ダイエット中に食事制限を続けていると、「たまには好きなものを食べたい」と思うこともあるでしょう。そんな方におすすめなのが、「チートデイ」です。実は、正しく取り入れたチートデイは、ダイエットの効果をより高めることができます。ただし、効果を最大限に引き出すためには、食事内容や実施頻度など、いくつかのポイントに注意が必要です。本記事では、チートデイの基本のやり方やメリット、気をつけるべきポイントなどを解説しますので、ぜひ参考にしてください。
チートデイとは
チートデイとは、カロリー制限中や糖質制限中に、我慢しているカロリーや糖質の摂取を気にせず、自由に食べる日を設ける方法です。ダイエット中は、カロリーをカットしすぎると体が「省エネモード」に入り、体内のホメオスタシスが働いて消費カロリーが減少し、体重減少が停滞する原因となります。特に、筋肉量が減少すると、基礎代謝が低下してさらに減量が難しくなります。
これを避けるためにチートデイを計画的に設定することで、ダイエットの停滞期を突破する効果が期待できるのです。ダイエット中は制限する方も多い食材や食品を積極的に食べることで、脳に「飢餓状態から脱出した」と錯覚させ、消費カロリーを元に戻そうとする仕組みを活用します。
チートデイの3つのメリット
チートデイを行うメリットは次の3つです。
- 効率的に痩せられる可能性がある
- ストレス解消につながる
- 満遍なく栄養補給できる
チートデイに正しく取り組めば、上記のメリットを得られる可能性があります。正しいやり方は後ほど解説しますが、まずはチートデイのメリットを押さえておきましょう。
効率的に痩せられる可能性がある
先述したように、食事制限ダイエットをしていると、少ないエネルギーで活動するために消費カロリーが下がり、痩せにくい体になります。定期的にチートデイを取り入れることで消費カロリーが上昇し、代謝が良く痩せやすい体をキープできる効果が期待できます。
ストレス解消につながる
ダイエットを成功させるコツは、ストレスを溜めないことです。好きなものを食べられない状態が長期間続くと、ストレスによりダイエットのモチベーションが低下し、暴飲暴食を繰り返しかねません。暴飲暴食をすると体重が増えるため、これまでの頑張りが無駄になる可能性も十分に考えられるでしょう。
また、ストレスは「コルチゾール」というホルモンを分泌させます。コルチゾールには、成長ホルモンの働きや基礎代謝を低下させたり、インスリンの分泌量を増加させたりする働きがあります。いずれも、ダイエットの足枷となる作用です。定期的にチートデイを取り入れ、好きなものをたくさん食べることでストレスが発散され、モチベーションや基礎代謝の低下などを防げるでしょう。
満遍なく栄養補給できる
食事制限中は、摂取する栄養素が偏りがちです。例えば糖質制限では、ほとんど「脂質」「タンパク質」からしか栄養を補給しません。偏った食事は、腸内環境を整える食物繊維や、代謝に必要なビタミンなどが不足する可能性があります。ダイエット中は、栄養が偏らないよう意識することが大切です。チートデイで糖質を摂取し、栄養素を満遍なく補給すると良いでしょう。
チートデイの摂取カロリーの目安は?
