糖質制限ダイエットに興味があるものの、リバウンドしやすいのではないかと不安に思っていませんか。
糖質制限ダイエットは必ずしもリバウンドするものではなく、正しい方法で取り入れると効果的にダイエットできます。また、食事制限だけでなく適度なトレーニングや運動も取り入れるとより効果的です。
この記事では糖質制限ダイエットでリバウンドする原因や正しい食事方法、糖質制限ダイエットのポイントを解説するので、糖質制限ダイエットについて詳しく知りたい方、成功させたい方は参考にしてください。
糖質制限ダイエットはリバウンドしやすい?
糖質制限ダイエットとは、糖質を控えた食事で血糖値の上昇を抑え、脂肪を燃やしやすくするダイエット法です。
糖質制限ダイエットはリバウンドしやすいと聞くかもしれませんが、必ずしもリバウンドするわけではありません。「糖質を極端に減らす」「すぐに痩せようとする」ような、正しくない方法で糖質制限ダイエットを行うと、リバウンドにつながります。
まずは糖質制限ダイエットを知り、正しい方法で行うことが大切です。
糖質制限ダイエットでリバウンドする理由
糖質制限ダイエットでリバウンドする理由はさまざまです。主に以下に紹介する内容が、リバウンドの原因です。
- 元の食生活に急に戻したため
- 急激に痩せようとしたため
- ストレスの増加
- 糖質をまったく摂取しないため
詳しく解説するので、正しいダイエットの参考にしてください。
元の食生活に急に戻したため
ダイエット中は食生活に気を配って糖質制限していたものの、ダイエットに成功した途端に元の食生活へ戻すと、リバウンドの原因になります。実際にダイエット後にリバウンドしやすい人は、食事内容や量を我慢しない傾向にあると研究で分かっています。※1
短期間で行う極端なダイエットでは目に見えて減量するものの、無理な食事制限を伴うことが多く、ダイエット後の食生活とは大きな差が出ます。そのためダイエット後に元の食生活に戻すと、身体が糖質を吸収し脂肪がつきやすくなります。
急激に痩せようとしたため
短期間で急激に痩せようとして特定のものだけを食べる食生活は、必要な栄養素が摂れておらず、ダイエット後の身体を維持できません。
急激なダイエットでは食欲抑制ホルモンであるレプチンの分泌が急速に低下することにより食欲が増加します。食事制限でのダイエットは、期間がかかることを念頭に置いて、短期間で痩せようとせず、計画的に減量することが大切です。
ストレスの増加
食事制限を伴うダイエットでは我慢が必要になってストレスが増し、食事制限が続けにくくなる場合もあります。またストレスが溜まるとストレスホルモンのコルチゾールが分泌され、脂肪がつきやすくなるため、ストレスが溜まりにくいダイエット法を考えましょう。
ストレスを感じないようにするダイエットのポイントは以下のとおりです。
- 高すぎる目標を立てない
- ダイエット中でも休みの日を作る
- 自分を褒める、ご褒美を作る
- ダイエットが嫌になりストレスを感じる場合は、一旦中断して目標を再設定する
糖質をまったく摂取しないため
糖質は身体に必要な栄養素で、足りなくなると体内の脂肪だけでなく筋肉(タンパク質)をエネルギー源として使います。タンパク質がエネルギー源として使われると筋肉量が減り、基礎代謝が落ちるため、痩せにくくなります。
筋トレや運動のエネルギー源で必要な糖質ですが、制限しすぎると筋肉量が減るだけでなく、疲れやすさや低血糖を起こす場合もあります。
糖質制限ダイエットは、糖質をまったく摂取しないダイエットではなく、必要以上に糖質を摂りすぎないダイエットだと覚えておきましょう。
糖質制限ダイエットでリバウンドしないための食事方法
糖質制限では糖質のみを制限する場合が多いですが、そのほかの食事方法や内容まで気を付けると、リバウンドしにくく効果的なダイエットになります。
- 糖質も適度に摂取する
- 栄養バランスの整った食事を心がける
- 食事は野菜から食べる
それぞれ詳しく解説しているので、リバウンドしにくい食事方法の参考にしてください。
糖質も適度に摂取する
先述したように糖質は身体のエネルギー源で、適度に摂取する必要があります。さらに、糖質はエネルギー源として常に消費されているため、1日の食事でまんべんなく摂りたい栄養素です。
糖質は1日100g必要であり、100g以下にならないよう白米やパンの糖質もしっかり摂取しましょう。糖質を減らしすぎると、低血糖を起こす場合もあるため適量の摂取が重要です。
低血糖の症状は、軽度の場合では冷や汗や脈が速くなるものの、糖を補給すると比較的速やかに治ります。しかし、低血糖の状態が酷いとけいれんや意識障害が起きる可能性もあり、命に関わることもあるため注意が必要です。
栄養バランスの整った食事を心がける
正しいダイエットは、規則正しい食生活と運動です。食生活では、摂取カロリーが消費カロリーを上回らないよう意識してください。
カロリーばかりを意識するのではなく、栄養バランスを考えたうえで摂取カロリーも考慮することも重要です。その結果、カロリーが抑えられるでしょう。
また、糖質(炭水化物)を制限すると食物繊維の摂取も減るため便秘になる可能性があります。便秘の予防のためにも、野菜などの食物繊維をしっかり摂取することが大切です。野菜を食べる際のドレッシングも高カロリーにならないように注意してください。
ひとつの栄養素に偏った食事や暴飲暴食を避け、主食と主菜、副菜のバランスを整えた食生活を送りましょう。
食事は野菜から食べる
