身体のさまざまな部位のなかでも、気になりやすいのがお腹の脂肪です。いつの間にか下っ腹が出てしまい、悩んでいる方は少なくありません。
下っ腹痩せをするためには、原因を把握したうえで運動やトレーニングを行うことが大切です。また、普段口にしている食事にも気を配る必要があります。
この記事では、下っ腹が出る原因やダイエットに効果的な運動、食事を摂るポイントを解説します。「下っ腹はどうすれば痩せるのか」と疑問を抱いている方は、ぜひ参考にしてください。
下っ腹が出る原因とは
下っ腹が出る原因には、主に次の3つがあります。
- 脂肪の蓄積
- お腹周りの筋肉の低下
- お腹の冷え
以下でそれぞれの原因の詳しい内容を紹介します。
脂肪の蓄積
下っ腹が出る原因として考えやすいのが、内臓脂肪の蓄積です。とくにぽっこりとお腹が出ている場合は、内臓脂肪型肥満である可能性が考えられます。
内臓脂肪型肥満とは、肝臓、胃、腸など、内臓の周りに脂肪が溜まっているタイプの肥満を指します。※1下半身に比べて、お腹周りが大きくなっているのが内臓脂肪型肥満の特徴です。
内臓脂肪型肥満の主な原因は、食べすぎです。見た目に影響があるだけでなく、高血圧や糖尿病などの生活習慣病や、さまざまな病気のリスクを高める原因にもなるため注意が必要です※1。
お腹周りの筋肉の低下
お腹周りの筋肉が低下すると内臓が下方にずれ、その結果お腹が出ることがあります※2。運動不足や姿勢の悪さもお腹周りの筋肉が低下する原因になるので気をつけてください。
お腹の冷え
下っ腹が出る原因としては、血行不良によって引き起こされるお腹の冷えも考えられます。
血行不良を引き起こすと下っ腹の水分が滞り、むくみによって冷えてしまいます。お腹が冷えると内臓は臓器を守るために脂肪を溜め込み、その結果として下っ腹が出る場合があります※3
下っ腹のダイエットに効果的な運動やトレーニング
ここからは、下っ腹を引き締めるのにおすすめの運動やトレーニングの種類を紹介します。初心者の方も実践しやすいメニューや、自宅でも行えるメニューをピックアップしたので、ぜひ参考にしてください。
有酸素運動
内臓脂肪による下っ腹には、有酸素運動が効果的です。
有酸素運動とは筋肉に負荷をかけすぎず、長時間行える運動のことを指します。代表的な有酸素運動の種類は次のとおりです。
- ウォーキング
- ジョギング
- サイクリング
- エアロビクス
- 水泳
- ダンス
内臓脂肪の減少を目的に有酸素運動を行う場合は、運動の強度よりも時間の長さを重視することがポイントです。30分以上無理なく続けられるメニューを選ぶと良いでしょう。運動に慣れるまでは10分程度からはじめ、少しずつ時間を増やしていくと無理なく続けられます。
ドローイン
ドローインは、お腹を凹ませることでお腹周りの筋肉を鍛えるトレーニングです。お腹周りの筋力アップだけでなく、姿勢や血行の改善にも期待できます。
ドローインを行う手順は下記のとおりです。
- 膝を立て仰向けに寝る
- お腹の上、背中の下にそれぞれ手を添える
- 鼻から息を吸いながら、お腹を膨らます
- 口からゆっくりと息を吐きながらお腹を凹ませる
ドローインは、お腹を凹ませた状態を10~30秒間キープするのがポイントです。また、呼吸はできるだけ長い時間をかけて行いましょう。
レッグレイズ
レッグレイズは両足を重りにすることで負荷をかけ、腹筋を鍛えていくトレーニングです。レッグレイズを行う手順は下記のとおりです。
- 仰向けの姿勢をとり、手の平を床につける
- 両足をきっちり揃え、天井に向かって上げる
- 両足を床にゆっくり下ろす
両足を下ろすときは、床につかないギリギリのところまで下ろすのがポイントです。
また、レッグレイズを行う際は、腰が反らないように気をつけてください。腰が反ると腹筋が収縮できないほか、怪我のリスクが高まります。
バイシクルクランチ
バイシクルクランチは、自転車を漕ぐような動きが特徴のトレーニングです。お腹周りを引き締めるだけでなく、姿勢の改善や腰痛予防の効果にも期待できます。
バイシクルクランチを行う手順は下記のとおりです。
- 仰向けの姿勢をとり、ふくらはぎが地面と平行になるように膝を上げる
- 頭の後ろに両手を当て、軽く上半身を起こす
- 右の足を伸ばしながら左の足を胸にひきつけ、上半身をひねって右肘と左膝をひきつける
