一口に筋トレといっても、実に多くの種類があります。トレーニングを始めたいものの、何から始めたら良いか迷ってしまうという方は多いのではないでしょうか。
「体を引き締めて美しいプロポーションを手に入れたい」「運動不足を解消して体力をつけたい」など、目的によって適した筋トレメニューは異なります。ご自分の目標をしっかりと定めた上で、適切なトレーニング方法を選びましょう。
今回は、筋トレの主な種類やトレーニング効果を高めるコツ、自宅トレーニングにおすすめの筋トレメニューなどをご紹介します。
筋トレを行う前の2つのチェックポイント
筋トレを行う前のチェックポイントは次の2つです。
- 目的を明確にする
- 筋トレの前後にストレッチを行う
上記のチェックポイントを押さえているかどうかで、筋トレの効果が変わる可能性があります。ここでは、筋トレ前に気をつけておきたい注意点について解説します。
目的を明確にする
筋トレを行う前に「何のために鍛えるのか」「どのような体型になりたいのか」などの目的を明確にすることが大切です。目的がはっきりすることで、どのようなトレーニングを行えば良いかがわかるためです。
例えば、「筋肉を増やして身体を大きくしたい」場合には「速筋繊維(そっきんせんい)」を鍛える必要があります。速筋繊維とは、瞬発的な力を持つ筋肉のことです。筋トレをはじめとした、瞬間的なパワーを必要とする運動で速筋繊維は鍛えられます。
一方で、「スタミナを向上させたい」と考える場合には、速筋繊維を鍛えるトレーニングは不向きです。なぜなら、動いても疲れない身体を作るためには「遅筋繊維(ちきんせんい)」を鍛える必要があるためです。※1
遅筋繊維とは、スタミナのある筋肉のことです。ランニングや低強度の筋トレなどの有酸素運動で鍛えられます。
目的が定まっていなければ、筋トレか有酸素運動、どちらを行うべきかの判断がつきません。そのため、筋トレを行う前には目的を明確にしておきましょう。
筋トレの前後にストレッチを行う
筋トレの前後に取り入れるストレッチには、パフォーマンス向上や怪我の予防効果が期待できます。筋トレの前には「動的ストレッチ」を行うのがおすすめです。動的ストレッチとは、反動をつけながら筋肉を伸び縮みさせる運動のことで、運動のパフォーマンスが高まる効果があります。※2※3
筋トレを終えた後には、「静的ストレッチ」を行いましょう。屈伸や背伸びなど、一定の方向に筋肉をゆっくり伸ばす静的ストレッチを行うことで、怪我を予防しやすくなります。また、ストレッチで緊張した筋肉を緩めることで、ストレス解消の効果も期待できます。
筋トレの種類
筋トレの種類は大きく分けて次の3つです。
- 自重トレーニング
- ウエイトトレーニング
- 体幹トレーニング
それぞれの特徴を解説します。
自重トレーニング
自重トレーニングとは、自分の体重を負荷として実施するトレーニングのことです。腕立てや腹筋、背筋などが自重トレーニングに該当します。
ダンベルなどの器具が不要な上に、寝そべられるほどのスペースさえ確保できれば実施できます。また、自分の体重以上に負荷がかからないため、筋トレ初心者の方でも取り組めるでしょう。加えて、新しいトレーニングメニューを好きなタイミングで取り入れられるため、飽きにくいことも特徴です。
しかし、自分の体重を負荷とするため、強度を変えられないデメリットもあります。強度がある程度固定されている自重トレーニングは、人によっては退屈に感じるかもしれません。
ウエイトトレーニング
ウエイトトレーニングとは、バーベルやダンベルなどの重りを用いて実施する運動です。負荷が強く、筋肥大を狙いやすいとされています。
筋肥大とは、筋肉が大きくなる仕組みを指します。ウエイトトレーニングは速筋繊維が使われやすいため、身体を大きくするのに有効な手段といえるでしょう。
また、自重トレーニングでは鍛えづらい部分も、ウエイトトレーニングであれば鍛えやすくなります。鍛えにくい主な筋肉は、首と肩の間にある僧帽筋などが挙げられます。
ウエイトトレーニングは、狙った部位を鍛えやすいため、こだわってトレーニングしたい方にもおすすめです。ただし、ウエイトトレーニングを行うには器具を揃える必要があるため、費用がかかる点には気をつけましょう。
体幹トレーニング