チートデイを効果的に活用するためには、適切な摂取カロリーの設定が重要です。無計画に食べ過ぎてしまうと、ダイエットの進行に悪影響を及ぼす可能性があるため、正しい目安を知っておくことが大切です。ここでは、チートデイにおける摂取カロリーの計算方法や基礎代謝に基づいたカロリーの目安について解説します。
チートデイの摂取カロリーは、基礎代謝量を基準にして計算するのが一般的です。基礎代謝量とは、体が生きていくために最低限必要とされるエネルギーの量を指します。チートデイにおいては、基礎代謝量の約3倍のカロリーを摂取するのが目安とされています。
具体的な基礎代謝量は、以下のハリス・ベネディクト方程式で計算可能です。
男性 : 13.397 × 体重 (kg) + 4.799 × 身長 (cm) − 5.677 × 年齢 + 88.362
女性 : 9.247 × 体重 (kg) + 3.098 × 身長 (cm) − 4.33 × 年齢 + 447.593
計算が難しいと感じる方は、カシオの「基礎代謝量 – 高精度計算サイト」を利用すると便利です。こちらのサイトでは、簡単に基礎代謝量を算出できますので、参考にしてみてください。
参考:カシオ「基礎代謝量 – 高精度計算サイト」
URL:https://keisan.casio.jp/exec/system/1161228736
基礎代謝量は体型や年齢により異なりますが、目安として以下の基礎代謝量を参考にすると良いでしょう。これらの数値を参考に、チートデイの摂取カロリーを計画的に設定することで、ダイエットの停滞期を上手に乗り越えられるようになります。チートデイを効果的に活用し、健康的なダイエットを継続していきましょう。
<年齢層ごとの基礎代謝の目安表>
| 男性 | 女性 |
18-29歳 | 1,520kcal | 1,110kcal |
30-49歳 | 1,530kcal | 1,150kcal |
50-69歳 | 1,400kcal | 1,100kcal |
70歳以上 | 1,290kcal | 1,020kcal |
出典:厚生労働省e-ヘルスネット「加齢とエネルギー代謝」
URL:https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/exercise/s-02-004.html
チートデイの正しいやり方
チートデイを効果的に取り入れることで、ダイエットの停滞期を乗り越えやすくなります。しかし、チートデイはただ好きなものを食べるだけではなく、正しいやり方で行うことが重要です。ここでは、チートデイの適切な頻度やタイミング、そしておすすめの食べ物について解説します。
チートデイの頻度
チートデイの頻度は、1週間に1回がもっとも効果的といわれています。週に2回以上チートデイを設けると、カロリーオーバーや過食の原因となる可能性が高くなり、逆効果になりかねません。計画的に実践し、頻度をむやみに増やさないよう注意しましょう。
チートデイを取り入れるタイミング
チートデイを効果的に取り入れるタイミングは、次の2つです。
体重が停滞しているとき
食事制限やトレーニングを続けているのに、体重が2週間ほど変動しない場合は、体が省エネモードに入っている可能性があります。これは、低燃費モードにより基礎代謝が低下し、カロリー消費が減少するためです。体重の停滞が続くと、モチベーション維持が難しくなることもありますので、停滞期を感じたらチートデイを取り入れてみましょう。
基礎代謝が下がっているとき
基礎代謝の低下を判断するポイントの一つは体温です。体温が1度低下すると、基礎代謝は約12%〜13%も下がるといわれています。例えば、基礎代謝が1,500kcalの人が体温低下により1,320kcal~1,305kcalまで基礎代謝が低下することがあります。このような状況では、体内のエネルギーが不足し、ダイエットが停滞する原因となりかねません。チートデイで十分なカロリーを摂取することで、基礎代謝を正常な状態に戻しやすくなるでしょう。
チートデイでおすすめの食べ物
チートデイは、ストレスを解消しつつ代謝を回復させるための1つの方法です。基本的には自分の好きなものを楽しんで食べることをおすすめしますが、胃腸の負担を軽減するためにもドカ食いは避けましょう。適度にバランスの良い食事を心掛けることも大切です。特に炭水化物の摂取は重要で、体内のレプチンを補うことができるため、停滞期に減少しがちな代謝アップに役立ちます。チートデイにおすすめの食べ物は、以下の通りです。
ご飯やパン、麺類
チートデイでは、普段控えているご飯やパン、麺類などの炭水化物を積極的に摂りましょう。パン類については、ライ麦パンやフランスパン、ベーグルなど、食物繊維が豊富で低カロリーな種類がおすすめです。せっかくのチートデイのため食べたいパンを楽しむのも良いですが、菓子パンは高カロリーかつ腹持ちが悪いため、食べ過ぎに注意しましょう。
カレーライス
カレーライスもチートデイにおすすめの食べ物です。カレーには炭水化物、食物繊維、ビタミンなどが含まれ、スパイスが腸内環境を整え、新陳代謝を高めてくれます。辛味成分「カプサイシン」には体脂肪の燃焼を促す効果があるため、辛口に仕上げるとより効果的です。
ステーキや焼き肉