ベジファーストという食事の食べ方をご存知でしょうか。ベジファーストとは、言葉のとおり野菜を最初に食べる食事方法です。野菜から食べると食物繊維が血糖値の上昇を抑え、肥満や生活習慣病の予防にもつながります。
ベジファーストの取り入れ方は以下のとおりです。
- まずはゆっくりと、5分かけてサラダのような野菜を摂取する(ゆっくり摂取すると満腹中枢が働き、食事量が抑えられる)
- 野菜の後に、肉や魚のようなタンパク質を摂取する
- 最後に炭水化物(糖質)の、お米やパンを食べる
糖質制限ダイエットを行う際のポイント
糖質制限ダイエットは、先述した食事方法以外にもいくつかのポイントがあります。
- 食事制限だけでなく、運動も取り入れる
- なるべく外食を避ける
- 血糖値を急激に上げすぎない
- 生活習慣を整える
食事方法に加えて以下で紹介するポイントも取り入れ、健康的にダイエットを行ってください。
食事制限だけでなく、運動も取り入れる
ダイエットは食事制限だけでなく、運動も取り入れると効果的です。食事制限だけでダイエットすると脂肪だけでなく筋肉も減ります。筋肉量が減れば基礎代謝も減るため、筋肉量を維持するためにも、適度なトレーニングや運動を心がけましょう。
突然運動を取り入れるのは難しいと感じるかもしれませんが、まずはストレッチやウォーキングのような軽い運動から取り入れ、運動する習慣を身につけましょう。
時間がなく運動ができない場合は、「移動で階段を使う」「一駅前で降りて歩数を増やす」など意識するだけでも適度な運動になります。
なるべく外食を避ける
外食での食事は揚げもので脂質が多くなり、味も濃い傾向になることから、ダイエット中はなるべく外食を避けることが無難です。
しかし、いくつかのポイントを守ると、ダイエット中も外食を楽しめます。まずは食べる順番を意識しましょう。加えてアルコールやジュースの摂取は控え、食後に軽い運動を取り入れることがおすすめです。
外食する際は、どの栄養素をどれだけ食べているのかが分かりやすいように、主食とおかずが分かれている定食や単品メニューを選ぶのも良いでしょう。
血糖値を急激に上げすぎない
一般的に「太る」のは摂取カロリーが消費カロリーを上回る場合です。糖質の摂取で血糖値が上がると、血糖値を抑えるインスリンが分泌され、インスリンが糖質を脂肪に変換します。そのため、血糖値を上げすぎないことが、肥満を抑える方法のひとつです。
血糖値を急激に上げないための食品には、低GI食品があります。低GI食品は、血糖値の上昇が緩やかな食べもののことで、インスリン分泌も少ないため食べたものが脂肪になりにくい食品です。主な低GI食品は以下のとおりです。
- 主食:玄米やそば、全粒粉パン
- 野菜:レタスやきのこ、大根、ブロッコリー
- そのほか:ナッツや乳製品、りんご、いちご
生活習慣を整える
効果的なダイエットのためには、良質な睡眠が必要です。睡眠時間が短く、睡眠の質が悪いと食欲を増すホルモンが分泌され、多く食べてしまいます。食欲を増すホルモンは太りやすい甘いものや炭水化物を欲してしまうことから、より太りやすくなるため注意が必要です。
また、食事の時間が23時以降のような遅い時間になると、肥満になる人の割合が増えます。※2食事時間が遅いと、自然に寝る時間も遅くなることから生活習慣も乱れていきます。
寝ている時間は食べ物を摂取することがありませんが、心臓や肺が動いているだけでもカロリーを消費します。そのため、睡眠をボーナスタイムと考え、しっかりと睡眠時間を確保することが大切です。
糖質制限ダイエットは適度な運動も取り入れ、リバウンドを防ごう
糖質制限ダイエットは必ずしもリバウンドするわけではありませんが、正しい方法で行わないとリバウンドしやすくなります。成功させるためには、適度に糖質を摂れる栄養バランスが整った食事にし、野菜から食べるように意識しましょう。
また食事だけでなくトレーニングや運動も取り入れ、生活習慣も整えると、効果的なダイエットにつながります。
糖質制限をしながら、効果的なトレーニングを取り入れたい場合は、24/7Workoutでのパーソナルトレーニングを検討してはいかがでしょうか。
24/7Workoutでは一人ひとりに合ったトレーニングができ、食事面の相談もできるため、足りない栄養素や改善したほうが良い生活習慣も分かります。一人ではダイエットが続かない場合も、トレーナーがいるからこそ、続けやすくなるでしょう。
参照文献
※1 山口 節子. 減量した肥満女性におけるリバウンドの原因と電話・ニューズレターによる介入効果. 栄養学雑誌Vol.65.2007年. https://www.jstage.jst.go.jp/article/eiyogakuzashi1941/65/1/65_1_21/_pdf(参照 2023年9月9日)
※2 小澤 啓子,鈴木 亜紀子,髙泉 佳苗,岩部 万衣子,松木 宏美,赤松 利恵,岸田 恵津. 夜遅い食事と肥満との関連:英文文献を用いたシステマティックレビュー.2016年. https://www.jstage.jst.go.jp/article/kenkokyoiku/24/4/24_205/_pdf(参照 2023年9月9日)
<監修者プロフィール>
金沢一平
かなざわ内科糖尿病・骨粗しょう症クリニック院長、健康寿命クリエーター。糖尿病などの5学会の専門医資格、経営学修士MBAを持つ内科医師。メディアにも多数出演、全国で講演活動も行っている。病気の診療のみでなくフィットネス指導も行い、自らもウルトラランナー、トライアスリートとしてトレーニングを実践している。代表著書:30代~50代のための太生きのすすめ。