体幹トレーニングは、身体の中心部である「体幹」を強化するためのトレーニングです。体幹とは、頭と手足を除いた部分の筋肉を指します。体幹を鍛えることは、腰痛予防や姿勢改善などにつながります。※4
主な体幹のトレーニング方法としては、プランクやバランスボールを使ったエクササイズなどが挙げられます。
【目的別】初心者にもおすすめの筋トレメニュー
目的が「ダイエット・筋持久力アップ」の場合と「筋肥大」の場合とでは、効果的なトレーニング内容は異なります。ここでは、初心者にもおすすめのトレーニングメニューを、目的別に解説します。
ダイエット・筋持久力アップなら自重トレーニングがおすすめ
ダイエット・筋持久力アップなら自重トレーニングがおすすめです。筋持久力とは、筋肉が持つスタミナのことで、筋持久力が高いほど一度に続けられるトレーニング量も増えます。
筋持久力を鍛えるには、最大筋力の40%ほどの軽い負荷で、有酸素運動に近い状態で筋トレを行うことが好ましいとされます。※1
また、有酸素運動には脂肪燃焼の効果もあるため、自重トレーニングは一石二鳥といえるでしょう。
自重トレーニングには、次のようなメニューがあります。
- 腕立て(大胸筋や上腕三頭筋)
- 腹筋(腹直筋)
- 懸垂(広背筋)
- スクワット(大腿四頭筋や大臀筋)
筋肥大ならウエイトトレーニングがおすすめ
筋肥大を狙うなら、筋肉に強い刺激を入れる必要があります。しかし、自重トレーニングでは、負荷が物足りない可能性があるかもしれません。
ウエイトトレーニングでは、練度に応じて重さを自由に変えられるため、適した負荷で筋トレを行えます。そのため、筋肥大を狙うなら自重トレーニングではなく、ウエイトトレーニングがおすすめです。
ウエイトトレーニングには、次のようなメニューがあります。
- ダンベルカール(上腕二頭筋)
- ベンチプレス(大胸筋や上腕三頭筋)
- スクワット(大腿四頭筋や大臀筋)
- サイドレイズ(三角筋)
自宅でできるおすすめ筋トレメニュー8選
ここでは、トレーニングのために特別なマシンを準備する必要がなく、気軽に挑戦しやすい筋トレ種目をご紹介します。自宅でトレーニングに取り組みたいときは、ぜひ参考にしてみてください。
●プッシュアップ(胸・腕)
いわゆる腕立て伏せのことで、主に大胸筋・三角筋・上腕三頭筋を鍛えます。やり方によっては背筋・腹筋も鍛えられます。上半身を鍛えたい方や肩こりを改善したい方などにおすすめです。
*プッシュアップの正しいやり方
1.四つん這いの姿勢になり、肩幅よりもやや広めに両手をつく 2.両足を伸ばして肩幅よりも少し狭い位置で、爪先だけを地面につく 3.ゆっくりと肘を曲げて胸が床に着くギリギリのところで少しキープする 4.床を押して元の姿勢に戻る |
プッシュアップを行う際は、首からかかとまで一直線の姿勢を保つことがポイントです。1セットあたり10回前後繰り返しましょう。
●リバースプッシュアップ(胸・腕)[1]
[1] https://online.tipness.co.jp/magazine/lesson-454/
https://evigym.com/howto-training/reverse-push-up
https://charisfit.net/wp/reverse-push-up
体の前面を天井に向けた状態で行う腕立て伏せです。プッシュアップとは体の向きが逆になります。主に上腕三頭筋・三角筋・広背筋などを鍛えることができます。二の腕の引き締めや姿勢改善などを目指す方におすすめです。
*リバースプッシュアップの正しいやり方
1. 体育座りで座る 2. お尻よりも後ろのほうに手をついて、指を体側へ向ける 3. お尻を浮かせて手足だけで体を支える 4. 肘を曲げながら、お尻が床につくギリギリまで下げる 5. 肘を伸ばしてお尻を上げる |
お尻を下げるときは肘を曲げ、しっかりと上半身へ負荷をかけましょう。負荷を上げたいときはイスなどの上に手をついて行います。1セット10~15回が目安です。
●スクワット(脚) [2]
[2] https://brand.taisho.co.jp/contents/sports/494/
https://www.descente.co.jp/media/sports/training/26135/