- 反対側も同じように行う
実践する際は、決めた回数を行うまで足を床につけないように意識してください。足をつけずに行うことで、より高い筋トレ効果が期待できます。
下っ腹のダイエットに効果的な食事のポイント
痩せるためには普段口にする食事の内容を意識することも大切です。ここからは、正しいダイエットをしている方が食事を摂るうえでどのようなポイントを意識するべきか、詳しい内容を解説します。
糖質を摂りすぎない
食事をするときは、糖質を摂りすぎないようにしましょう。
糖質は身体を動かすためのエネルギー源になるものの、摂りすぎると脂肪がつきやすい体質になってしまいます。重要なのは、採るタイミングです。摂取が運動前であれば、摂取した糖質は消費され、脂肪として蓄積されづらいです。
過剰に摂取した糖は疲労感を引き起こすことがあります。余分な糖とタンパク質は体内で「AGEs(老化原因物質)」を生みだすため、疲れをためこみやすくなります。また「AGEs(老化原因物質)」は、お肌のシミやシワ、くすみやたるみの原因にもなります。
食物繊維が多い食べ物を積極的に取り入れる
食物繊維は胃に入ると水分を吸収し、膨らむ性質を持っています。そのため、食物繊維が多い食べ物を取り入れると満腹感を得やすく、食べすぎを防ぐ効果が期待できます。
とくに下記の食べ物は食物繊維が多いです。毎日の食事のメニューに積極的に取り入れると良いでしょう。
- 野菜類
- こんにゃく
- 海藻類
- 穀物
- 果物
生のまま食べるだけなく、蒸す・茹でる・炒めるなど調理に工夫をすることで、食物繊維をたくさん摂ることができます。
乳酸菌を積極的に摂取する
乳酸菌は、善玉菌とも呼ばれ、腸内を弱酸性に保ち腸内環境を整えます。多くの悪玉菌は、アルカリ性のため、腸内環境を弱酸性に保つことで悪玉菌の増殖は抑制されます。
また乳酸菌は脂質の吸収を抑える働きがあり、体脂肪・内臓脂肪の増減にも関与します。乳酸菌は体質から「痩せ体質」に改善できるという可能性を秘めています。
残念なことに乳酸菌は、腸内で消耗されると再生されることはないため、継続して摂取を続けることが必要です。
下っ腹痩せを目指すなら効果的な運動や適切な食事を心がけよう
下っ腹のダイエットには、有酸素運動とお腹周りのトレーニング、そして適切な食事が効果的です。途中で挫折しないよう、まずは無理なく実践できるメニューから取り組みましょう。
また、長期的なダイエットが続くか心配なら、パーソナルジムに通ってみるのもひとつの方法です。運動や食事面に関してプロからの指導を受けることで、より早い段階でダイエットの効果を実感できる可能性があります。
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参照文献
※1 独立行政法人国立病院機構 京都医療センター.メタボリック外来. https://kyoto.hosp.go.jp/html/guide/medicalinfo/metabolic/main.html(参照 2023年9月07日)
※2 横山医院.ぽっこりお腹による腰痛の特徴や改善のためのトレーニング法. https://clinic-yokoyama.com/blog/2963-2/(参照 2023年9月07日)
※3 シンシアガーデンクリニック. 40代,50代の悩み「ポッコリ下腹」の原因とは!【群馬県高崎市・太田市の美容ダイエット】. https://www.sincere-gc.com/beauty-column/column83/(参照 2023年9月07日)
※4 Science Portal.朝食を抜くと体重が増えるのに筋肉量は減少 名大グループ、マウスで解明 2022.04.22. https://scienceportal.jst.go.jp/newsflash/20220422_n01/(参照 2023年9月07日)
<監修者プロフィール>
田中詩織
筋肉・美容クリニック 院長、医療法人社団慶絢会 理事長。
所属学会は日本再生医療学会、日本内科学会、日本肥満症学会、日本医師会認定産業医。
幼少期をシンガポール・ロンドンと海外で過ごし、日本に帰国後 主婦を経て総合内科の医師となる。2020年に予防医学「筋肉×再生×健康」を軸に麻布十番にクリニックを開設。痩身とアンチエイジングを行う総合美容エキスパート。