筋トレ時のストレッチに対し、「いつ行うべき?」「筋トレの前後で何か変わる?」と疑問を抱いている方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、筋トレ前と筋トレ後、それぞれのタイミング別にストレッチを行うメリット・デメリットを解説します。あわせて、筋トレ時におすすめのストレッチを3つご紹介しているので、ぜひご参考にしてください。
まずは理解を深めよう!ストレッチの種類
ストレッチは、「動的ストレッチ」と「静的ストレッチ」の2つに大別できます。
動的ストレッチ
動的ストレッチとは、繰り返し関節を動かすことで、筋肉を縮めたり伸ばしたりするストレッチのことです。※1 身体がポカポカするためほどよくリラックスでき、その後のパフォーマンスが向上します。なお、動的ストレッチは運動前のウォーミングアップとして行われることがほとんどです。※1
静的ストレッチ
静的ストレッチとは、一定の方向に向かってゆっくりと筋肉を伸ばしたのち、その状態をしばらく維持するストレッチのことです。※1 具体的には、伸びた筋肉が縮もうとする「伸張反射」を抑制することで、筋肉に無駄な緊張や負荷を与えないようにします。※1 これにより、リラクゼーション効果やクールダウン効果が期待できます。※1
「筋トレ前」にストレッチ!そのメリット・デメリットとは
筋トレ時のストレッチによるメリット・デメリットは、ストレッチを行うタイミングによって異なります。では、筋トレ前にストレッチをした場合は、どのようなメリット・デメリットを得られるのでしょうか。以下で詳しく解説します。
【メリット】身体の可動域が広がる
まず挙げられるのは「身体の可動域が広がる」というメリットです。
ストレッチには、筋肉や関節を伸ばし柔軟性を高めるという目的があります。※1※2 そのため、筋トレ前にストレッチを行うと緊張状態にある筋肉がほどよく解れ、身体の可動域がグッと広がるのです。身体を動かせる範囲が広くなれば、その分筋トレによるパフォーマンスを高めやすくなります。
【メリット】怪我のリスクを軽減できる
このほか「怪我のリスクを軽減できる」というメリットもあります。
ストレッチをしないまま筋トレを行うと、身体に大きな負担がかかり怪我を引き起こす可能性があります。その点、筋トレ前にストレッチを行えば、それがウォーミングアップとなり運動に向けた身体を作り上げるため、怪我を防止しやすくなるのです。※1
【デメリット】筋トレの効果が低下する可能性がある
筋トレ前のストレッチには「筋トレの効果が低下する可能性がある」というデメリットがあります。
上述のとおり、ストレッチには筋肉や関節を伸ばし柔軟性を高めるという目的がありますが、それに伴い身体の力がスーッと抜けることも。※1※2 また、ストレッチによって身体の活動性を下げる「副交感神経」が優位となり、筋力が低下しやすくなります。※2
この状態で筋トレをしても、効率よく筋肉を刺激することはできないので、結果として満足な効果を得られなくなる可能性があるのです。
ただし、これらの作用は「静的ストレッチを行った場合」にとくに起こりやすいといわれています。そのため、筋トレ前に「動的ストレッチ」を行えば、このデメリットは回避しやすくなるでしょう。
「筋トレ前」にストレッチ!そのメリット・デメリットとは まとめ
- 【メリット】ストレッチをすることで緊張状態にある筋肉が解れ、身体の可動域が広がる
- 【メリット】ストレッチがウォーミングアップとなり、怪我をしづらくなる
- 【デメリット】副交感神経が優位となり筋力が低下し、効果が低下する可能性がある
「筋トレ後」にストレッチ!そのメリット・デメリットとは
筋トレ後にストレッチをした場合のメリット・デメリットは、以下のとおりです。
【メリット】筋トレによる疲れを取りやすくなる
第一に「筋トレによる疲れを取りやすくなる」というメリットが挙げられます。
ストレッチには、身体の疲労回復をサポートする効果があります。※1 そのため、筋トレ後に行うと疲弊した筋肉をリラックスさせやすくなり、結果として疲れを解消しやすくなるのです。「翌日にまで疲れを残したくない」「筋肉痛を防ぎたい」という場合は、筋トレ後のストレッチを欠かさず行いましょう。
【デメリット】筋肉を修復させづらくなる
筋トレ後のストレッチには「筋肉を修復させづらくなる」というデメリットがあります。
