ダイエットに取り組み始めたらよく耳にする、「基礎代謝」というキーワード。「基礎代謝を上げることで効率良くダイエットができる」「ダイエットの成功の鍵は基礎代謝」と言われることも多くあります。
そのため基礎代謝が重要であることは知っているけれど、そもそも基礎代謝が何なのか、どうすれば基礎代謝を上げることができるのかはよく分かっていないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回はダイエットをするなら押さえておきたい、「基礎代謝」について徹底解説します!
そもそも基礎代謝とは?
よく耳にする「基礎代謝」ですが、簡単に言うと「私たちの身体を動かす基本的なエネルギー」のことを指します。
私たちが生きていくためには内臓を動かしたり体温を維持したり、エネルギーを使うことが必要です。1日の総消費エネルギーは約60%〜70%が基礎代謝、残りの30%程度が生活活動代謝という、日常生活や運動などの活動で消費するエネルギーと言われています。※1
その割合を見ても、いかに基礎代謝が重要かということが分かりますよね。
基礎代謝の中で、最もエネルギーを消費するのが筋肉です。※2
筋肉を鍛えて筋肉量を増やすと、基礎代謝で消費するエネルギー量が増えるので、太りにくく痩せやすい身体になります。これがダイエットで「基礎代謝が重要」と言われる理由です。
年齢や生活習慣、筋肉量などによっても異なりますが、基礎代謝の目安としては男性が1,520kcal/日、女性が1,140kcal/日です。※3
基礎代謝を上げるメリット
先にも軽く述べましたが、基礎代謝を上げることはダイエットに効果的です。ここでは基礎代謝を上げることによるメリットをいくつかご紹介します。
メリット①ダイエットに効果的
再三述べているように、基礎代謝を上げることはダイエットに効果的というメリットがあります。
運動するともちろんエネルギーが消費されるのですが、基礎代謝が高いということは、普段の生活をしていてもエネルギー消費量が多いということ。家でじっとしていたり、座って仕事をしていたりする間もエネルギーが消費されるのであれば、とても嬉しいですよね。
また基礎代謝が高いということは痩せやすい体質になっているということですので、ダイエットした時にリバウンドしづらいとも言われています。
極端な食事制限などを行うと一旦は体重が減るかもしれませんが、基礎代謝も下がってしまうと結局消費できるカロリーの量も減ってしまいます。
そのため食事量を戻すと結局摂取カロリーが消費カロリーを上回ってしまい、体重がリバウンドしてしまうのです。
ダイエットを効率良く行うためには、まず基礎代謝を上げて、普段の生活をしている中でもしっかりカロリーを消費できるような身体を作ると良いでしょう。
メリット②免疫力が高まり健康的に
基礎代謝が上がると筋肉の活動量が増え、体温が高くなると言われています。体温が上がることによってリンパ球が活性化し、細菌やウィルスの侵入をブロックして風邪を引きにくくなることが期待できます。※4
また、血行が良くなることから冷え性、肩こり・腰痛、生理痛の改善にも効果が期待できると言われています。※5
基礎代謝を上げるために重要なこと
基礎代謝は、成長期が終わって20代以降はだんだん減少していくと言われています。※6
そのため意識をして基礎代謝を上げていかないと、同じ食事・同じ運動量をしているはずなのになぜか太りやすくなってしまった…という事態になってしまうのです。
加えて基礎代謝の消費量は骨格筋と肝臓、そして、脳が半分以上を占めますが、その内訳としては肝臓27%、脳19%、筋肉18%、腎臓10%となっており※7、運動によって筋肉をつけることだけでなく、肝臓や腎臓などの内臓機能を高めることによっても、基礎代謝を上げることは可能なのです。
そこでこの章では、食事面と運動面それぞれで、基礎代謝を上げるために試したい方法をご紹介します。
食事編:基礎代謝を上げる食べ物を積極的に取り入れる
基礎代謝を上げる食べ物は、大きく分けて次の3つに分けられます。
1. 身体を温めて内臓の働きを良くする食べ物
2. 筋肉の元となり、脂肪燃焼効果が高い食べ物
3. 代謝の働きをサポートする食べ物
それぞれのおすすめ食材を見てみましょう。
1. 身体を温めて内臓の働きを良くする食べ物
身体を温める食べ物には2つの特徴があると言われています。
一つは、「土の中で育った食べ物」、もう一つは「冬が旬の食べ物」です。根菜類や芋類と行った土の中で育った食べ物が身体を温めるのは、水分が少なくてビタミンEが豊富に含まれているからだと考えられています。
ビタミンEには血行を良くする働きがあるので、血の巡りを良くして体温を上げてくれることが期待できます。具体的には下記のような食材です。
ニンジン、カボチャ、ネギ、山芋、生姜、ニラ、ニンニク、カブなど
2. 筋肉の元となり、脂肪燃焼効果が高い食べ物
アミノ酸が豊富に含まれた食べ物は、筋肉の元となり脂肪燃焼効果を高めることが期待できるので、基礎代謝を上げる食べ物に挙げられます。※8 ※9
具体的には下記のような食材です。
牛乳、チーズ、カツオ、シジミ、アジ、シラス、レバー、豆類、鶏肉、豚肉など
3. 代謝の働きをサポートする食べ物
ビタミンB、特にビタミンB1は糖質の代謝に必要な酵素の働きをサポートしてくれます。※10
具体的には下記のような食材です。
納豆、大豆、ウナギ、青魚、マグロ、サケ、卵、牛乳、玄米
運動編:筋肉量を増やすため、筋トレを取り入れる
基礎代謝を上げるためには、筋肉量を増やすことが重要です。※11
そのため、運動面では筋トレを取り入れて、積極的に筋肉をつけるようにしましょう。とはいえ、特に女性の場合はムキムキになりたくない、筋肉をつけたら逆に体重が増えたり太って見えたりするのでは…と不安に感じられるかもしれません。
結論から言うと、週に1〜2回程度ジムで筋トレをする程度では、ムキムキになるまで筋肉を育てることは難しいようです。