https://joyfit.jp/akajoy/health_knowledge/post39/
立ち上がった状態で膝を曲げ伸ばしする筋トレです。大臀筋・大腿四頭筋・ハムストリングスなどを鍛えることができます。下半身の筋力を高めたい方や、基礎代謝を上げたい方、冷えやむくみなどを改善したい方などにおすすめです。
*スクワットの正しいやり方
1. 足を肩幅程度に開き、爪先を45度くらい外に向けて立つ 2. 息を吸い込みながらゆっくりと腰を落とす 3. 膝が直角になるところでしばらくキープする 4. 息を吐きながらゆっくりと元の位置へ戻す |
スクワットで腰を落とす際は、膝が爪先よりも前に出ないようにすることがポイントです。足の裏は浮かないよう、しっかりと床につけます。1セット10回程度を目安としましょう。
●ブルガリアンスクワット(脚)[3]
[3] https://co-medical.mynavi.jp/contents/therapistplus/lifestyle/beauty/16599/
https://www.shopjapan.co.jp/diet_labo/training/article_021/
https://ufit.co.jp/blogs/training/bulgariansquats
イスや台などに片足をかけて行うスクワットです。大殿筋・大腿四頭筋・ハムストリングス・内転筋などを鍛えることができます。下半身の引き締めやヒップアップなどを目指す方におすすめです。
*ブルガリアンスクワットの正しいやり方
1. 足を肩幅ぐらいに広げてイスや台などに背を向けて立ち、後ろ足の甲を乗せる 2. 膝を曲げながら、前足の膝が90°程度になるまでゆっくりと腰を落とす 3. 膝を伸ばして元の姿勢に戻す |
ブルガリアンスクワットをするときは、背中が曲がったり反ったりしないように体勢を保ちます。片足それぞれ10回で1セットが目安です。
●ヒップリフト(お尻・ハムストリングス)[4]
[4] https://hacogym.jp/training/hiplift_trainingmethod_importantpoint
https://medipalette.lotte.co.jp/bodycondition/394
https://www.shopjapan.co.jp/diet_labo/training/article_018/
膝を曲げた状態で仰向けに寝て、お尻を上げ下げする筋トレです。大臀筋・ハムストリングス・脊柱起立筋・腹横筋などを鍛えることができます。ヒップアップや姿勢改善などを目指したい方におすすめです。
*ヒップリフトの正しいやり方
1. 床に仰向けになって膝を90°に曲げて立てる 2. 足裏を床につけたままお尻をゆっくり上げる 3. 肩から膝にかけて一直線になる状態をキープしたら、ゆっくりお尻を下げる |
お尻を上げるときは勢いに任せるのではなく、ゆっくりと動かすことが大切です。キープする時間を長くすることで負荷を高められます。1セット10回が目安です。
●シットアップ(腹筋)[5]
[5] https://www.nike.com/jp/a/sit-ups-crunches-muscles-worked
https://medipalette.lotte.co.jp/diet/399
https://www.shopjapan.co.jp/diet_labo/training/article_025/
よく見られる腹筋運動のことで、床に仰向けになってから上体を起こし、再び戻す動作を繰り返します。腹直筋や内腹斜筋、外腹斜筋などを鍛えることができます。お腹の引き締めを目指す方におすすめです。
*シットアップの正しいやり方
1. 床に仰向けになって膝を立て、足裏全体を床につける 2. 上体を垂直になるまで起こす 3. ゆっくりと元の体勢に戻す |
上体を起こすときは息を吐き、下げるときには吸います。反動を使ってしまうと筋トレの効果が十分に現れず、腰を痛めてしまう可能性もあるため気をつけましょう。1セットにつき10回が目安です。
●ロシアンツイスト(腹筋)
上半身をひねる動作を繰り返す筋トレです。腹斜筋・腹直筋・腹横筋などを鍛えることができます。お腹を引き締めてくびれを作りたい方におすすめです。