そもそも筋トレによる筋肥大は、筋線維の一部が破断したのち修復することで起こります。※3 しかし、筋トレ後に過度なストレッチを行うと筋線維が修復されず、さらに傷つく可能性があるのです。この場合、もちろん筋肥大を図ることは困難となってしまいます。
このデメリットを回避するには、ストレッチをほどほどに行うよう心掛けることが大切です。痛みを伴うほどのストレッチは行わないよう注意しましょう。
「筋トレ後」にストレッチ!そのメリット・デメリットとは まとめ
- 【メリット】疲弊した筋肉がリラックスし、筋トレによる疲れを取りやすくなる
- 【デメリット】破断した筋線維を修復させづらくなり、筋肥大が起こらない可能性がある
前後どっち?ストレッチを行う最適なタイミング
「筋トレ前と筋トレ後、どちらのタイミングでストレッチを行うべき?」と疑問を感じている方もいるかもしれませんが、その結論は人によって異なります。なぜなら、筋トレ前のストレッチと筋トレ後のストレッチ、それぞれにメリット・デメリットがあるためです。
どちらか一方が最適と一概にはいえないので、双方のメリット・デメリットを踏まえて自分に合ったタイミングを選ぶようにしましょう。
ぜひご参考に!筋トレ時におすすめのストレッチ3選
筋トレ時におすすめのストレッチには、以下の3つが挙げられます。
1.【筋トレ前】背筋のストレッチ
まずご紹介するのは、背筋のストレッチです。背中には複数の筋肉があるので、筋トレ前に伸ばして柔軟性を高めておきましょう。
2.【筋トレ後】お腹のストレッチ
筋トレ後は、お腹のストレッチを行うのがおすすめです。お腹まわりの筋肉をケアすることで、のちに起こり得る筋肉痛を軽減しやすくなります。
3.【筋トレ後】二の腕のストレッチ
筋トレ後におすすめのストレッチには、二の腕のストレッチも挙げられます。しっかり筋肉を伸ばすことで血行を良好な状態にでき、ひいてはコリを改善しやすくなります。
正しい方法で実施しよう!ストレッチする際の注意点
筋トレ時にストレッチをする際は、以下の5つの注意点を意識することが大切です。※4
- 20秒以上かけて筋肉や関節を伸ばす
- 伸ばす筋肉や関節を意識して取り組む
- 痛みを伴わない程度に筋肉や関節を伸ばす
- 緊張を和らげるため、深く呼吸することを意識する
- 目的に応じてストレッチする部位を適切に選ぶ
正しい方法で行わなければ、ストレッチによる効果を満足に得ることはできません。※4 そのため、上述した5つの注意点を踏まえて、無駄のないストレッチを行いましょう。
ストレッチを組み込んで効率よく筋トレしよう
筋トレ時のストレッチによるメリット・デメリットは、ストレッチを行うタイミングで変わってきます。そのため、筋トレ前と筋トレ後、それぞれのメリット・デメリットを踏まえて、自分に合ったタイミングでストレッチを行うのがおすすめです。
また、今回ご紹介した注意点を押さえることも忘れてはいけません。正しくストレッチを組み込んで、効率よく筋トレを行いましょう。
なお、24/7Workout(24/7ワークアウト)では、プロのトレーナーによるマンツーマンレッスンを受けられます。トレーナーはトレーニング・栄養学に精通しているので、たとえば今回ご紹介したストレッチの基礎知識・やり方についてもわかりやすく指導いたします。ぜひこの機会に、利用をご検討ください。
参照文献
※1 e-ヘルスネット.ストレッチング.https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-082.html(参照 2021年12月1日)
※2 e-ヘルスネット.ストレッチングの効果.https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/exercise/s-04-006.html(参照 2021年12月1日)
※3 e-ヘルスネット.筋力・筋持久力.https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-092.html(参照 2021年12月1日)
※4 e-ヘルスネット.ストレッチングの実際.https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/exercise/s-04-007.html(参照 2021年12月1日)