身体を鍛えるためにトレーニングを始めたいと思っている方には、初心者も始めやすい「チューブトレーニング」がおすすめです。
この記事では、チューブトレーニングとはどのようなトレーニングか、チューブトレーニングの効果やメリット、自分に合ったトレーニングチューブの選び方などに関して解説します。
ぜひ参考にしてください。
チューブトレーニングとは?
チューブトレーニングとは、その名のとおりチューブを用いて行うトレーニングです。ダンベルなどの器具を用いたトレーニングは器具の重さがそのまま負荷となりますが、チューブトレーニングはチューブの張力が負荷となるのが特徴です。
また、ウエイトトレーニングでは、器具を持ち上げるための最初の動作に大きな負荷がかかりますが、チューブトレーニングはチューブを伸ばしていくにつれて張力が大きくなるので、後のほうがより負荷が大きくなります。
これらは、チューブトレーニングとウエイトトレーニングで大きく異なる点であり、チューブトレーニングを行うメリットにもなり得るポイントです。
チューブトレーニングの効果やメリット
チューブトレーニングの効果やメリットは、主に以下のとおりです。
- 自宅&初心者でもはじめやすい
- 筋肥大効果が高い
- 負荷を調節しやすいのでケガをしにくい
- トレーニングの自由度が高い
それぞれに関して、詳しく説明します。
自宅&初心者でもはじめやすい
チューブトレーニングはチューブさえあればできるので、特別な器具等は必要ありません。そのため、自宅で行うトレーニングとして向いています。また、トレーニングの動き自体はシンプルで分かりやすいので、初心者の方も気軽に始められます。
筋肥大効果が高い
トレーニングで筋肉を肥大させるためには、関節の可動域全体にしっかりと負荷をかける必要があります。
ウエイトトレーニングは動作の最初に大きな負荷がかかる反面、動作途中の負荷が抜けてしまうことがあります。一方、チューブトレーニングは動作中常に負荷が持続するため、高い筋肥大効果が期待できるでしょう。
負荷を調節しやすいのでケガをしにくい
ウエイトトレーニングは動作の最初に大きな負荷がかかるので、無理なウエイトでのトレーニングはケガにつながる可能性があります。
一方、チューブトレーニングでは動作を進めるごとに負荷が大きくなるので、自分にとってちょうど良いところで負荷の調節が可能です。そのためケガをしにくいことも、チューブトレーニングのメリットといえます。
トレーニングの自由度が高い
チューブトレーニングは、チューブの引っ張り方を変えることでさまざまなトレーニングを行えます。ひとつの道具だけでさまざまなトレーニングに対応できるので、非常に自由度が高いといえるでしょう。チューブ自体はそこまで大きなものでないため、トレーニングする場所を選ばないこともメリットです。
トレーニングチューブを使った筋トレ方法6選
トレーニングチューブを用いた筋トレ方法にはさまざまなものがあり、鍛えたい箇所によって適切な筋トレ方法も異なります。トレーニングチューブを使ったおすすめの筋トレ方法および、その筋トレ方法で鍛えられる箇所に関して、以下で詳しく説明します。
①チェストプレス
チェストプレスは、大胸筋を鍛えられるトレーニングです。腕立て伏せよりも小さな負荷で行えるため、大胸筋を鍛えたいけど腕立て伏せは苦手という方にも向いています。トレーニング方法は、以下のとおりです。
- 両足を肩幅くらいに開いて立ち、チューブを背中に通して肩甲骨に引っ掛けるようにして両手でチューブの端を持つ
- 肘が伸びきる位を目安に両手をゆっくりと前方に伸ばしていく
- ゆっくりと元の体勢に戻る
繰り返す回数によって負荷が変わりますので、自分の身体と相談しながら回数を決めましょう。
②チューブクランチ
チューブクランチは、チューブを用いたトレーニングにおいて腹筋を鍛える代表的なものです。トレーニング方法は、以下のとおりです。
- 床に座り、左右の長さが均等になるように足の裏にゴムチューブを引っ掛ける
- ゴムチューブを足裏に引っ掛けたまま脚を浮かせて上半身を倒し、肘を伸ばしてゴムチューブをしっかりと持つ(ひざの角度は90度を保つこと)
- その姿勢のまま、反動を使わずに上体をゆっくりと起こしていく
- 辛いと感じるところまで来たら元の体勢にゆっくりと戻る
各動作は急がずゆっくり行うことで、筋肉にしっかり負荷をかけられます。
③チューブサイドベント
チューブサイドベントは、おなかの横にある腹斜筋を鍛えるためのトレーニングです。くびれを作りたい方にもおすすめで、トレーニング方法は以下のとおりです。
- 両足を肩幅くらいに開いて立ち、両足でチューブを踏む
- 片方のチューブストラップを持ち、上半身を大きく横に曲げていく
- 最大限に上半身を曲げたら同じ軌道で元に戻っていく(反動を使わないように注意)
身体を曲げる角度を変えることで負荷がかかる筋肉の場所も変わるので、鍛えたい箇所に応じて身体の向きを変えることを意識すると良いでしょう。
④チューブレッグレイズ
チューブレッグレイズは、腹筋のなかでも下腹部の腹直筋下部を鍛えられるトレーニングです。ぽっこりお腹を引き締めるのに効果的で、トレーニング方法は以下のとおりです。
- チューブをループ状にして、両足の土踏まずのあたりにチューブを引っ掛ける
- チューブを両手で引っ張りお尻の下に持っていき、膝を軽く曲げて脚を伸ばし、床から少し浮かせる
- 息を吐きながら、3~4秒かけてゆっくりと足を上げていく
- 太ももが床と垂直になるあたりまで上げ、その位置で2~3秒キープする
