「背筋」を鍛えるとウエストにメリハリが出る、姿勢が良くなる、肩こりや腰痛の予防などのメリットがあるといわれています。
背筋は、主に僧帽筋、広背筋、脊柱起立筋の3つの筋肉から構成されているため、鍛えるときはそれぞれの筋肉に効くトレーニングを行うことが重要です。
この記事では、背筋のトレーニング方法と背筋を効率的に鍛えるポイントを解説します。「背筋を鍛えたい」「姿勢が気になる」と考えている方は、ぜひ参考にしてください。
背筋とは
背筋とは、背中についている筋肉のことで「僧帽筋(そうぼうきん)」「広背筋(こうはいきん)」「脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)」の大きく3つに分けられます。
僧帽筋とは、首と方から背中の真ん中を結ぶ逆三角形のような形をした筋肉です。肩甲骨を安定させる働きがあり、首や肩を動かすときに使用しています。
広背筋とは、腕と脇の下から腰、背中の中央までをつなぐ筋肉です。物を引っ張る動作や腕を閉じる動きで使用します。
脊柱起立筋とは、頭蓋骨の下から骨盤まで背骨の両サイドを縦に走る筋肉です。背筋の中で最も大きく、姿勢を維持する働きに関係し、腰を後ろに反らす動作で使います。
背筋を鍛えるメリット
上半身の中でも大きいとされる背筋を鍛えると、さまざまなメリットがあります。以下で背筋を鍛えるメリットを紹介します。
姿勢が良くなる
脊柱起立筋を中心に、背筋は正しい姿勢を維持するために重要な役割を担っています。そのため背筋を鍛えると姿勢が良くなるというメリットがあります。
とくに、デスクワークの方、巻き肩に悩んでいる方は背筋を鍛えると良いでしょう。背筋がピンとした美しい姿勢だと、周囲に与える印象や服の着こなしも変わります。
肩こりや腰痛の予防
肩や首周りにある僧帽筋の筋力が低下していると、頭の重みが負担になり肩こりになりやすいです。また、脊柱起立筋が弱いと姿勢が悪くなり、腰痛につながる可能性もあるでしょう。
肩こりや腰痛にならないためにも、背筋を鍛えることがおすすめです。
基礎代謝の向上
基礎代謝の向上も背筋を鍛えることで期待できます。背筋を鍛えて筋肉量が増えると、消費するエネルギーも増えて基礎代謝が向上し、痩せやすい身体になります。※1※2
背筋は上半身の中でも大きい筋肉なので、基礎代謝の向上につながりやすいでしょう。
背筋の筋トレをするときのポイント
鍛えるとさまざまなメリットがある背筋をトレーニングするときのポイントを紹介します。
背筋の筋トレは週2回にする
効率良く筋肉をつけるためには、きちんと休息することも大切です。トレーニングで傷ついた筋肉は、休息と食事で回復します。筋トレを毎日行うと筋肉が常に疲労した状態になり、逆に筋肉がつきにくくなるでしょう。
背筋を鍛えるときは週2回程度に留めて、ほかの日は別の部位を鍛えてください。
週2回のトレーニングでも筋肉痛が治らない場合は、負荷の軽いトレーニングに変える、メニュー内容を見直すこともおすすめです。負荷の軽いものから、少しずつ負荷の強いメニューに変えていきましょう。
筋トレ前後にはストレッチを行う
背筋に限らず、筋トレをする前後はストレッチをしましょう。ストレッチをすると、筋トレの効率上昇やケガの予防などにつながります。
筋トレ前のストレッチは筋肉の緊張をほぐすために、筋トレ後には鍛えた筋肉をリラックスさせるために行います。
自宅できる背筋を鍛えるトレーニング
自宅で手軽にできる背筋のトレーニングメニューを紹介します。
バックエクステンション
「バックエクステンション」は背筋全体を鍛えられるトレーニングで、横になれるスペースがあれば実践できます。
まずうつ伏せに寝転び、両足をまっすぐ伸ばして、両手を軽く後頭部に添えてください。その姿勢から、背中を反らして、胸と脚を床から離してゆっくりと最初の姿勢に戻りましょう。
10回を1セットとして、2〜3セットを目安に行います。
自宅でできるラットプルダウン
タオルを使えば自宅でも、広背筋や僧帽筋を刺激できる「ラットプルダウン」ができます。
まず、床に足を伸ばして座り、身体の前でタオルを逆手で持ってください。手首を内側に回して、タオルが手の甲に当たるようにしたら、そのまま腕を上に伸ばします。
