健康や美容の観点から、腹筋を鍛えたいと考えている方は多いのではないでしょうか。しかし、筋トレ初心者の方は、具体的にどのようなトレーニングや方法で腹筋を鍛えて良いのかわからない場合もあるでしょう。
この記事では「自宅で気軽に取り組める腹筋トレーニング方法」を紹介します。それぞれのトレーニングのメリットやポイントも解説するので、腹筋を鍛えたい方はぜひ参考にしてください。
腹筋には種類がある
腹筋と一口にまとめることが多いですが、お腹の筋肉を大きく分けると4つの種類があります。
腹直筋 | ・お腹の前面にある筋肉 |
外腹斜筋 | ・体幹の側屈に使う筋肉 |
内腹斜筋 | ・外腹斜筋の深層にあり、外腹斜筋とともに腰をひねるときに使う筋肉 |
腹横筋 | ・内腹斜筋の深層にあり、お腹の横側に位置する最も深層の筋肉(インナーマッスル) |
お腹のどのあたりを鍛えたいのかによって、腹筋の方法は異なります。お腹の引き締めたい部分を確認し、それぞれの部位に合ったトレーニングを行いましょう。
腹筋トレーニングを行うメリット
腹筋を鍛えるメリットを3つ紹介します。それぞれのポイントを確認し、腹筋トレーニングのモチベーションを高めましょう。
日常動作の向上
腹筋は身体を起こしたりひねったりするなど、日常の動作に大きく影響する筋肉のひとつです。しかし、筋肉は加齢によって衰える傾向があり、人によっては日常生活に大きな支障を与えます。※1
普段からきちんと腹筋を鍛えることで、きれいな姿勢を保ったり動作をスムーズにしたりする効果が期待できます。
体力や筋肉の衰えを理由に生活の質を下げないためにも、腹筋は定期的に鍛えましょう。
姿勢、バランスが良くなる
姿勢やバランスが悪くなる要素として体幹部の筋力低下があります。
腹筋が弱いと上体が後ろに傾いたり、反り腰になったりします。反り腰とは腰が反った状態で、腰椎の前弯(腰の反り)が強くなり、腰痛の原因にもなります。
背筋とともに腹筋をバランス良く鍛えることで、姿勢やバランスが良くなり、腰痛の予防にもなるでしょう。
脂肪燃焼効果の向上
腹筋を鍛えることで、脂肪燃焼効果の向上が期待できます。筋肉量が増えることにより基礎代謝も上がるため、体脂肪の減少効果も期待できます。
ただし、筋肉が鍛えられると体重が重くなる傾向があるので、ダイエット目的で腹筋を鍛える方は注意が必要です。基礎代謝が上がることで結果的にはダイエット効果が期待できますが、結果が出るまでに時間がかかるかもしれません。
腹筋を鍛えるとぽっこりお腹の解消にも期待ができるので、引き締まった腹筋を目指してトレーニングに励みましょう。
便秘の予防・改善
腹筋の力が弱いと便を押し出す力も弱くなるため、人によっては便秘になる場合があります。便秘の予防や改善のためにも、しっかりと腹筋を鍛えましょう。
ただし、腹筋運動だけでは便秘の改善に至らない場合もあります。腹筋を鍛えるのはひとつの予防方法として捉え、健康的な食生活や規則正しい生活も心掛けて過ごしましょう。
腹筋トレーニングを行う際のポイント
腹筋トレーニングを行う際のコツや注意点を紹介します。腹筋をしっかり鍛えるためにも、以下5つのポイントをチェックしてください。
腹筋トレーニングの前にウォーミングアップを行う
腹筋トレーニングに限らず、運動を行う前にはウォーミングアップを行うのが望ましいです。ウォーミングアップは体温を上げるほか、身体を柔らかくして可動域を広げる効果に期待ができます。
加齢とともに身体は硬くなる傾向にあるため、中高年の方はケガ予防のためにもしっかりとウォーミングアップを行ってください。
ウォーミングアップは腹筋トレーニングなど、次に行う運動による心臓や肺への負担を軽減する効果にも期待ができます。
回数ではなくひとつの動作に集中する
腹筋運動は回数をこなすのが良いと思われやすいですが、回数よりもひとつずつの動作に集中することが大切です。鍛えたい筋肉に効いているか、刺激が加わっているかを意識しながら腹筋トレーニングを行いましょう。
ゆっくりとした動作で腹筋運動を行うことで、軽めの負荷でも筋肉を鍛える効果に期待ができます。身体を持ち上げたり、おろしたりする動作は、ゆっくりとひとつずつ丁寧に行っていきましょう。※2
