ご自身の体脂肪率や適正体脂肪率はどのくらいなのかが、気になっている女性は多いでしょう。
さまざまな方法で体脂肪を落とせますが、体脂肪を効率良く落とすにはご自身にあった方法を見つけることが重要です。ただし、間違ったやり方で行うと逆効果になる可能性もあるため、注意するべきポイントもあります。
この記事では、気になる女性の適正体脂肪率や女性にぴったりな体脂肪の落とし方を注意点とあわせて解説します。
女性の適正体脂肪率は?
理想とされる女性の体脂肪率は19〜28%です。※1 この適正体脂肪率の基準値より体脂肪率が低い場合は痩せ型、多い場合は肥満型に分類されます。
ただし、体脂肪が基準よりも多ければ見た目が太っているというわけではありません。一見細くても体脂肪率が基準値より高くなっていたり、筋肉によりがっしり見えたりする場合もあります。
女性の体脂肪率が低い・高い場合のリスク
女性の体脂肪率は、低すぎても高すぎてもさまざまなリスクがあります。ここでは、女性の体脂肪率が低い場合と高い場合、それぞれのリスクについて解説します。
体脂肪率が低すぎる女性のリスク
体脂肪率が基準より低すぎる女性は、生理不順や無月経など生理に関する病気になるリスクがあります。
また、BMIが低く痩せ型に分類されても、バランスの良い食事を取らずに菓子類などを食べていると、栄養失調になりさまざまな疾患を引き起こすリスクがあります。
体脂肪率が高すぎる女性のリスク
体脂肪率が基準より高い女性は、多嚢胞性卵巣症候群や卵巣の高年齢化など不妊症に関するリスクが高まる可能性があります。
肉類や揚げ物、スナック菓子など、脂質や糖質の多い食事を摂っている場合は、生活習慣病のリスクもあるので注意が必要です。
体脂肪率の算出方法
体脂肪率は、市販されている体脂肪計や体組成計で手軽に計測できます。体重計と一体になっているものも多く販売されているので、体脂肪率を定期的に知りたい方は手元にあると便利です。
体脂肪率は、微弱な電流を体に流して、電流の流れにくさから体脂肪の量を測定する「生体インピーダンス法」という測定方法で計測します。※2
インピーダンス法は、体の水分量も大きく影響するため、体脂肪率を測る前は飲食や入浴、運動を避けた状態で測りましょう。
また、ジムには体脂肪計よりも詳細な数値が測定できる体組成計があります。体組成計なら、体脂肪率だけでなく、脂肪量やBMI、体の脂肪以外の重さである徐脂肪量、筋肉量などが測定でき、データから見た体型判定も可能です。
女性にぴったりな体脂肪率の減らし方
女性が体脂肪率を減らすための大きなポイントは、生活習慣とトレーニングの2つです。ここでは、体脂肪率が高めで気になっている女性向けの体脂肪率の減らし方を紹介します。
十分に睡眠をとる
十分に睡眠をとることは体脂肪率を減らしやすい体をつくります。睡眠中に分泌される成長ホルモンは、筋肉をつくり、体脂肪を燃焼させる効果があるといわれているためです。
また、睡眠時間が短くなると、「レプチン」と呼ばれる食欲を抑制するホルモンの分泌が低下し、逆に「グレリン」と呼ばれる食欲増進ホルモンの分泌が進みます。そのため、睡眠不足に陥ると食欲を調整するホルモンバランスの乱れにつながります。
食欲調整ホルモンの乱れにより食欲が増進すると、体脂肪の増加につながるため、十分な睡眠をとりましょう。
筋肉量を増やす
筋肉量を増やすと基礎代謝も上昇するため、体脂肪率が減りやすくなります。基礎代謝のうち50%前後が筋肉の細胞で使用されるといわれているため、筋肉量を増加させると体脂肪率を効率良く減らせます。
継続的にトレーニングを行い、筋肉量を増やしましょう。
有酸素運動で体脂肪を燃やす
ウォーキングやジョギング、水泳、踏み台昇降などの有酸素運動には体脂肪を燃やす効果があります。
有酸素運動をすると最初に糖が消費され、その後、体脂肪がエネルギー源として使われます。有酸素運動は、開始20分後程度から効率よく体脂肪が燃えるとされているので、20分を目標にしましょう。
ただし、有酸素運動はやり過ぎると筋肉も分解されやすくなるとされているので、1時間以内を目安に行ってください。
また、有酸素運動で体脂肪率を減らす場合は、激しくなりすぎない運動に留めるのがポイントです。息切れするほど激しい運動や逆に楽すぎる運動は、体脂肪を燃やす効果を得にくいとされています。早歩きや階段の上り下りなど、少しキツイと感じるけど息切れするほどではない運動を心がけましょう。
アンダーカロリーにする
「アンダーカロリー」とは、1日の摂取カロリーを消費カロリーより少なくすることを指します。摂取したカロリーが消費カロリーより少なければ、体脂肪がエネルギーとして消費されるので、必然的に体脂肪の減少につながります。
アンダーカロリーにするには、1日の消費カロリーを知るのが大切です。私たちの1日の消費カロリーは、基礎代謝+活動代謝+食事誘発性熱産生の3つで成り立っています。