このとき背筋を伸ばすことを意識しましょう。上に伸ばした腕を左右均等な力で引っ張りながら肩甲骨を寄せるイメージで、後頭部の後ろを通るように肩の上まで下げて、ゆっくりと再び腕を上げます。
ラットプルダウンは10回3セットを目安に行いましょう。
ジムでできる背筋のトレーニングメニュー
より背筋を鍛えるためにはジムでトレーニングをすることがおすすめです。ジムならマシンを使用して、自宅よりも負荷をかけて背筋を鍛えられます。
下記で、ジムでできる主な背筋のトレーニングメニューを紹介します。
フロントラットプルダウン
「フロントラットプルダウン」は、広背筋下部と僧帽筋、三角筋などを鍛えられるトレーニングです。マシンを使って、懸垂と同じ動きで背筋を鍛えられます。背中の厚みや横幅を出せるので、背中の印象を変えたい方に実践してほしい筋トレです。
トレーニング前に、イスの高さを膝が直角になるくらいに調整してください。イスに座ったら、腕を上に伸ばして肘の角度を約45度にしてバーを握ります。
その姿勢から腰が反らないように意識しながら、かかとに体重を感じて、バーを胸に寄せてください。このとき肩甲骨を寄せて下げるイメージで動作をするといいでしょう。
また、フロントラットプルダウンでは身体を後ろに傾けますが、傾けすぎるとケガのリスクやフォームの乱れにつながるので注意が必要です。
チンニング
「チンニング」は、広背筋をメインに鍛えられるトレーニングです。自分の体重を使って強い負荷をかけて、懸垂の動きで背筋を鍛えます。
チンニングはバーを握って肩甲骨を寄せるように意識しながら、バーを胸に寄せるように身体を持ち上げてください。胸がバーにつくくらいまで身体を持ち上げたら、ゆっくりと最初の姿勢に戻りましょう。
バーを広めに握ると広背筋メイン、狭めに握ると広背筋下部が鍛えられます。
ダンベルデッドリフト
「ダンベルデッドリフト」は、ダンベルを使ったトレーニングです。背中やお尻、太ももの筋肉を鍛える代表的な筋トレで、脊柱起立筋と広背筋を鍛えられます。
足を肩幅程度に開いて立ち、足の前にそれぞれ1つずつダンベルを置いてください。背筋をまっすぐにしたまま膝を曲げて、足元に置いたダンベルを両手で持ち、そのまま胸を張って背中から引き上げるイメージでダンベルを持ち上げましょう。
まっすぐな姿勢になるまでダンベルを持ち上げたら、ゆっくりと最初の姿勢に戻り、これを繰り返してください。
ダンベルデッドリフトでは、ダンベルを持ち上げるときに腕ではなく、背中とお尻、太ももの裏が刺激されているかを確認しながら行いましょう。
背筋を鍛えて美しい姿勢を保とう
背筋を鍛えると、基礎代謝の向上だけでなく、姿勢の改善、肩こりや腰痛の予防にもつながります。デスクワークの方や猫背や肩こりが気になる方は、背筋を鍛えましょう。
ただし、背筋のトレーニングは自宅だとできるものが少ないので、しっかり鍛えたいならジムで鍛えることがおすすめです。
パーソナルジムの24/7Workoutでは、専属トレーナーが一人ひとりに合った背筋のトレーニングメニューを提供します。トレーニングだけでなく、食事に関してのアドバイスも行っているため、効率良く理想のボディをめざせます。
効率良く背筋を鍛えたい方は、ぜひ利用をご検討ください。
参照文献
※1 田中 喜代次,中田 由夫.減量しながら筋肉量および基礎代謝量を高めることは可能か?.https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspfsm/66/3/66_209/_pdf(参照 2023年7月8日)
※2 e-ヘルスネット.身体活動とエネルギー代謝.https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/exercise/s-02-003.html(参照 2023年7月8日)
<監修者プロフィール>
伊勢呂哲也
大宮エヴァグリーンクリニック院長・理事長。
名古屋大学医学部医学科卒業後、日本泌尿器科学会認定専門医を取得。泌尿器科・消化器科分野で研鑽を重ね、現在は大宮エヴァグリーンクリニック、東京泌尿器科クリニック上野、池袋消化器内科・泌尿器科クリニックなど5つのクリニックを経営。趣味は筋トレ。