*ロシアンツイストの正しいやり方[6]
[6] https://tential.jp/journals/muscle_training/dumbbell/013
https://melos.media/training/76049/
https://medipalette.lotte.co.jp/bodycondition/201#h3-14
1. 床に体育座りをして、かかとを床につけて爪先は浮かせる 2. 背筋を伸ばさず腹筋に負荷をかけることを意識しながら上体をひねる 3. ゆっくりと反対方向にもひねる |
お尻を痛めるのが心配な場合はヨガマットなどを敷いた上で行いましょう。足を軽く浮かせることで負荷を高めることができます。10~20回に1セットが目安です。
●プランク(腹筋)[7]
[7] https://www.nas-club.co.jp/magazine/how-to-plank-effectively/
https://www.tipness.co.jp/magazine/article/000108/
https://www.descente.co.jp/media/sports/training/27965/
うつ伏せの状態で肘をついて体を支え、正しい姿勢を維持する筋トレです。腹直筋・腹斜筋・腹横筋・脊柱起立筋などを鍛えることができます。お腹周りを引き締めたい方や姿勢を改善したい方などにおすすめです。
*プランクの正しいやり方
1. 両肘を床についてうつ伏せになる 2. 爪先を立て、頭から足の先までまっすぐになるよう体を引き上げる 3. 呼吸を止めないようにしながら姿勢をキープする |
最初のうちは姿勢を10秒キープするのも難しい場合があります。少しずつ時間を延ばしていきましょう。正しいフォームを崩さないように意識することが大切です。
筋トレの回数の目安をメニューごとに解説
筋トレの回数は多すぎても少なすぎても効果が出にくくなってしまいます。適切な回数を確認しておきましょう。
筋肥大を目的としたメニューなら10~12回
先述のとおり、筋肥大を狙うなら、筋肉に強い負荷を入れる必要があります。目安として、10~12回で限界が来る重さで筋トレを行うのがおすすめです。セット数は、1〜3セットで無理なく行いましょう。身体が慣れてきたら、セット数を増やしたり、ほかのメニューを追加したりするのもおすすめです。
筋持久力アップを目的としたメニューなら15~30回
筋持久力アップを狙うなら、一定時間、筋肉に負荷を与え続ける必要があります。目安は1セット15~30回です。セット数は、3セットを目安に行いましょう。
効率的に筋トレするため押さえておきたい分割法とは?
分割法とは、1回のトレーニングで全身を鍛えるのではなく、筋肉の部位ごとに日にちをずらして鍛える方法のことです。例えば、上半身と下半身のトレーニングを別日で行ったり、1日1部位ずつトレーニングしたりするケースがあります。
分割法は筋肉の休息日を作りやすく、1回のトレーニング時間を短縮できることなどがメリットです。1回ですべての筋トレメニューをこなそうとするよりも、体の負担が少なく済みます。無理なく継続しやすいため、運動習慣を自然に身につけることもできるでしょう。ここでは、日々の筋トレに役立つ分割法について、2~5分割の4パターンやメニュー例を解説します。
●2分割(上半身、下半身)
2分割は初心者向けの分割パターンです。筋トレする部位で日を分ける方法と、筋トレ動作で分ける方法があります。
部位で分ける場合、上半身と下半身を違う日に鍛えるとわかりやすいでしょう。例えば、上半身の日は胸・肩・腕、下半身の日は背中・脚に分けてトレーニングを行います。
また、「プッシュ」「プル」の動作で分ける方法があります。プッシュ(押す)筋肉のトレーニングでは胸・肩・上腕三頭筋などを鍛え、プル(引く)筋肉のトレーニングでは背中・脚・上腕二頭筋などを鍛えます。
●3分割(胸、背中、脚)
筋トレに慣れてくると分割パターンを徐々に増やしていくことがおすすめです。3分割のパターンでは、上半身を2日、下半身を1日に分けて行うのが一般的です。例えば、以下のように胸・背中・脚で分ける方法があります。
*分け方とトレーニング方法の例
部位名 | トレーニング方法 |