- キープ終了後、息を吸いながら3~4秒かけて足を元に戻していく(足を床につけないように注意)
正しい姿勢を維持しないと腰に負担がかかる可能性があるので、トレーニング中は常に姿勢を意識しましょう。
⑤チューブヒップアダクション
チューブヒップアダクションは、臀筋とお尻の横にある中臀筋を鍛えるトレーニングです。メリハリのあるヒップラインを目指すのに効果的で、トレーニング方法は以下のとおりです。
- 床に横向きで寝転がり、床側の肘を立て上半身を支える
- 膝にトレーニングチューブをセットして、床側の膝を90度に曲げる
- お腹に力を入れて、おヘソから太ももにかけて床と平行にするよう意識する
- 上に上げているほうの太ももを斜め上(45°程度)に持ち上げる
- 両膝の間隔が拳ひとつ分のスペースになる程度まで、持ちあげた足を下ろす
上述した体勢で行うのが難しい方は、身体全体を真横に寝かせて頭〜足先までを一直線にするように寝転がる形でトレーニングを行いましょう。
⑥チューブスクワット
チューブスクワットは、大殿筋やハムストリングスなど下半身全体に効くトレーニングです。多くの部位を一度に鍛えるのに向いており、トレーニング方法は以下のとおりです。
- 両足を肩幅程度に開いてチューブを踏み、しゃがんでチューブを肩にかけて立ち上がる
- 直立した姿勢から上体をやや前傾させ、息を吸いながら2~3秒かけてしゃがむ
- しゃがんだ位置から息を吐きながら2~3秒かけて立ち上がる
勢いや反動を付けずに、じっくりと動作することを意識しましょう。
トレーニングチューブの選び方
自分に合ったトレーニングチューブを選ぶためには、以下に挙げるようなことを意識すると良いでしょう。
- ハンドルの有無
- チューブの強度
- タイプ(チューブ、バンド、独自の形状)
それぞれに関して、詳しく説明します。
ハンドルの有無で選ぶ
ハンドルが付いているチューブは手で持ちやすく、正しいフォームを維持してトレーニングを行えるのがメリットです。
ハンドルの付いていないチューブは持ち手部分を柱に巻き付けたり、さまざまな角度で引っ張ることができたりと、複雑なトレーニングに対応できます。
チューブの強度で選ぶ
チューブの強度は適切に負荷をかけられるかどうかに関わります。
強度が強すぎても弱すぎてもトレーニングの効果が下がってしまうため、自分に合った強度のものを選びましょう。
タイプ(チューブ、バンド、独自の形状)で選ぶ
チューブタイプは、ひも状のゴムを引っ張ってトレーニングを行います。モデルによっては、チューブの数を増やして負荷の調節を行うことも可能です。
バンドタイプは種類が豊富で、さまざまな負荷のものから自分に適したものを選べます。耐久性がやや低い点には注意をしましょう。
独自の形状のタイプは、特定のトレーニングに合わせて設計されているものが多いので、そのようなトレーニングを行うときに重宝します。
チューブトレーニングの注意点
チューブトレーニングを行う際は、以下の点に注意しましょう。
- 鍛える箇所を意識しないと効果が出にくい
- 自分に合ったトレーニングチューブを使う
- 反動を使って伸ばそうとしない
それぞれの注意点に関して、詳しく説明します。
鍛える箇所を意識しないと効果が出にくい
トレーニングをする際は、トレーニングでどこが鍛えられるかを意識することが重要です。意識することで鍛えたい箇所に自然と力が入り、適したフォームでトレーニングを行えます。
鍛える箇所を意識せずにトレーニングを行うと、トレーニング効果が薄まるだけでなく、フォームも適切でなくなるため、ケガにつながる可能性があります。
自分に合ったトレーニングチューブを使う
チューブトレーニングでは、自分が「しんどい」と感じられる負荷を得られるチューブを使う必要があります。負荷が軽すぎてトレーニングにならない、
逆に負荷が強すぎてほとんど伸ばすことができないようなチューブは、トレーニングには向いていません。自分に合ったチューブを用いることで、トレーニングを効果的に行えるでしょう。
反動を使って伸ばそうとしない
チューブトレーニングでは、あくまでも鍛えたい筋肉の力を利用してチューブを伸ばす必要があります。チューブが伸びないからといって反動を利用して伸ばそうとすると、対象としている筋肉に上手く力が入りません。できるだけ反動を付けることなく伸ばすことを、意識しましょう。
チューブトレーニングは初心者の方にもおすすめのトレーニング
チューブトレーニングはチューブを用いて行うトレーニングで、初心者の方も始めやすく負荷が調節しやすいのがメリットです。さまざまなトレーニング方法があるので、鍛えたい箇所に応じたトレーニング方法を取り入れると良いでしょう。
自分だけでトレーニングをするのは不安という方は、パーソナルジムを頼るのもおすすめです。24/7workoutでは、トレーナーが一人ひとりに合ったメニューを組むので、安心してトレーニングを行うことができます。
チューブトレーニングに限らず、プロにサポートしてもらいながらトレーニングをしたいとお考えの方は、ぜひ24/7workoutを検討してください。
<監修者プロフィール>
宮崎光史
医師、医学博士。東京医科歯科大学医学部、同大学院卒。消化器外科医として勤務していたが、予防医学の重要性を認識。アーユルヴェーダ、中医学、操体法、ヨガ瞑想、気功整体などを学び、ヘルスコーチング主体の健康顧問医師として活動中。2020年に一般社団法人Wellness Life Supportを設立、代表理事。