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ダイエットの大敵!食欲と正しく向き合うために
ダイエットの大敵!食欲

目次

ダイエットをしていると、「ついつい食べ過ぎてしまった」「こんなに食べるつもりじゃなかったのに…」と自分の食欲が恨めしくなる時があります。

とはいえ、食欲が全くないというのも心配なものですし、食欲を無視して食べるのを我慢し過ぎるのもストレスになってしまいます。人は生きていくためにお腹が減るもの。

今回はダイエット中、どのように自分自身の食欲と向き合えばいいのかについて考えてみましょう。

食欲がわく原因

そもそもなぜ食欲がわくのでしょうか。食欲に深く関係している2つのホルモンがあると言われています。脳には摂食中枢と満腹中枢という食欲をコントロールする機関が2つ存在しています。※1

お腹が空いている時、すなわち身体にエネルギーが足りていない時に、血糖値が下がると胃からグレリンという物質が摂食中枢に送られ、グレリンを受け取った摂食中枢が「食べろ」という信号を発信します。※2

この時に人は「お腹が空いた」という空腹感を感じるのです。

そして食事が進んでエネルギーが十分に摂取され、血糖値が上がると、今度は体脂肪からレプチンというホルモンが分泌され満腹中枢に送られます。満腹中枢がレプチンを受け取ると「お腹いっぱい」という満腹感を感じ、食欲が満たされます。※3

このように「グレリン」「レプチン」の2つのホルモンが動くことで、食欲はわいたり満たされたりするのです。

我慢しなくて良い食欲と我慢すべき食欲について

我慢すべき食欲について

そんな生きていく上で必要な信号である「食欲」ですが、実は身体がエネルギー不足に陥ってないにも関わらず空腹を感じる、「ニセの食欲」と呼ばれる現象があります。

例えば、本当はお腹が空いていないのに、「ランチタイムだから」「おいしそうだから」「いい香りに誘われて」といった、無意識に認知・嗜好・経験・記憶などに関係して食欲を導くケースが「ニセの食欲」です。

他にも、「食べ過ぎ」や「早食い」をした時には、血糖値が急激に上昇します。するとすい臓が大急ぎでインスリンを供給しようとするために、過剰に分泌されてしまいます。※4

過剰に分泌されたインスリンは、蓄積した体細胞に必要以上の糖質を供給し、消費しきれなかった糖質は、「体脂肪」として蓄積されてしまいます。※5

また血液中のブドウ糖が急激に減る、つまりは「急激に血糖値が下がる」と、脳が誤作動を起こし、血糖値が下がった=お腹が減ったという風に認識し、実はもうお腹はいっぱいなのに「まだ食べたい!」と感じてしまうという現象が起こるのです。

ダイエット中はなるべくこの「ニセの食欲」に惑わされないようにして、必要な分だけ食べるということが大切になってきます。

具体的には、食べたはずなのになんとなく空腹を感じたり、習慣としてお腹が空いていないのになんとなく食べていたりする「ニセの食欲」の場合は食事を我慢し、そもそも食事を摂っていないなど、生命活動を維持するために必要な「本当の食欲」の場合にのみ食事を摂るようにしましょう。

ダイエット中の正しい食事について

ダイエット中の正しい食事方法は、まず「きちんと三食バランスの良い食事を摂ること」です。食事を抜くとその分体重が減るのでは、と思っている方も多いことでしょう。

確かに最初は体重が減るかもしれませんが、一定のところでそれ以上減らなくなったり、逆にリバウンドしてしまいやすくなったりします。1日の平均摂取カロリーが基礎代謝を下回ってしまうと、身体は飢餓状態に陥ってしまいます。口を通して、すなわち普段の食事を通して、必要な糖分が摂取できなくなると、身体は体内から糖を補おうとします。※5

