日頃から脚の疲労をよく感じる方は、ふくらはぎを鍛えることで改善できるかもしれません。ふくらはぎを鍛えると、脚のシルエットが美しくなるだけでなく、健康に関する効果も期待できます。
この記事では、ふくらはぎの役割や鍛えるメリット、効率的な筋トレメニューと鍛えるときのポイントを解説します。「脚が疲れやすい方」「ほっそりとしたふくらはぎをめざしたい方」は、ぜひ参考にしてください。
ふくらはぎの構造と役割
ふくらはぎの筋肉は、ヒラメ筋と腓腹筋(ひふくきん)の2つを主とした筋肉から構成され、2つをまとめて下腿三頭筋(かたいさんとうきん)と呼びます。
ヒラメ筋はその名のとおり、ヒラメのような形をしたふくらはぎ下部にある筋肉で、立っているときに使います。
腓腹筋はふくらはぎ上部の盛り上がっているところについている筋肉です。腓腹筋は、内側と外側の2つに分かれており、跳んだり走ったりするときに使われます。
腓腹筋は血液を送るポンプのような働きをしており、全身の血流にも影響しています。この働きからふくらはぎは「第二の心臓」と呼ばれるほど、身体にとって大切な部位になっています。
ふくらはぎの筋トレをするメリット
ふくらはぎの筋トレを行うと、脚のスタイルだけでなく、健康面にも良い影響を与えます。以下で、ふくらはぎを鍛えるメリットを詳しく紹介します。
血流が良くなる
ふくらはぎの筋肉を鍛えると、全身の血行促進効果が得られます。ふくらはぎを鍛えて血流が促進されることで、冷えやむくみを改善できる可能性もあります。※1
脚が疲れにくくなる
ふくらはぎの筋肉を鍛えると、血行が促進され疲労物質が溜まりにくくなるため、脚が疲れにくくなります。
また、ふくらはぎには身体を支える役割がありますが、衰えると脚全体に負担がかかり疲れやすくなります。ふくらはぎを鍛え、脚にかかる負担を減らすことでも、疲れにくくなるでしょう。
ダイエット効果
ふくらはぎを鍛えて筋肉量が増えると、基礎代謝が上がるので痩せやすい身体につながります。 ふくらはぎのヒラメ筋と腓腹筋を合わせると大きな筋肉になるので、ダイエットしたい方はふくらはぎを鍛えることがおすすめです。
運動能力の向上
ふくらはぎにある腓腹筋は、瞬発力やジャンプ力、走力に関係しています。
そのため、ふくらはぎを鍛えると、地面を強く蹴れるようになるため、素早く動けたりジャンプ力が向上したりするなど、運動能力の向上が期待できるでしょう。
ふくらはぎに筋肉をつける効率的な筋トレ
ここではふくらはぎに効率的に筋肉をつけるための筋トレを紹介します。自分に合ったものや出来そうなものから取り組んでください。
スタンディングカーフレイズ
「スタンディングカーフレイズ」は、ふくらはぎを持ち上げるという意味のトレーニングです。腓腹筋を鍛えるだけでなく、足首にも効果が期待できるので、ほっそりとした脚をめざしたい方は、ぜひ実践してください。
スタンディングカーフレイズでは、まず両足を肩幅程度に開きます。かかとを可能な限り高く上げて1秒キープしたら元の姿勢に戻り、この動作を30回繰り返しましょう。30回を1セットとして、1分間の休憩を挟んで3セット行ってください。
スタンディングカーフレイズは、省スペースで隙間時間でも行える手軽なトレーニングなので、忙しい方にもおすすめです。
スタンディングワンレッグカーフレイズ
先ほど紹介した「スタンディングカーフレイズ」を片脚で行うのが、「スタンディングワンレッグカーフレイズ」です。スタンディングカーフレイズに慣れた方や負荷を上げたい方は、挑戦してください。
スタンディングワンレッグカーフレイズは壁やイスなどにつかまって、バランスをとりながら片脚を横に曲げるようにして、もう一方の脚の上にかけましょう。
床についているほうの脚を可能な限り高く上げてキープし、ゆっくりとかかとを降ろしてください。片脚で立つので、バランスを崩してケガをしないように注意しましょう。
シーテッドカーフレイズ
「シーテッドカーフレイズ」は座ったまま、かかとを上げ下げする筋トレです。スタンディングカーフレイズより負荷が軽くなるので、回数を増やしてしっかり鍛えましょう。
シーテッドカーフレイズを行うときは、背筋を伸ばしてイスに座り、脚は床と垂直にします。最初の姿勢からかかとを可能な限り高く上げてキープし、ゆっくりとかかとを降ろす動作を50回繰り返してください。