負荷はレベルに合わせて調整する
いきなり負荷の高い腹筋運動を行う必要はありません。効率良く腹筋を鍛えるためにも、自分に合ったレベルから腹筋運動を始め、少しずつステップしていくことをおすすめします。
最初は10回の腹筋運動がきつかった方でも、慣れてくれば負荷が軽く感じるようになります。10回の腹筋になれたら15回、15回の腹筋を2セットなどと、少しずつ負荷の高いトレーニングを行いましょう。
筋肉を回復させる期間を設ける
すぐにトレーニングの効果を実感したい方は、毎日筋トレを行っているかもしれません。しかし、筋肉は疲労から回復する時間も必要です。※3
一般的に、腹筋トレーニングを含めた筋トレは2〜3日に1回のペースで行うのが望ましいので、間隔を空けながら運動を行ってください。
毎日運動をして身体を動かしたい方は、腹筋トレーニングを休んでいる間は有酸素運動を中心に行うと良いでしょう。エアロビクスやウォーキング、水泳など、楽しく続けられる有酸素運動を見つけてください。
腹筋トレーニングは継続して行う
トレーニングを開始しても、すぐに腹筋は鍛えられません。腹筋運動は繰り返し行って効果が得られるものなので、しっかりと継続しましょう。
楽しくトレーニングを続けられる工夫をすることも大切です。腹筋トレーニングを行う目標を明確にしたり、モチベーションが高まる音楽を聴きながら運動をしたりと、自分の気分が上がるトレーニング方法を見つけましょう。
ジムに通うのもひとつの方法です。自分以外にもトレーニングに励んでいる人がいれば自然とやる気になる場合もあります。また、専属トレーナーがいれば、身体に負担が少なく効率の良いトレーニング方法を教えてもらえるだけでなく、運動に挫折しそうなときも励ましてくれます。
飽きやすい方や1人で頑張るのが苦手な方は、ジムを利用すると継続しやすいかもしれません。
腹筋を効率的に鍛えるトレーニングメニュー
腹筋を効率的に鍛えるおすすめのトレーニング方法を紹介します。自宅でも気軽に取り組めるトレーニングがたくさんあるので、腹筋を鍛えたい方はチャレンジしてください。
下記で、6つのトレーニング方法を詳しく解説します。
基本の腹筋トレーニング
腹筋トレーニングの中でもメジャーな方法を紹介します。主に腹直筋に働きかけるトレーニングなので、お腹の前面を引き締めたい方は今日からチャレンジしてみましょう。
【基本の腹筋トレーニング方法】
- 仰向けになって寝ころび、足を肩幅程度開き、膝を立てる
- お腹の中心に力を入れ、ゆっくりと上体を起こす
- 上体が起き上がったら、腹筋に力を入れたままゆっくりと元の位置に戻る
両手はどこに置いても構いませんが、「脚→おなか→胸→頭」の順で強度をアップできます。まずは1セット10回、3セットを目標に取り組んでみてください。
基本の腹筋トレーニング(上級編)
負荷を上げてトレーニングしたい日や、基本の腹筋トレーニングでは物足りないなと感じる方は、上級者向けのトレーニングにステップアップしてください。
【基本の腹筋トレーニング(上級編)の方法】
- 椅子を足元に設置し、かかとをつけるように足を椅子の座面に置く(膝は90度を意識)
- 手は膝の横に添えるようにセットする
- 状態を起こし両手でくるぶしをタッチする
- ゆっくり状態を戻して1回のトレーニングが終了
1セット10回、3セットを目安にトレーニングを行ってください。椅子を使った腹筋トレーニングが楽に感じてきたら、椅子を外して足を浮かせたまま行ってみましょう。
ドローイング
ドローイングは腹部のインナーマッスルである、腹横筋を鍛えられるトレーニング方法です。座位または立位の状態で行うトレーニングなので、仕事や家事の休憩時間など隙間時間を有効活用したい方におすすめです。
【ドローイングの方法】
- お腹を膨らませるように、息を大きく吸う(腹式呼吸)
- お腹をへこます意識で息を細く長く吐く
息は「鼻から吸って口から吐く」を意識してください。1セット10回、3セットを目安にドローイングに取り組んでみましょう。体力に自信がない方でもやりやすいトレーニングなので、ぜひ試してください。