その時まず、肝臓に蓄積されているブドウ糖やグリコーゲンから糖を補います。基礎代謝が減るとなかなか体脂肪を燃やせなくなり、そのために体重減少が止まってしまったり、以前と同じような食生活をした時に逆に太りやすくなったりしてしまうのです。

そのため、三食きちんとバランスの良い食事を摂りつつ、身体が飢餓状態に陥らないようにすることが、今後のダイエットの成功を左右すると言えます。「糖質制限ダイエット」という糖質の摂取を制限するダイエット方法が有名ですが、極端に糖質をカットしようとすると普段の生活に支障が出ることもあります。

むしろ重要なのは「GI値」の低い食品を食事の中に取り入れること。GIとは、グライセミック・インデックス(Glycemic Index)の略で、食品に含まれる糖質の吸収度合いを示し、摂取2時間までの血液中の糖濃度を計ったもの。※7

一般的にGI値の低い食品は、血糖値が急激に上がることの抑制効果が期待できる食品と言われており、逆にGI値の高い食品は、血糖値を急に上げてしまうことになります。

一言で炭水化物(糖質が含まれており、糖質制限ダイエットでは摂取量を制限することが一般的です)と言ってもそのGI値はさまざま。低GI値食品としては、春雨・そば・玄米・小麦全粒粉パンなど、高GI値食品としては、白米やパンが挙げられます。

低GI値食品であれば、血糖値の上昇を抑制してくれ、食べ合わせなどによってはそれ以降に口にするものの血糖値上昇も合わせて抑制してくれる効果が期待できます。※8

このようにダイエット中の食事については、むやみやたらに摂取量を減らしたり、何か特定の食べ物を我慢したりして身体が飢餓状態に陥ってしまうのではなく、三食きちんとバランスの良い食事を摂りながら、その範囲で太りにくい食品などを上手に取り入れることが大切です。

どうしてもお腹が減った時の対処法

どうしてもお腹が減った時の対処法

「これはニセの食欲だから、いま食べるのは我慢しよう」「昨日の夜食べ過ぎてしまったから、今日のカロリー摂取量は抑えめにしよう」という風に食事をコントロールしようと思っても、どうしてもお腹が減ってしまうということもあるかと思います。

食欲を我慢することはストレスに繋がり、暴飲暴食を引き起こしかねません。また夜にご飯を食べると運動などで消費できないため、身体に体脂肪として蓄積してしまいやすくなりますが、夜間に感じる空腹を我慢しようとすればするほど、眠れなかったりイライラしたりすることもあります。

そんなどうしても感じる空腹をうまく解消する方法をいくつかご紹介します。

炭酸水など水分を摂る

空腹の抑制には、常温の炭酸水を食前に300mlほどたっぷり飲むのが効果的と言われています。炭酸水に含まれる炭酸ガスで胃が大きくふくらんで、脳の満腹中枢が刺激されることによって空腹の抑制が期待できるのです。

ただし、糖分を多く含む甘い炭酸水は避けできれば0kcalの物を選ぶこと、毎食前ではなく飲み過ぎや食べ過ぎを防ぎたい時など、時々取り入れることで胃が膨らんだ状態に慣れないようにすることが大切です。

ガムなどを噛んで満腹中枢を刺激する

ガムを噛む=咀嚼することで唾液の分泌が促されると、脳の満腹中枢が刺激されて実際には何も食べていなくても、満腹感を感じやすくなります。

そうすることで、食事の量を自然に減らすことができ、空腹時のストレスによる暴飲暴食を防いでくれます。

低カロリーの物や胃腸に負担をかけない消化の良い物を食べる

もちろんお腹が空いたからと言って、好きなだけ好きな物を食べるのは絶対NGです。特に寝る前の食事は200kcal以内を心がけましょう。

また胃に負担をかけやすい、消化に時間がかかる食べ物も避けるようにしましょう。

そのほか気をつけるべきこととは

食欲と上手に付き合うためには、自分自身が感じている食欲が本当に正しいのかどうか、また必要な分だけの食事摂取に抑えられているのかどうかが重要になります。

体重計にこまめに乗って、体重の変化を把握することも大切です。食べているはずなのに極端に体重が減っているなら病気の可能性もありますし、体重が増えやすくなっているなら食事の内容を見直した方が良いかもしれません。