基礎代謝は生命を維持するために必要不可欠なエネルギーで、体組成計で計測することも可能です。
活動代謝とは、運動や日常で体を動かすときに消費されるエネルギーです。デスクワークなどであまり体を動かさない方は活動代謝が低くなる傾向があります。
食事誘発性熱産生は、食事をしたときに起こるエネルギー消費です。この3つのエネルギー消費によって、1日の消費カロリーが決まります。
アンダーカロリーを実現するためにも、ご自身の基礎代謝を算出して、食事内容を見直すことが重要です。スマホアプリなどで摂取カロリーを算出して、アンダーカロリーになるように食事内容を調整しましょう。
ジムでトレーニングをする
ジムに通って専門的なトレーニングを教えてもらうことも、体脂肪率を下げる一つの方法です。ジムでは、有酸素運動や無酸素運動など、さまざまなトレーニングの中から目的にあった筋トレを行えます。
また、専属トレーナーがいるパーソナルジムなら、一人ひとりにあった体脂肪率の減らし方やより効率的なトレーニング方法、食事についてもアドバイスを受けられます。プロと相談して目標へ向かって頑張れるので、トレーニングも続けやすくなるでしょう。
女性が体脂肪率を減らす際の注意点
ダイエットやボディメイクは、やり方を間違えると効果が出にくくなる可能性があります。以下で、女性が体脂肪率を減らす際に注意してほしいポイントを解説します。
体脂肪率を一気に落とそうとしない
激しいトレーニングや過度な運動で、一気に体脂肪率を下げようとすると、疲れやすくなるうえに、リバウンドしやすい状態になります。
とくに、有酸素運動を過剰に行うと筋肉が分解されて、基礎代謝が減少します。激しいトレーニングや過度な運動は続けることも難しいので、適度なメニューと運動量に留めましょう。
また、体脂肪を落とすことを意識し過ぎると、摂食障害や栄養不足に関する病気につながる可能性もあります。運動も食事も無理をせずに、徐々に体脂肪が落ちるように継続しましょう。※3
過度な食事制限をしない
過度な食事制限は、体に必要な栄養素が不足して体調不良の原因になったり、リバウンドしやすくなったりするリスクがあります。
極端な食事制限で糖質やタンパク質が不足すると、足りない栄養を補うために筋肉が分解されます。筋肉量の低下は基礎代謝の低下を招くため、消費エネルギーが減少し、痩せてもリバウンドしやすい状態になってしまいます。
また、栄養不足に陥ると、免疫力の低下やほかの病気を招く場合もあります。健康的に体脂肪率を下げるためには、栄養バランスの良い食事を心がけましょう。
体脂肪率を減らして健康的で美しい女性を目指そう
女性の体脂肪率の基準値は、19〜28%です。体脂肪率が基準値より低い場合は瘦せ型、高い場合は肥満型に分類されます。
体脂肪率が基準値の範囲を超えている場合、生理不順や不妊症などのリスクや生活習慣病のリスクがあるため、基準値内になるように体脂肪率を調整することが重要です。
体脂肪率を適正値にするためには、生活習慣と運動の観点からダイエットなどを行うことが重要です。十分な睡眠をとり、筋肉をつけて基礎代謝を上げながらアンダーカロリーになるように調整してください。
また、ご自身にあった食事制限とトレーニングを行う場合は、プロから適切なアドバイスを受けられるジムに通うことがおすすめです。
パーソナルジムの24/7Workoutなら、一人ひとりにあった筋トレメニューや食事指導を行なっています。さらに専属トレーナーもつくので、トレーニングがなかなか続かない方も続けやすくなります。
24/7Workoutで体脂肪率を減らして、健康的で美しいボディを手に入れましょう。
参照文献
※1 働く女性の心とからだの応援サイト.体型について。やせすぎ、太り過ぎのリスクと対策.
https://www.bosei-navi.mhlw.go.jp/health/column-9.html (参照 2023年7月4日)
※2 e-ヘルスネット. 体脂肪計
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/metabolic/ym-091.html(参照 2023年7月4日)
※3 e-ヘルスネット.若い女性の「やせ」や無理なダイエットが引き起こす栄養問題
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-02-006.html (参照 2023年7月4日)
<監修者プロフィール>
大西良佳
医学博士、麻酔科医、上級睡眠健康指導士、セルフケアアドバイザー。
北海道大学卒業後、救急・在宅医療・麻酔・緩和ケア・米国留学・公衆衛生大学院など幅広い経験からメディア監修、執筆、講演などの情報発信を行う。
現在はウェルビーイングな社会の実現に向けて合同会社ウェルビーイング経営を起業し、睡眠・運動・心理・食に関するセルフケアや女性のキャリアに関する講演や医療監修も行っている。