「在宅勤務中のおすすめのストレッチが知りたい」
「在宅勤務中の気分転換の方法について知りたい」
そのようなニーズにお答えします。
在宅勤務をしていると、体がなまっていくように感じませんか。
実際、在宅勤務は会社勤務に比べて消費カロリーが減る傾向にありますし、デスクワークの場合は座りっぱなしの姿勢が続くため、健康上のリスクが高まる可能性があります。
在宅勤務をしていて「運動不足になっているかも」「気分転換をしたい」と感じることがあれば、この記事でお伝えするストレッチを試してみてください。
まずは、在宅勤務は会社勤務に比べて消費カロリーが減るという点について改めてお伝えします。
在宅勤務では消費カロリーが大幅に減少する
通勤の距離や通勤手段、住んでいる地域や在宅勤務中の過ごし方などによって個人差はありますが、在宅勤務は会社勤務に比べて、消費カロリーが大幅に減ってしまう傾向にあります。
厳密な計算は難しいのですが、国土交通省が発表した「まちづくりにおける健康増進効果を把握するための 歩行量(歩数)調査のガイドライン」が一つの参考になります。
岐阜市・高石市のデータですと、外出する日と外出しない日とでは以下のように歩数が違います。
- 外出日:7,125歩
- 非外出日:1,936歩
外出する日は外出しない日に比べて、歩数が約3.6倍も異なります。言い換えれば、歩数の消費カロリーの差が約3.6倍も違うということです。
上記の例は外出日と非外出日の比較ですが、在宅勤務はこの非外出日と同様「通勤のために歩く」ことがないため、通勤時に比べて歩数が少なくなりがちです。
歩数が少なければその分の消費カロリーも減るため、在宅勤務は通勤時に比べて運動不足になりやすく、かつ太りやすくなる状況だと言えるかもしれません。
また、ただでさえ在宅勤務で動かない状況にプラスし、椅子に座っている時間が長くなる場合は、糖尿病や血栓、心疾患などの健康上のリスクも高まります。※1
かといって、これまで運動習慣がなかった場合、いきなり「運動しましょう」と言っても難しいかもしれません。
運動の第一歩として、この後ご紹介するストレッチを試してみてください。
その前に、在宅勤務中にストレッチをするメリットについて改めてお伝えします。
ストレッチにはこんなメリットがある!
自宅で簡単にできるストレッチをするだけでも運動不足解消につながります。
また在宅勤務で長時間同じ姿勢が続くと血行不良になる場合があり、血行不良が続くと肩こりや腰痛などの原因になる場合がありますが、合間にストレッチを行うことで血行不良対策にもなります。※2
さらにストレッチはリラックス効果も示唆されており、在宅勤務中の気分転換にもぴったりです。
在宅勤務中は運動不足になりやすく、また健康上のリスクも高まる可能性があるため、ぜひストレッチをする習慣をつけましょう。
続いて、在宅勤務中にできる簡単なストレッチを紹介します。
パーソナルトレーナー直伝自宅でできる簡単ストレッチの紹介
「首」「肩」「腰」「股関節」のストレッチを紹介します。どれも簡単で今すぐできるものなので、この記事を読みながら試してみてください。
まず、これらのストレッチを紹介する前に、ストレッチを行う際に意識する5つのポイントをお伝えします。
ストレッチを行う際に意識する5つのポイント
ストレッチを行う際のポイントとして、厚生労働省運営のe-ヘルスネットの「ストレッチングの実際」では以下の5つが紹介されています。
- 20秒以上かけて伸ばすこと
- 伸ばす部位をしっかりと意識すること
- 痛くなく気持ちよい程度に伸ばすこと
- 呼吸を止めずにストレッチすること
- 部位を適切に選択すること
これらを意識しないと、ストレッチの効果を実感できないだけでなく、体を痛めてしまう場合もあります。
これからストレッチを行う場合はしっかり意識していきましょう。
それでは一つずつお伝えします。
1.20秒以上かけて伸ばすこと
効果を実感するためにも、ストレッチをする部位は20秒以上かけて伸ばすようにしてください。
2.伸ばす部位をしっかりと意識すること
例えば腰を伸ばすストレッチをするのであれば、腰に意識を集中させましょう。
3.痛くなく気持ちよい程度に伸ばすこと
気持ちが良いと感じる程度に伸ばすようにしましょう。