他にも最近の研究結果によると、食事前にプロテインを摂取すると食欲が抑えられ、過食を防ぐことができるということが分かってきました。このように食欲を抑えながら、正しい摂取量で食事をする方法はいくつかあるので、自分に合った方法をぜひ試してみてください。

食欲と上手に付き合って、ダイエットを成功させよう!

ダイエットの大敵でもある食欲。食欲を感じるままに好きな物を好きなだけ食べていると、当然ダイエットは成功しません。

そんな当たり前のことは分かっているけれども、どうしても我慢できずに食べてしまう…と悩んでいる人も多いのではないでしょうか。ダイエット中に食欲をコントロールするために大切なのは、「食べないこと」ではなく「何をどのように食べるか」です。なかなかダイエットに成功しない、という人は、今一度自分自身の食欲と向き合い、どうすれば上手に付き合っていけるのか、さまざまな方法を試してみてはいかがでしょうか。

もし、1人でのダイエットに限界を感じたら、是非一度、無料カウンセリングにお越しください。あなたのダイエットを全力でサポートさせていただきます。

 

参照文献

※1 佐々木 和男, 大村 裕.摂食行動の調節機序.日本咀嚼学会雑誌.1994年 4巻1号 23-31.https://www.jstage.jst.go.jp/article/soshaku1991/4/1/4_1_23/_pdf/-char/ja(参照 2020年2月27日).

※2 石岡 克己.摂食調節の生理学と比較医学.ペット栄養学会誌.2009年 12巻1号.https://www.jstage.jst.go.jp/article/jpan/12/1/12_7/_pdf/-char/ja(参照 2020年2月27日).

※3 石岡 克己.摂食調節の生理学と比較医学.ペット栄養学会誌.2009年 12巻1号.https://www.jstage.jst.go.jp/article/jpan/12/1/12_7/_pdf/-char/ja(参照 2020年2月27日).

※4 田中 逸.2)時間代謝学に基づく効率的な食事と運動を考える.日本内科学会雑誌.2016年 105巻3号 411-416.https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/105/3/105_411/_pdf(参照 2020年2月27日).

※5 青山 敏明.中鎖脂肪酸の栄養学的研究.オレオサイエンス.2003年 3巻8号 403-410,386.https://www.jstage.jst.go.jp/article/oleoscience/3/8/3_403/_pdf(参照 2020年2月27日).

※6 加藤 秀夫, 国信 清香, 齋藤 亜衣子, 出口 佳奈絵, 西田 由香, 加藤 悠.時間栄養学と健康.日本薬理学雑誌.2011年 137巻3号 120-124.https://www.jstage.jst.go.jp/article/fpj/137/3/137_3_120/_pdf/-char/ja(参照 2020年2月27日).

※7 田中 照二.グライセミック・インデックス (Glycemic Index: GI).日本食生活学会誌.2003年 14巻3号 156-163.https://www.jstage.jst.go.jp/article/jisdh1994/14/3/14_3_156/_pdf(参照 2020年2月27日).

※8 金本 郁男, 井上 裕, 守内 匡, 山田 佳枝, 居村 久子, 佐藤 眞治.低Glycemic Index食の摂取順序の違いが食後血糖プロファイルに及ぼす影響.金本 郁男, 井上 裕, 守内 匡, 山田 佳枝, 居村 久子, 佐藤 眞治.2010年 53巻2号 96-101.https://www.jstage.jst.go.jp/article/tonyobyo/53/2/53_2_96/_pdf/-char/ja(参照 2020年2月27日).

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