腹斜筋トレーニング
腹斜筋を鍛えるトレーニング方法を紹介します。腹斜筋は体幹を安定させる役割があるので、しっかり鍛えてあげましょう。
【腹斜筋トレーニング方法】
- 仰向けになった状態で、膝を立ててスタンバイする
- 天井に向かって片手を上げる
- 手を上げたまま肩甲骨を持ち上げる
- 顎を引いた状態で、上げた方の手と反対側の膝にタッチする
- 余裕があればタッチした足を上げる
ひとつの動作を丁寧に行うのがポイントです。回数は自分の体力に合わせて行って構いませんが、10回3セットを目安に腹斜筋トレーニングを行ってみてください。
サイドクランチ
サイドクランチは、外腹斜筋と内腹斜筋を鍛えられるトレーニングです。お腹の両サイドを鍛えたい方は、積極的にサイドクランチに取り組みましょう。
【サイドクランチの方法】
- 横向きになって寝転がり、膝を前に曲げて身体を安定させる
- 脇腹を縮めるように上体を持ち上げる
- 上体を持ち上げたら、そのまま3秒キープする
- ゆっくり元の姿勢に戻る
15回1セット、3セットを目標に左右の筋肉を鍛えてください。おへそを覗き込むように上体を持ち上げるのがポイントです。
腹横筋トレーニング
インナーマッスルの中でも深層部に位置する、腹横筋を鍛えるトレーニング方法を紹介します。最初はきつく感じるかもしれませんが、慣れてくるとバランスが取りやすくなってくるので、身体の変化を楽しみながらトレーニングを行いましょう。
【腹横筋トレーニングの方法】
- 仰向けに寝転がり膝を立てる(腰と床の隙間を指一本分くらいに調整する)
- 骨盤を安定させたまま足を90度に片足ずつ持ち上げる
- 片足ずつ膝を上げたまま足を伸ばし、両足を伸ばし終わったら足をおろす
足を延ばした際に骨盤が安定しない場合は、2で終わって構いません。回数は10回3セットを目標にしましょう。
腹筋を鍛えて美しく健康な身体を手に入れよう
腹筋トレーニングは、脂肪燃焼効果やぽっこりお腹の解消に期待ができます。健康維持にも欠かせない重要な筋肉ですので、普段からしっかりと鍛えていきましょう。
腹筋トレーニングは、2〜3日に1回のペースを目安に運動を行ってください。トレーニングを継続することが難しい方は、ジムのトレーナーにアドバイスをもらいましょう。
24/7Workoutでは、専属トレーナーがサポートします。腹筋トレーニングで結果を出すにはトレーニングの方法が重要ですが、24/7Workoutでは専属トレーナーによる食事指導も受けられるので、美や健康を追求したい方におすすめです。
専属トレーナーと一緒に運動にチャレンジするので、1人でトレーニングを行うよりも続けやすいのではないでしょうか。
24/7Workoutでは随時無料カウンセリングを受け付けているので、気になる方は確認してください。
参照文献
※1 e-ヘルスネット. QOLの維持・向上に大切な筋肉は?https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/exercise/s-04-002.html (参照 2023年7月11日)
※2 e-ヘルスネット.運動の考え方と進め方
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/exercise-summaries/s-04 (参照 2023年7月12日)
※3 e-ヘルスネット. レジスタンス運動(れじすたんすうんどう)
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-058.html (参照 2023年7月12日)
<監修者プロフィール>
影山広行
日本スポーツ協会公認スポーツドクター、日本医師会認定健康スポーツ医、抗加齢医学専門医、放射線診断専門医。
アンチエイジング、ボディーメイクへの強い関心から、スポーツのアンチエイジングへの応用、独自の食事法によるウェイトコントロール下でのボディーメイク、筋力増強に取り組む。スポーツ外傷の画像診断のスペシャリスト。