痛みを感じる強さでストレッチをすると、筋肉が硬直したり、筋を痛めてしまう可能性があります。
4.呼吸を止めずにストレッチすること
ストレッチを行う場合は、血圧を上昇させないために呼吸を止めずに行いましょう。
またゆっくりと深い呼吸を行うことでストレス緩和効果も期待できます。※2
5.部位を適切に選択すること
全身をくまなくストレッチしようとすると時間がかかります。
仕事中に行う場合は、休憩中にひとつの部位のストレッチをしたら仕事に戻って、次の休憩では別の部位のストレッチをするというように、1度にストレッチする部位を選んで行いましょう。
以上のポイントを踏まえて、これからご紹介するストレッチを試してみてください。
在宅勤務中にできるおすすめストレッチ
「首」「肩」「腰」「股関節」のストレッチをそれぞれ紹介します。
在宅勤務での休憩中にこれらのストレッチを行ってみましょう。
それでは一つずつご説明します。
1.首のストレッチ
首を上下左右に傾けるストレッチです。
背筋を伸ばした状態で、それぞれ20秒以上やってみてください。
- 首をゆっくりと上げる
- 首をゆっくりと下げる
- 体はそのままで首を右方向に回す(体は正面のまま右を向くイメージ)
- 体はそのままで首を左方向に回す(体は正面のまま左を向くイメージ)
- 正面を向いたまま首を右に傾ける
- 正面を向いたまま首を左に傾ける
2.肩のストレッチ
肩のストレッチを2つ紹介します。
まずは肩を上下させるストレッチです。
- 両手を下げた状態で、肩をゆっくりと上に持ち上げる
- 同じく両手を下げた状態で、肩をゆっくりと下げる
次は、肩甲骨まわりのストレッチです。
- 両腕を肩の高さまで上げる
- 肘を上に90度曲げる
- その状態で、肩甲骨を寄せるイメージで腕をゆっくりと下げる
- 下げた後は、両腕を万歳のポーズにするようにゆっくりと上げる
3.腰のストレッチ
椅子に座った状態で試してみてください。
- 上体をゆっくりと前に倒す(机にぶつからないように注意)
- 両手を上げて、背もたれにもたれかかる感じで後ろに反らす
4.股関節のストレッチ
股関節のストレッチです。椅子に座って行ってください。
- 片足を反対の足のひざに乗せる
- そのまま体を前に傾けていく(胸を足に寄せるイメージ)
- 反対の足も動揺に行う
以上、在宅勤務中におすすめのストレッチをご紹介しました。
気分転換として、外に出てウォーキングをするのもおすすめです。運動不足解消にもつながるので、休憩時間や仕事終わりに休憩がてら外を歩いてみてはいかがでしょうか。
まとめ
在宅勤務は通勤に比べて「移動による歩行」がないため、1日の運動量が低くなりがちです。つまり、在宅勤務は運動不足になりやすく、太りやすい状況だと言っても過言ではありません。
また在宅勤務中に限らず、長時間同じ姿勢が続くと糖尿病や血栓、心疾患などの健康上のリスクも高まります。
仕事の合間でストレッチをしたり、ウォーキングをしたりして、運動不足解消を図っていきましょう。
仕事が行き詰ったときの気分転換にもなるため、ぜひ積極的に挑戦してみてください!
参照文献
※1 Alpa V Patel, Maret L Maliniak, Erika Rees-Punia, Charles E Matthews, Susan M Gapstur.Prolonged Leisure Time Spent Sitting in Relation to Cause-Specific Mortality in a Large US Cohort.https://academic.oup.com/aje/article/187/10/2151/5045572(参照 2020年6月12日).
※2 古賀 麻奈美, 長谷 麻由, 芳野 千尋, 籾井 佑都, 松本 彬, 田鍋 拓也, 有吉 雄司, 山本 浩由, 甲斐 悟, 高橋 精一郎.深呼吸によるストレス緩和効果.理学療法学Supplement.2010年.https://www.jstage.jst.go.jp/article/cjpt/2009/0/2009_0_H4P3260/_pdf/-char/ja(参照 2020年6月12日).