「猫背を改善したい」「肩こり・腰痛を予防したい」という方は、背筋を鍛えてみてはいかがでしょうか。背中にある筋肉を強化することで、これらの悩みを解消できる可能性があります。
そこで今回は、背筋の種類や鍛えるメリット、鍛える際のポイントについて解説します。あわせて、おすすめのトレーニングもご紹介しているので、ぜひご参考にしてください。
背筋とは?主な3つの種類について知ろう
背筋とは、背中にある筋肉の総称です。背中を構成する筋肉には、主に「僧帽筋(そうぼうきん)」「広背筋(こうはいきん)」「脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)」の3つがあり、それぞれで特徴や役割は異なります。
僧帽筋 | 僧帽筋は、背中の表面に位置する首から肩・背中上部をつなぐ筋肉です。首や肩甲骨を動かす上で必須なほか、肩甲骨を安定・固定させる働きがあります。 |
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広背筋 | 広背筋は、背中の中央から脇下、そして腕へとつながる筋肉です。主に、引っ張る動作や開いた腕を閉じたり挙げたりする際に力を発揮します。 |
脊柱起立筋 | 脊柱起立筋は、頭蓋骨の下から背骨の両脇、そして骨盤へとつながる筋肉です。背筋の中でもっとも大きく、姿勢を維持する役割があります。 |
どのような効果がある?背筋を鍛えるメリット
では、僧帽筋や広背筋、脊柱起立筋などの背筋を鍛えることには、どのようなメリットがあるのでしょうか。以下で詳しく解説します。
1.基礎代謝が向上する
まず挙げられるのは「基礎代謝が向上する」というメリットです。
背筋を鍛えることは、いわば「筋肉を増やす(大きくする)」ということ。筋肉量と基礎代謝は密接な関係にあり、前者が増えるとそれに伴って後者も高まることがわかっています。※1 さらには、基礎代謝が向上すると「摂取カロリー<消費カロリー」を実現しやすくなるため、結果として脂肪を燃焼しやすくなります。※1※2
2.きれいな姿勢を維持できる
「きれいな姿勢を維持できる」という点も、背筋を鍛えることで得られるメリットです。
上述のとおり、脊柱起立筋をはじめとする背中の筋肉には、姿勢を維持する役割があります。そのため、もし背筋を鍛えず弱らせてしまうと、姿勢がどんどん崩れて猫背のようになってしまいます。これは言い換えると、背筋を鍛えて強くすればきれいな姿勢を保ちやすくなるということです。
3.肩こりや腰痛を防げる
このほか、背筋を鍛えるメリットには「肩こりや腰痛を防げる」という点もあります。
背筋が弱まり正しく機能しなくなると、肩や腰に大きな負荷がかかり、最悪の場合は身体の不調を引き起こしてしまいます。その点、背筋を鍛えれば僧帽筋や広背筋、脊柱起立筋などの筋肉を強化できるので、肩こりや腰痛を未然に防ぎやすくなるのです。
どのような効果がある?背筋を鍛えるメリット まとめ
- 背筋を鍛えることで筋肉量が増加し、基礎代謝が向上する
- 脊柱起立筋をはじめとする背中の筋肉を強化でき、きれいな姿勢を保ちやすくなる
- 背筋を鍛えて僧帽筋や広背筋、脊柱起立筋を強くすることで、肩こりや腰痛を防ぎやすくなる
背筋はほかの筋肉より鍛えづらい!その主な理由とは
背筋はほかの筋肉に比べて鍛えづらいといわれており、その理由には以下の2つが挙げられます。
筋肉の動きを確認しづらいから
自分の目で筋肉の動きを確かめながらトレーニングをすると、より効率的に鍛えたい筋肉にアプローチをすることができます。しかし、背筋の場合はその動きを直接確認することができません。そのため、効率的なトレーニングをなかなか行えず、それが原因で鍛えづらいといわれています。
トレーニング時に腕の筋肉を使っているから
背筋を鍛えることをメインとしたトレーニングでは、ローイング(オールでカヌーやボートを漕ぐような動作)を行うことがほとんどです。この場合、ただ単に漕ぐ動作をまねするだけだと上腕二頭筋ばかりが刺激され、なかなか背筋を鍛えられなくなってしまいます。この理由から、背筋はほかの筋肉より鍛えづらいと考えられているのです。
トレーニング前に要確認!背筋を鍛える際のポイント
背筋を鍛える際は、正しい「頻度」と「取り組み方」を前もって押さえておくことが大切です。
【鍛える頻度】週に2回がおすすめ
背筋を鍛える頻度は「週に2回」がベスト。※3※4 なぜなら、筋肉をスムーズに成長させるには「休息日」を設ける必要があるためです。※4 もし、背筋を早く鍛えようと毎日トレーニングを行うと、筋肉が十分に休息できず、満足な効果を得られなくなります。せっかくのトレーニングを無駄にしてしまわないためにも、週に2回のペースで鍛えるようにしましょう。