胸・上腕三頭筋・肩の日 | ベンチプレス、プッシュアップ、スカルクラッシャー、サイドレイズなど |
背中・上腕二頭筋の日 | 懸垂、ダンベルデッドリフト、ハンマーカールなど |
脚の日 | スクワット、ブルガリアンスクワット、フロントスクワットなど |
●4分割(胸、肩、背中、脚)
4分割法は、比較的上級者向けの方法となります。全身の筋肉群を4つに分類してトレーニング日を分けていきます。
*分け方とトレーニング方法の例
部位名 | トレーニング方法 |
胸・上腕三頭筋の日 | プッシュアップ、フレンチプレス、ディップス、ベンチプレスなど |
肩の日 | ショルダープレス、サイドレイズ、リアレイズなど |
背中・上腕二頭筋の日 | ハンマーカール、クランチ、ラットプルダウン、チンニングなど |
脚の日 | スクワット、ブルガリアンスクワット、ランジ、レッグプレスなど |
●5分割(胸、肩、背中、脚、腕)
5分割はボディビルダーなどの上級者が採用しているトレーニング方法です。胸・肩・背中・腕・脚などを1日に1部位ずつ鍛えることになります。基本的には1週間のうち5日間をトレーニング日とし、2日間を休息日とします。あくまでもプロ向けの方法のため、一般の方では十分に効果を得るのが難しいかもしれません。
初心者の方はまずは2分割法からはじめ、少しずつ分割パターンを増やしていくと良いでしょう。スポーツジムやパーソナルトレーニングジムなどで、トレーナーに質問しながらメニューの組み方や順番を決めていくこともおすすめです。
筋トレの効果を高めるための5つのコツ
筋トレの効果を高めるためのコツは次の5つです。
- インターバルを設ける
- 過負荷の原則を理解する
- はじめから完璧を求めない
- 鍛えた部位は2~3日開けるようにメニューを組む
- 筋トレ後の45分以内にタンパク質を補給する
それぞれのポイントについて詳しく解説します。
インターバルを設ける
インターバルとは、セット間の休息を指します。筋持久力アップが狙いなら、インターバルは1分ほどが目安です。筋持久力を鍛えるには、一定の負荷を与え続けることが大切なため、疲労が残った状態で次のセットに進みましょう。
また、筋肥大が狙いなら、インターバルは2~3分で行いましょう。強い負荷で続けて実施するには、ある程度の休息が必要です。
過負荷の原則を理解する
筋肉は常に一定以上の負荷を与えないと、成長しません。これを「過負荷の原理」と呼びます。※5
過負荷の原理を意識することは、筋肥大を狙う場合にとくに重要です。筋トレで停滞期が訪れた際に負荷を上げることで、筋肉の成長が促される可能性があります。
はじめから完璧を求めない
身体レベルを高い状態まで持っていくには、食事管理やトレーニングフォームなど、幅広い知識を取得する必要があります。はじめから頑張りすぎると継続が難しくなるため、徐々に知識を増やしていきましょう。
鍛えた部位は2~3日開けるようにメニューを組む
筋トレにより疲労した筋肉が回復するのに必要な時間は、2~3日といわれています。※1そのため、鍛えた部位は2~3日経過は休ませることがおすすめです。
疲労が抜けていない状態でトレーニングするとオーバーワークになる可能性もあります。オーバーワークは怪我だけでなく、倦怠感や睡眠障害などを発症するケースもあるので注意が必要です。※6 毎日筋トレを行う場合は、同じ部位を連日鍛えてしまわないように、部位を分けて行いましょう。
筋トレ後の45分以内にタンパク質を補給する
筋トレ後の45分間は、少なくとも筋肉の合成率が高まっています。筋トレ終了後、45分以内にタンパク質を摂取することで、効率的に筋肉をつけられるでしょう。
おすすめは、運動直後にタンパク質を補給することです。ある実験によると、運動直後と運動の2時間後にタンパク質を補給した被験者では、前者のほうが筋肉量の増大が見られたとのことです。※7
運動直後のタンパク質補給としては、ホエイプロテインを飲むのが手軽でおすすめです。ホエイプロテインは吸収が早いため、筋トレ後のタンパク質補給に適しています。
筋トレに関するよくある質問
理想の身体を手に入れるためにボディメイクを始めたいものの、適切な時間や頻度などがイメージできないという方は多いでしょう。ここでは、筋トレに関するよくある質問をご紹介します。
●筋トレは1日に何分やればいい?