タンパク質の補給には、ステーキや焼き肉がおすすめです。ただし、脂質の摂取を抑えるために、間にサラダや焼き野菜を挟んで食物繊維やビタミン、ミネラルを取り入れると良いでしょう。
和菓子や果物
甘いものが欲しい場合は、洋菓子などのスイーツよりも脂質が少ない和菓子や、ビタミンを多く含む果物を選ぶと良いでしょう。これにより、余分な脂肪を摂りすぎずに満足感を得られます。
これらの食べ物を取り入れることで、チートデイを楽しみつつ、ダイエット成功に導くための栄養バランスを保つことができます。
チートデイの3つの注意点
チートデイの注意点は次の3つです。
- ご褒美にチートデイを設けない
- 体重が増えても悔やまない
- アルコールの摂取は避ける
効果的にダイエットするためにも、注意点を押さえておきましょう。
ご褒美にチートデイを設けない
チートデイはストレス発散の目的もありますが、あくまでダイエットを促進するために行いましょう。「今日は仕事を頑張ったから」などと、無計画にチートデイを設けると予期せず体重が増えてしまう可能性があります。しかし、ダイエット目的だけで食事制限を続けるのは難しいのも現実です。「来週のチートデイまで頑張る」など、適切なチートデイ目標を立ててダイエットに取り組むことで、ダイエットのモチベーションを保ちましょう。
体重が増えても悔やまない
チートデイの翌日は基本的に体重が増えますが「太ってしまった」などと悔やまないことが大切です。体重が増えたことを悔やみ続けると、ダイエットへのモチベーションが下がる場合もあります。モチベーションがなくなることで以前の食事量に戻してしまい、これまでの頑張りが水の泡となる可能性もあります。そのため、チートデイは体重が増えるものと割り切ることが大切です。
アルコールの摂取は避ける
アルコールの摂取は、筋力の低下や運動のパフォーマンスを悪くする可能性があります。しかし、場合によってはアルコールと食事を並行して制限するのは難しい場合もあるかもしれません。どうしてもお酒が飲みたい場合は、少量に抑えましょう。
チートデイについてよくある質問
ここでは、チートデイに関するよくある質問を解説し、チートデイがどのようにダイエットに影響するのか、またその取り入れ方について具体的に説明します。
チートデイは太るだけって本当?
チートデイによって太るかどうかは、やり方次第となります。適切にチートデイを取り入れると、ダイエット中のストレスを軽減できる上、モチベーションを維持できるでしょう。しかし、無計画に暴飲暴食を行うと、逆に体重が増える可能性があります。ポイントは、適切なタイミングや頻度でチートデイの計画を立て、適度に楽しむことです。
チートデイは本当に必要?
チートデイの必要性は、個々の状況や目標によって異なります。ダイエットの進捗や体調を見ながら、チートデイを取り入れるかどうかを判断する必要があります。停滞期に差し掛かっている場合や、基礎代謝が低下していると感じる場合には、チートデイが有効であるといえるでしょう。
チートデイが必要ある人とない人の特徴は?
チートデイが必要な人と必要ない人、それぞれの特徴は以下の通りです。
【チートデイが必要な人】 ・ダイエットの停滞期に入っている人 ・基礎代謝が低下していると感じる人 ・長期間の食事制限でストレスが溜まっている人
【チートデイが必要ない人】 ・体重が順調に減っている人 ・体脂肪率が高い人(男性20~25%以上、女性30~35%以上が目安) ・ダイエット期間が浅い人 |
食事管理や糖質制限をしている場合、好きなものが食べられずにストレスが溜まっている可能性があります。ストレスはダイエットの大敵になり得るため、定期的にチートデイを取り入れてストレスを発散させましょう。
一方、ダイエットを始めたてで、まだ結果が出ていない人や順調に体重減少ができている人は、チートデイは不要です。停滞期に入ったときや、基礎代謝が低下していると感じたときに取り入れてみましょう。
チートデイに食べないほうがいいものは?
チートデイにおいても、注意が必要な食べ物があります。大量の脂質と糖質を含む食べ物は避けたほうが良いでしょう。また、アルコールの摂取も控えるべきといえます。どうしても食べる場合は、量の調整をすることをおすすめします。チートデイに避けたほうがいい食べ物は、以下の通りです。
- 焼き菓子やケーキ:高カロリーで糖分と脂質が多く、短時間で摂取カロリーが増加するため脂肪がつきやすくなる可能性があります。
- フライドポテトやポテトチップス:油で揚げられているため脂質が高く、カロリーオーバーの原因になることがあります。
- アルコール類:種類によっては糖質が高く、アルコールの作用により筋トレの効果を減少させるおそれがあります。
チートデイを効果的に活用するためには、適切な食べ物を選ぶことが重要です。バランスを考えながら適量で楽しみましょう。
チートデイを取り入れてダイエットの停滞期を突破しよう
チートデイを取り入れることで、ダイエットの停滞期を突破する効果が望めます。効果的にチートデイを行うためには、正しいやり方と適切なタイミングでの取り組みが大切です。ダイエットのストレスを軽減し、モチベーションを維持するためにも有効ですが、自己流で無計画な暴飲暴食を行うと逆効果になることもあるため気をつけましょう。
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