なお、もし「週2回のトレーニングだと筋肉痛が治らない」という場合は、2回のうち1回を低負荷なトレーニングにするのがおすすめです。筋トレの強度をコントロールすることで、無理のない範囲で背筋を鍛えることができます。
【取り組み方】トレーニングの前後にストレッチを行う
背筋に限らず、筋肉を鍛える際はその前後にストレッチを行うのがおすすめです。具体的には、トレーニング前は「緊張状態にある筋肉をほぐすストレッチ(動的ストレッチ)」、トレーニング後は「鍛えた筋肉をリラックスさせるストレッチ(静的ストレッチ)」を行うのが望ましいといえます。
背筋のストレッチのやり方については、以下の動画で詳しく解説しています。背筋が伸び自然とお腹に力が入るようになるとウエストが引き締まりやすくなるので、ぜひ実践してみてください。
なお、筋トレ前と筋トレ後、それぞれのタイミング別の「ストレッチを行うメリット・デメリット」については、以下の記事で詳しくご紹介しています。ぜひあわせてご覧ください。
筋トレ時のストレッチは効果的?タイミング別にメリット・デメリットをご紹介
トレーニング前に要確認!背筋を鍛える際のポイント まとめ
- 【鍛える頻度】鍛えた筋肉を十分に休ませてスムーズに成長を促すためにも、週2回がベスト
- 【取り組み方】トレーニング前に動的ストレッチ、トレーニング後に静的ストレッチを行う
実際に取り組んでみよう!背筋を鍛えるトレーニング3選
最後に、背筋を鍛えるトレーニングを3つご紹介します。ぜひご参考にしてください。
ベントオーバーローイング
ベントオーバーローイングは、背筋の中でも僧帽筋と広背筋、菱形筋にアプローチできるトレーニングです。きれいな姿勢を保ちやすくなるほか、肩こりの原因を解消する効果が期待できます。
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ラットプルダウン
ラットプルダウンは広背筋をはじめ、僧帽筋や菱形筋、大円筋・小円筋など、背中にあるさまざまな筋肉を鍛えられるトレーニングです。筋肉の増加が期待できるため、基礎代謝の向上が見込めます。
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ペットボトルを使ったトレーニング
手軽に背筋を鍛えたい場合は、ペットボトルを使ったトレーニングを行ってみましょう。必要な道具はペットボトルのみなので、自宅でも手間なく取り組めます。
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背筋を鍛えて身体の悩みを解消させよう
背筋を鍛えることは「基礎代謝の向上」や「きれいな姿勢の維持」「肩こり・腰痛の予防」につながります。そのため、もし猫背に悩んでいたり、頻繁に肩こり・腰痛を発症したりしているのであれば、今回ご紹介したポイント・トレーニングを踏まえた上で背筋を鍛えることをおすすめします。
なお、24/7Workout(24/7ワークアウト)では、トレーニング・栄養学に精通したトレーナーによるマンツーマンレッスンを行っています。今回ご紹介した背筋の鍛え方・ポイントも丁寧に指導しているので、「ひとりで鍛えるのは不安」という方はぜひ利用をご検討ください。
参照文献
※1 田中 喜代次,中田 由夫.減量しながら筋肉量および基礎代謝量を高めることは可能か?.https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspfsm/66/3/66_209/_pdf(参照 2021年12月1日)
※2 e-ヘルスネット.身体活動とエネルギー代謝.https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/exercise/s-02-003.html(参照 2021年12月1日)
※3 National Library of Medicine.Effects of Resistance Training Frequency on Measures of Muscle Hypertrophy: A Systematic Review and Meta-Analysis.https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27102172/(参照 2021年12月1日)
※4 e-ヘルスネット.レジスタンス運動.https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-058.html(参照 2021年12月1日)