腕を引き締めたい方に特におすすめのトレーニングです。
ダンベルカール
ダンベルカールは、上腕二頭筋・上腕筋・腕橈骨筋を鍛えるのに適したトレーニングです。ダンベルの向きや腕の上げ方を変えるだけで効く筋肉も変えられるため、鍛えたい筋肉に合わせて行ってみましょう。
【やり方】
- 両腕を下ろし、手のひらを前方に向ける
- その状態から手のひらにダンベルを持ち、脇をしめて肘を曲げる
- 限界まで曲げたら、ゆっくりと元の位置に戻す
- この動きを繰り返し行う
腰を反らさず、背筋を伸ばした状態で行うのがポイントです。肘を曲げ伸ばしするときは、肘の位置を固定することで上腕二頭筋に効率よく刺激が与えられます。重すぎるダンベルを使ったり、セット数を増やしすぎたりするとオーバートレーニングになってしまうおそれがあります。6~12回行ったときに限界が来るように、ダンベルの重さを調整して1セットを目安に行いましょう。
逆手懸垂
逆手懸垂とは、手のひらを自分の方向に向けて行う懸垂です。手軽に行えて上腕二頭筋に効く筋トレメニューです。
【やり方】
- 自分の方向に手のひらが向くように、肩幅と同じ幅で鉄棒を握る
- 背中を伸ばして、身体を浮かせる
- 胸を張り、握っているバーを胸に近づけるように身体を持ち上げる
- 腕を伸ばしゆっくりと身体を下げる
手の幅と肩幅が同じくらいになるようにするのがポイントです。10〜15回を3セット行うのが目安です。ただし、慣れるまでは回数をこなすよりも、正しいフォームで行うことを意識しましょう。
はじめのうちは、身体を浮かせることが難しいかもしれません。足を少し地面につけて体重を支えたり、トレーナーやパートナーに腰を支えてもらったりするなど、補助をしてもらうことをおすすめします。
筋トレで二の腕を鍛えるときのポイント
二の腕を鍛える際、間違った方法で行うと効率が悪くなったり、腕を痛めてしまったりするおそれがあるため注意しましょう。ここでは、筋トレで二の腕を鍛える際に、知っておきたいコツや注意点をご紹介します。
適切な負荷で行う
筋肉に抵抗をかける動作を繰り返す筋トレは、個人に合った適切な負荷や回数を設定することが重要です。これは筋トレ全般にいえることで、二の腕の筋トレにも当てはまります。筋トレの強度と回数は、最大挙上重量の60~80%の重さを8~12回繰り返すことがすすめられています。※1
最大挙上重量とはダンベルなどの器具を1回で持ち上げられる最大の重量のことで、これよりも強度が高すぎると怪我のリスクとなり、低いと筋トレの効果が小さくなります。特に、三頭筋の種目は肘を痛めやすいものもあるため、強度やフォームには注意が必要です。10~15回程度の回数を反復し、1~3セット無理のない範囲で行いましょう。
休息日を設ける
筋トレを行うことで筋肉の筋繊維の一部が破壊されますが、それが修復される過程で元々の筋繊維より太くなります。これを超回復と呼び、この過程を繰り返すことで筋繊維の断面積が太くなり筋力が上がります。※2
1日も休まずに二の腕の筋トレを続けていると、超回復をする暇がありません。二の腕を効率的に鍛えるには、休息日をしっかり設けて無理のない範囲で継続的に行うことが大切です。毎日ではなく、2〜3日に1回程度、週あたりで2〜3回の頻度でトレーニングしましょう。
二の腕を効率的に痩せるためのポイント
効率的な二の腕痩せを実現するためには、運動だけでなく食事の管理も欠かせません。筋トレによって筋肉がつき引き締まって見えるようになりますが、脂肪を落とすためには食事によるカロリー収支のコントロールが大きく影響します。つまり、筋肉を鍛えることと同時に、脂肪を落とすための食事管理も行う必要があるのです。
正しい食事管理を学びながら、自分に合った方法で効率よく痩せたいならパーソナルジムの利用がおすすめです。パーソナルジムでは、トレーニング指導に加えて、専門のトレーナーによる食事指導やアドバイスも受けられます。トレーナーは個々の目標や体質に合わせて、カロリーや栄養素などのバランスを考えた食事プランを提案します。
さらに、パーソナルジムでは、運動中のフォームや負荷のかけ方など、細かな点もチェックしてもらえます。これにより、怪我のリスクを減らしながら効果的にトレーニングを進めることができます。
パーソナルジムの利用で得られる総合的なサポートは、短期間で効果を実感したい方や、自己流でなかなか成果が出ない方にとって非常に有益です。効率的に二の腕を引き締めるためのポイントを押さえ、バランスの取れたトレーニングと食事管理で、理想の体型を目指しましょう。
筋トレで理想の二の腕を目指そう
すっきりとした二の腕やたくましい二の腕を目指すには、上腕二頭筋と上腕三頭筋を鍛える必要があります。これらの部位は使われるタイミングや役割、筋トレメニューも異なるため、それぞれの部位に効くメニューを選んで取り組みましょう。
ただし、筋トレは自分の目的に合ったトレーニングメニューと頻度、適切な負荷を選択することが大切です。自分での判断が難しい場合、専門のトレーナーがつくパーソナルトレーニングジムに通うことがおすすめです。
24/7Workoutでは、お客様に合わせたオーダーメイドのプランを提案しているため、理想のボディを最短距離で目指せます。また、食事制限ではなく、3食しっかりバランスよく食べる食事管理も行っています。
引き締まった理想の二の腕を目指すなら、無理なくダイエットやトレーニングに取り組める24/7Workoutを、ぜひご検討ください。
参照文献
※1.厚生労働省.成人を対象にした運動プログラム. https://www.mhlw.go.jp/content/000656456.pdf?_ga=2.47590695.1490587248.1692921493-1499017478.1692921493 (参照2023年9月4日)
※2. e-ヘルスネット.筋力・筋持久力. https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-092.html (参照2023年9月4日)
<監修者プロフィール>
筋野恵介
のぞみクリニック院長 医学博士
埼玉医科大学卒業後、同大学病院の感染症・ER科で研鑽を積み、2018年にのぞみクリニック院長に就任。
地域住民の乳幼児から100歳近い高齢の方々を日々診療し、「患者さんの負担を最小限に抑え、あらゆる疾患を責任をもって最後まで見守っていく」をモットーに、患者さまに寄り添う診療を心がけている。