男性と比較して女性は筋肉がつきにくく※12、ボディビルダーレベルの筋肉を目指すとなると、厳しいトレーニングや、トレーニング以外の時間でもプロテインを摂取するなど努力が必要になります。
人体には約600個の筋肉が存在していますが、大きな筋肉群を育てて行くだけで、十分に基礎代謝を上げることは可能です。※13
大きな筋肉群とは、大胸筋(胸の辺りの筋肉)や広背筋(背中の筋肉)、腹筋やハムストリングス(太ももの裏側の部分)などのことを指します。
腕立て伏せや背筋、腹筋やスクワットなどでそれぞれの筋肉を鍛えることができますが、最も重要なのは筋トレを継続していくということです。もともと年齢とともに筋肉も基礎代謝も落ちて行く傾向があるため、定期的なトレーニングを習慣化しましょう。※14
基礎代謝を上げて、痩せやすいダイエット向きの身体を手に入れよう!
今回は「基礎代謝」の基礎知識についてご紹介しました。今まで「基礎代謝」という言葉自体は聞いたことがあったけれど、その意味やどうしてダイエットにとって大切なのかは知らなかったという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
繰り返しになりますが、基礎代謝を上げるということは、ダイエットの効率を上げ、一度手に入れた理想のボディを維持するためにとても重要です。
食事面、運動面両方から基礎代謝を上げることにアプローチして、ぜひ太りにくく痩せやすいダイエット向きの身体を手に入れてくださいね。
もし、1人でのダイエットに限界を感じたら、是非一度、無料カウンセリングにお越しください。あなたのダイエットを全力でサポートさせていただきます。
参照文献
※1 e-ヘルスネット.厚生労働省.身体活動とエネルギー代謝.https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/exercise/s-02-003.html(参照 2020年2月27日).
※2 e-ヘルスネット.厚生労働省.加齢とエネルギー代謝.https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/exercise/s-02-004.html(参照 2020年2月27日).
※3 e-ヘルスネット.厚生労働省.加齢とエネルギー代謝.https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/exercise/s-02-004.html(参照 2020年2月27日).
※4 河野 一郎.運動と免疫.体力科学.1992年 41巻2号 39-146.https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspfsm1949/41/2/41_2_139/_pdf/-char/ja(参照 2020年2月27日).
※5 山王丸 靖子, 秋山 隆, 沼尻 幸彦, 寺尾 哲, 和田 政裕.若年女性の冷えと食および生活習慣との関連.日本食生活学会誌.2016年 26巻4号 197-204.https://www.jstage.jst.go.jp/article/jisdh/26/4/26_197/_pdf/-char/ja(参照 2020年2月27日).
※6 e-ヘルスネット.厚生労働省.加齢とエネルギー代謝.https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/exercise/s-02-004.html(参照 2020年2月27日).
※7 FAO/WHO/UNU合同特別専門委員会報告.1989年.
※8 山内 崇靖,杉浦 克己.アミノ酸摂取と運動が脂質代謝に与える影響.http://rikkyo-wellness.com/Portals/0/PDF/2011,12_P10-P31.pdf(参照 2020年2月27日).
※9 山内 崇靖,杉浦 克己.アミノ酸摂取と運動が脂質代謝に与える影響.http://rikkyo-wellness.com/Portals/0/PDF/2011,12_P10-P31.pdf(参照 2020年2月27日).
※10 松田 兼一, 平澤 博之, 菅井 桂雄, 大竹 喜雄, 織田 成人, 志賀 英敬, 北村 伸哉.ビタミンB1欠乏に起因したショック時の糖質・脂質代謝動態の検討 .日本救急医学会雑誌.1993年 4巻4号 309-319.https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjaam1990/4/4/4_4_309/_pdf/-char/ja(参照 2020年2月27日).
※11 田中 喜代次, 中田 由夫.減量しながら筋肉量および基礎代謝量を高めることは可能か?.体力科学.2017年 66巻3号 209-212.https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspfsm/66/3/66_209/_pdf/-char/ja(参照 2020年2月27日).
※12 金久 博昭.筋量・筋力における性差.体力科学.2016年 65巻1号 43.https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspfsm/65/1/65_43/_pdf/-char/ja(参照 2020年2月27日).
※13 獨協医科大学.筋系(総論).http://1kai.dokkyomed.ac.jp/etc/locomo/loco_g3.htm(参照 2020年2月27日).
※14 Shock, N. W. (1967): Physical activityandthe “rateofageing”. Can. Med. Assoc. J., 96, 836-840.