座った姿勢で行うトレーニングなので、デスクワーク中や電車やバスの移動中でも行えます。
ジャンピングスクワット
「ジャンピングスクワット」は、下腿三頭筋だけでなく太ももとお尻の筋肉を鍛えられる筋トレです。ジャンプとスクワットの動きをかけ合わせたトレーニングなので、瞬発力の向上も期待できます。
まず、脚を肩幅より少し広めに開いて、背筋をまっすぐにしたまま膝を曲げて腰を降ろしましょう。お尻を低くした姿勢から、腕を振って真上にジャンプしてください。膝を軽く曲げて着地したら、再び素早くジャンプをします。この動作を10回3セット繰り返してください。
ジャンピングスクワットで効率良くふくらはぎを鍛えるには、大きく腕を振ってできるだけ高く跳ぶことがポイントです。
また、着地するときに足首などに負担がかかる可能性があるため、クッション性の高い靴を履いて行いましょう。
理想のふくらはぎをめざす際のポイント
理想のふくらはぎをめざすなら、筋トレだけでなく身体のケアや食事も大切な要素です。以下で、理想のふくらはぎをめざすためのポイントを紹介します。
ふくらはぎの筋トレ後はストレッチを行う
ふくらはぎの筋トレ後には、ストレッチを行いましょう。筋トレ後のストレッチは、筋肉の緊張をほぐして、疲労感を軽減する効果が期待できます。筋肉の緊張をほぐすために、ストレッチをするときは深呼吸しながらするのもポイントです。
ふくらはぎのストレッチは、アキレス腱を伸ばす体操と同じように、立った姿勢から片脚を前に出し膝を曲げてください。このとき、後ろになっている脚のかかとは床につけたまま、脚の後ろ側が伸びているのを感じましょう。
このストレッチは、ヒラメ筋と腓腹筋の両方への効果が期待できます。後ろにする脚を変えながら、1回につき20~30秒かけてしっかりと伸ばしてください。
栄養バランスの良い食事を摂る
筋肉は食べ物から摂取した栄養素でつくられるので、栄養バランスは理想のふくらはぎをめざすうえで重要な要素です。筋肉を作るには元になるタンパク質と筋肉の栄養素となる炭水化物が必須なので、きちんと摂取しましょう。
とくにふくらはぎを鍛えるなら、タンパク質が大切です。肉や魚から摂れる動物性タンパク質と大豆類から摂れる植物性のタンパク質をバランス良く摂取してください。
筋トレの前に食事をすると、筋肉に栄養が吸収されやすく、筋肉が破壊されにくくなるといわれています。そのため、筋トレは食後2~3時間後に行うのが良いでしょう。
ふくらはぎを鍛えて健康も美も手に入れよう
ふくらはぎは「第二の心臓」とも呼ばれており、鍛えると全身の血行促進が期待できます。また、スタイルアップだけでなく、痩せやすい身体作りにもつながります。
ふくらはぎのトレーニングは省スペースで隙間時間でも実践可能なものがあるため、取り組みやすく、誰でも挑戦できます
効率的にふくらはぎを鍛えたい方は、ジムを利用することがおすすめです。ジムにもよりますが、トレーニング方法から食事のポイントまで教えてもらえるため、理想のボディへの近道になります。
パーソナルジムの24/7Workoutでは、専属トレーナーが一人ひとりに合ったプランでトレーニング指導や食事指導を行っています。お客様の要望に沿ってメニューや食事管理方法を考案しているため、無理なく続けられることが特徴です。
ふくらはぎだけでなく、トレーニングについて興味がある方は、ぜひご検討ください。
参照文献
※1 御殿場市長寿福祉課 元気になろう会通信第16号.
https://www.city.gotemba.lg.jp/kenkou/kanri/assets/uploads/2016/03/0e4221baaf02d100902adfb661f8b5ce.pdf(参照2023年7月9日)
<監修者プロフィール>
塚本浩
脳神経内科専門医。
帝京大学医学部神経内科助教、ローマ聖心カトリック大学(Università Cattolica del Sacro Cuore, Roma)留学を経て、帝京大学医学部脳神経内科・医学教育センター助教、帝京大学医療技術学部 臨床検査学科 准教授に。
現在は、けんせいクリニック院長、筑波大学付属病院臨床教授(病院)、東京医科大学茨城医療センター脳神経内科兼任准教授を務める。