筋トレは1日に30分~1時間を目安に続けていくことがおすすめです。トレーニング時間が長すぎると、ケガを引き起こしてしまったり、筋肉痛が長引いてしまったりといったリスクも高くなることがあります。集中して短時間でトレーニングすることを意識してみましょう。
●筋トレは週に何回行えばいい?
筋トレの頻度は週に3~4回を目安に行うと良いでしょう。筋肉は負荷をかけた後に3日ほど休息することで成長しやすくなるといわれています。同じ部位を続けて鍛えると筋肉の修復が間に合わず、かえって成長を阻害してしまう可能性があります。慢性的に疲労がたまった状態になるおそれもあるため気をつけましょう。週3~4回のトレーニングなら、休息日とのバランスが取れたスケジュール調整を行いやすくなります。
●筋トレは1週間休むとどうなる?
筋トレを休んでしまった際に効果がなくなってしまうのではないかと感じ、モチベーションが低下してしまった……という経験がある方も多いのではないでしょうか。筋トレを1週間休んだとしても、筋肉が急激に減少することはないといわれています。体調不良や用事などでやむを得ず休んでしまった場合も、焦らずに筋トレを再開しましょう。
しかし、休息期間があまりに長すぎると筋肉の成長が止まってしまう可能性があります。筋肉をなるべく維持するために、日々の食事の栄養素に気を配りましょう。タンパク質を十分に摂ることで筋肉の減少を最小限に抑えられます。
また、筋トレを休む場合は軽い運動やストレッチをすることもおすすめです。筋肉を適度に刺激することができるでしょう。
目標達成のためには自分に合った筋トレメニューを選ぶことが大切!
筋トレメニューには多くの種類があり、鍛えられる部位は異なります。「お腹周りを引き締めたい」「足のラインをきれいにしたい」など、目的に合ったメニューを選ぶことがポイントです。今回ご紹介した筋トレメニューやトレーニングのコツなども参考にしながら、ご自分に合った筋トレを実践していきましょう。
ただ、一人では筋トレの正しいやり方や適切なメニューなどがわかりにくいという方も多いでしょう。自分にぴったりの筋トレで効果を実感したい方は、パーソナルトレーニングジムに通うことも一つの方法です。24/7Workoutなら、一人ひとりの悩みに合わせたトレーニングメニューをご提案し、目標達成のために運動や食事面からさまざまなサポートを行います。
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参照文献
※1 e-ヘルスネット.筋力・筋持久力.https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-092.html(参照2023年7月26日)
※2 e-ヘルスネット.ストレッチングの効果.https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/exercise/s-04-006.html(参照2023年7月26日)
※3 e-ヘルスネット.ストレッチング.https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-082.html(参照2023年7月26日)
※4健康長寿ネット.体幹トレーニングの効果と方法.https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/shintai-training/fukkin.html(参照2023年7月26日)
※5 e-ヘルスネット.運動プログラム作成のための原理原則 -安全で効果的な運動を行うために.https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/exercise/s-04-001.html(参照2023年7月26日)
※6 e-ヘルスネット.オーバートレーニング症候群https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-016.html(参照2023年7月26日)
※7下村 吉治.運動後の筋タンパク質合成のためのタンパク質・アミノ酸栄養.https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspfsm/62/1/62_16/_pdf(参照2023年7月26日)
<監修者プロフィール>
中村康弘
関西医科大学卒後、虎の門病院で内科医として勤務。予防医学の重要性を認識し、アメリカ・ニューヨークで先端の予防医学を学ぶ。多面的な予防医療を習得し、公衆衛生学修士号とトレーナー資格も取得。帰国後、京都と東京で予防に特化したクリニックを開業し、アジアでも診療を行う。